セントラル・パークの南西に位置するコロンバス・サークルにある「リンカーン・センター」。
ニューヨーク2日目の夜は、ここにあるジャズ・クラブ「ディジーズ・クラブ」(DIZZY’S CLUB COCA-COLA)にアーネスティン・アンダーソン(ERNESTINE ANDERSON)のジャズ・ヴォーカルを聴きに訪れました。
この巨大な建物は、ホテル・ファンには「マンダリン・オリエンタル・ニューヨーク」が入っているビルとしても有名、近くには同じく超高級な「トランプ・インターナショナル」もあります。
で、この「リンカーン・センター」。
1987年のことですが、ニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラ、オペラ、シティ・バレエに、教育機関としてジュリアード音楽院を擁し、素晴らしい音響のコンサート・ホール群をいくつも持つ、ニューヨークのクラッシック音楽の殿堂として有名なこの「リンカーン・センター」が、ジャズの分野にも進出したのです。
「ジャズ・アット・リンカーン・センター」(JAZZ AT LINCOLN CENTER)という非営利団体が設立され、大ホールの「エヴリ・フィッシャー・ホール」や、中規模の「アリス・タリー・ホール」などで定期的なジャズ・コンサートが開催されるようになったのです。
ジャズの伝統の継承と発展を綱領として創設されたこの「ジャズ・アット・リンカーン・センター」は、ウィントン・マルサリスの音楽コーディネートのもと、ジャズ講座、クラブ経営、ビッグバンドの運営などを行っています。
この日のライブも某フリー・ペイパーで確認。
最初のほうのセットが希望だったのでそんなに込んでないだろうと、例によって予約なしで行きました。
でも、ほとんどの人はテーブルを予約して食事もしているようでした。
僕ら予約なしの少人数組みは壁際にずっと並んでいるカウンター席に・・・。
でもここ、椅子と間隔はやや狭めですが、なかなかに見晴らしが良い所で、思ったより感じが良いのです。
ステージの向こうは一面の大ウィンドウ。
暮れなずんでゆくニューヨークの大パノラマが借景という素晴らしいジャズ・クラブ・・・何かあまりにも絵に書いたようなジャズのムード、セントラル・パークとその周囲のマンハッタンらしいスカイラインが醸し出す雰囲気にいとも簡単に酔うことが出来るセッティングです(笑)。
そして、さすがに音響が素晴らしい。
こんなに楽器の音の粒立ちがクリアなジャズ・クラブというのも珍しいです。
「リンカーン・センター」内の施設なことだけはあります。
演奏が始まりました。
あ、サックスはヒューストン・パーソン(HOUSTON PEASON)みたいです。
僕も名前だけは知っている人です。
キーボードの人の黄色いジャケットが印象的、ジャズ・メンはおしゃれですね。
もちろんフラッシュなしのナイト・モードでの撮影もこの辺でおしまいに・・・今日の主役のアーネスティン・アンダーソンが出てきました。
御年80歳になろうとしているのに、歌は全然年を感じません。
超若い頃のキュートで滑らかなこぶしもまだまだ健在です。
さすがに足と膝は悪いらしく、座って歌うし、ステージへの上り下りは大変そうでしたが、素晴らしいニューヨークの夕暮れの借景の中、同じく素晴らしい音響で、こうして黒~~い本物のジャズが聴けたのは、ゾクゾクするような興奮でした。
それほどジャズに熱心ではない僕でもこうですから、本当にジャズをお好きな方なら、ニューヨークのジャズ・クラブ巡りはもう天国でしょうね。
ショウ・チャージは高めの35ドルでした。