コロンボ&香港 (22) 「ベントタ・ビーチ・ホテル」は初期バワ・ホテル

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ジェフリー・バワ最晩年のホテル「ザ・ブルーウォーター」を後に、車はリゾート地ベントタの中心へ中心へと入っていきます。
コロンボから南に約60キロ、ナショナル・ホリデイ・リゾートとして開発、観光客に必要なものは何でも揃っている、まさにスリランカを代表するビーチリゾートです。
そのベントタを代表するホテルが、もう築40年以上にもなる(1969年建築)この「ベントタ・ビーチ・ホテル」。

ここは「ザ・ブルーウォーター」とは逆、バワが極初期に造ったホテルとして知られています。
オランダ統治時代の石積みの砦をメイン棟の基壇に利用して、その形に合わせて、建物のプランニングをしたホテルとガイドは説明、ということは保存開発型デザインの走りということになるでしょうか。
意外なほど簡単な車寄せから、細い階段を上ると、そこが、基壇の上に作られたレセプションで、天井一面には色鮮やかなフォークロア風テキスタイルが貼られているというデザインで、意表を突かれます。

石窟の利用、そしてこのフォークロア風テキスタイルと、これらはバワのスリランカ文化へのオマージュなのでしょうか?
シーギリヤロックには僕は今回とうとう行けず、あの有名な石窟の天井画にも会えませんでしたが、どうでしょう、僕の考え過ぎ?

参考までにこれがジャングルの中、突然その姿を現すシーギリヤロックです。
王都として今から1400年前に栄え、以後仏教僧の間で修験場であったシーギリヤ、その岩肌にはこうした美女のフレスコ画が今でもまだ18人分ほど残っていると・・・。
おぉ、1960年代にもうこのスタイルですか!
彼お得意の水の回廊、水と緑、浮島、光と影、直線と直角・・・、「ザ・ブルーウォーター」で見たバワの特徴が、もうここにはっきり見えています。

もちろん経年40年以上、オウナーも変わり多少のリニューアルも施されているのでしょうが、やはり1960年代にこれは「すごいホテル」だったと思います。

(この木の廊下は大晦日と新年のイヴェント用の特別なもので、普段はないとのこと)
開放的なテラス。

客室棟、遠くから見ただけですが、やはり築40年以上という感じはどうしても・・・。
実勢宿泊レートはUS$140~200+くらい。
プール、広い芝生の庭園、そしてインド洋・・・。
暖かく湿った穏やかな海風がとても心地良かったテラス、プールサイド、そして庭園。

ゲストも多くなく、思い思いの時間を自分の好きな場所で本当に静かに過ごせそうなホテルでした。
このホテルは海だけではなく、ベントタ川がインド洋に注ぎ込む河口に出来た砂州の根元に建っているので、こうしたリヴァー・ビューの方向もあります。
ベントタには鉄道が走っていて、ホテル近くの「ベントタ駅」もバワの作品です。

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