そうだ京都行こう (6) 朝の光明院

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僕らの京都2日目。
友人たちとの会食以外無計画で来た京都ですが、それでも夫婦でネットなど見ながら、どこに行こう、何を食べようなど、その時の気分で決めていきました。
朝早めに朝食を終え、僕らは奥さんがネット画像から行ってみたいと言い出した「伏見稲荷大社」にまずは行ってみることに・・・。
僕らの泊まっている「ハイアットリージェンシー京都」から歩いて6~7分のところにある京阪電車の「七条」駅から3駅、約5分で「伏見稲荷」駅まで行き、大社にお参りしようと思ったのです。
でも、待てよ、この辺り他に何か、それに絡めて観光するところはないかな・・・と。
そこで思いついたのが「伏見稲荷」駅の手前にある「鳥羽街道」駅近くの「光明院」です。
(「鳥羽街道」駅までは約4分、運賃は150円でした)

「光明院」は1391年に創建された東福寺の境外塔頭。
塔頭とは、寺院の周辺に設けられた小寺院のことで、子院とも呼ばれます。
「虹の苔寺」という美しい通称も持ち、苔が美しい深緑や紅葉の時などにはいつもは静かな禅寺もその彩りを一段と華やかなものになると・・・。
でも今はそういう時期でもなく、とにかく静かなはず。
そしてここは朝早くからその門を開いているというのも、朝早くの僕らの行動にはぴったりで、いま思い出しても実に素晴らしい時を過ごせました。

     https://kanko.city.kyoto.lg.jp/detail.php?InforKindCode=1&ManageCode=1000063


入口などすべて無人、僕らはここに30分ほどいさせてもらいましたが、周囲は静寂の一言、どなたにも会いませんでした。
観光寺院ではないので、入口にはひっそりと志納料(300円??)入れがあるだけ。

奥に入って行くと、目の前に広がるのは枯山水の庭園。
ここは東福寺の方丈庭園「龍吟庵と」同じで、昭和の作庭家、重森三玲の作品だそうです。
「波心庭」と呼ばれる庭園は、「光明」をテーマに、大海原を表す白砂と巨石が光のように林立する庭になっています。
背後にあるサツキやツツジの大刈込みで雲紋を表現し、高台の雲上には茶亭「羅月庵」があります。
これを見て、もしかすると思い出す方もいらっしゃるかも・・・。
JR東海のCM「そうだ京都行こう」の2000年版のモデルとなっていた庭なんですよ。
これです。

僕も写真をこの構図で撮ってみました。
紅葉はありませんけど、蹲(つくばい)をちょっと入れるところまで似せてみました。
(歴代の「そうだ京都行こう」のCMについては

     http://souda-kyoto.jp/campaign/archives.html

をご覧ください)
あとここ、清酒「松竹梅」のごく初期のCMで石原裕次郎と宇野重吉が縁側で将棋を さす場面が撮られた場所でもあります。

一回り見て歩いた後は、自分好みの場所に座って、この静寂と景色を十二分に楽しみます。
特に気に入ったのはこの吉野窓。
吉野窓とは円形に見える丸窓のことで、完全な円は仏教でいうと完成した悟りの姿を現しています。
この窓越しの景色が何とも良い感じ。
これで紅葉の季節だったら、そりゃあもう日本人は全員ひれ伏すしかないでしょう。
これは写真では分かりにくいですかね、右のガラスが古いガラス(大正ガラス?)で、向こうが少し波打って見えるんです。
(左のは普通の現代ガラス)
意図しているわけではないのでしょうが、この波打って見えるガラス窓も良いですね。

これは写真撮っちゃダメだった?不謹慎?
ここの縁側に腰かけて、夫婦で庭を・・・。
10分くらいで体も冷えてきたので退散としましたが、誰もいない、物音一つしないこんなところでの時間は、何か歴史の中に吸い込まれていくような、大袈裟に言うと生きてて良かった感まで感じる、貴重なものでした。

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