バンコク初日の朝はホテルのバフェ朝食。
昼はここ「タンジン」(英語では「Thanying」と書きますが、読み方としては「ジ」です)というタイ宮廷料理の名店で・・・。
場所はBTSなら「スラサック」駅からが近いですが、雰囲気的には店の中までタクシーで乗り付ける感じの店。
(80年代中期に出来たばかりの時には、近くの「ソイ・ピパット」にありました)
何でもスコータイ宮殿の料理長だった王族の女性(Princess Sulabh?Valleng Visuddhi )の名前にちなんだというこのレストラン、一時は「バンコク伊勢丹」の6階にも支店を出していましたが、今はこの店のみ。
あまり宣伝メディアに乗ることもせず、ややスノッブとも言える立ち位置を取り続けている高級タイ料理店です。
接客はややスノビッシュで冷たいところもありますが(「フォーマル」と表現すれば、柔らかな表現になりますかね)、基本には忠実なサービス。
余分な口はなく、声も低く、常に柱の陰から店全体に目を配っていて、何かあれば瞬時に飛んでくるという感じです。
インテリアは内も外も実に上品なタイ・コロニアル、この雰囲気は一朝一夕に出来上がるものではないでしょう。
ここは僕にとって想い出のレストラン、初めてバンコクに来た時にここに案内されて、そのセレブ感溢れる店内、それまで知っていたスパイシーなタイ料理とは一線を画す細かな細工、蜂蜜などを多用したマイルドな味、手間暇かけた料理、美しいディスプレイ・・・僕にとってのタイ料理とは長らくここの料理のことでした。
今から考えるとずいぶん変ですが、本当にここの「宮廷」料理が僕のタイ料理の原点だったのです。
夜のモードでこそこのレストランの本領発揮でしょうが、僕はここの緑あふれる昼間のムードもかなり好きです。
ここにはアラカルト・メニューもかなりな数あるのですが、何回通ってもここのセット・メニューが不動の一番人気のよう・・・。
値段はホテル内のタイ・レストランなどに比べるとかなりリーズナブルで、セット・メニューは660バーツ++、792バーツ++、990バーツ++の3種類。
昔話をすれば、最近の792バーツのと990バーツの中間くらいの内容が確か300バーツ位だったと思います。
マンゴ・シェイクは文句なし。
陶器の入れ物もお洒落ですが、そのトロッとしたシェイクは絶品です。
日本円にしたらたいしたことはないので、一番品数の多いセット・メニューでも良かったのですが、朝はバフェで食べているし、今回は660バーツの一番簡単なセットをオーダーしました。
まずは野菜と揚げ春巻き。
タイ風のピリッと感は全く感じません。
敷かれた蜂蜜ベースのソースが、いかにも「タンジン」です。
スープは「トムヤムクン」か「トムカーガイ」からの選択。
「トムヤムクン」に関しては、今でもここのを評価の基準にしている味です。
メインは4種盛り、ご飯もスタイリッシュな形で出てきます。
(ご飯は昔は、こんな形では出てきませんでした、普通に陶器製のお櫃からでした)
この4種類は昔のセットとほとんど同じもの、海老をガーリックやペッパーと炒めたもの、ビーフをタマリンド・ソースで炒めたもの、オイスターソースを絡めたアスパラガス、そして4種類目はメニュー上ではチキンのスイート・カレーでしたが、僕は我儘を言ってビーフのマッサマン・カレーに変えてもらいました。
どれも美味しく出来ていますが、昔の始めて食べた時の衝撃にはかないません。
材料の吟味(肉質など・・・)が以前より落ちているようですし、味にももう少し深みがあったような気がします。
僕の記憶違いでしょうか、あるいは僕の舌が肥えてしまった?
フルーツの切り方は昔と同じ。
この後コーヒーが出て660バーツのコースは終了、すべて込みで日本円にすると2100円位です。
この雰囲気の中でのこの値段は悪くないですよ、最近はあまり日本のメディアにも出てこないこの店、僕はいつでもこのレストランのファンです。