シカゴの街をほっつき歩き・食べ歩きは午後5時ごろで終了。
いくら飛行機の中で多少多めに寝てるとはいえ、日本時間をまだ引きずっている僕の体には少し疲れが・・・。
「ホール・フーズ・マーケット」などで買った荷物もずっと手に持って歩いていたし、肩・手・腰・ふくらはぎが・・・年ですね(笑)。
それにシカゴはこの日の夜こそ僕のメイン・エヴェント。
「ジノス・イースト」からはタクシーで「コンラッド・シカゴ」に帰り、午後6時半のウェイクアップ・コールをお願いして、ベッドの中に・・・。
(前にも書いたように「ジノズ・イースト」のピザのお土産は親切にしてくれたホテルのレセプショニストにあげました、とても喜んでくれているように見えましたが、ポーズ?)
で、1時間以上の昼寝(?)ですっかり元気を取り戻した僕、手早くシャワーを浴びて、午後7時、再びタクシーに・・・。
夜の部の始まりです。
まず手始めは「ミリオン・ダラー・カルテット」(Million Dollar Quartet)というミュージカルの鑑賞から。
この「ロックンロール」ミュージカルはニューヨークでもやっていますが、シカゴ・キャストの評判が良いのと、これを上演している「アポロ・シアター」(Apollo Theater)という劇場の場所が、その後のブルース・クラブのハシゴには丁度良い場所(ノース・リンカーン・アヴェニュー、North Lincoln Avenue)にあるということで、シカゴで見ることにしました。
写真でも分かるように、劇場の脇にはシカゴの高架鉄道「L」が通っていますが、駅からは少し歩くので(この辺、今はネット上の地図で簡単に分かるので超便利)、僕はタクシーで到着です。
ここはシカゴの「ループ」にあるシアター・ディストリクト(劇場街)にあるような大劇場と違って、かなり小さめの劇場。
満杯で400人くらいといったところでしょうか、ま、小劇場と言うには大箱かもしれませんが・・・。
で、これは一体どういうミュージカル?
一言で言えば「ロックンロール・ミュージカル」と言えるでしょうか。
大して大きなストーリーがあるわけではなく、音楽演奏がかなりな比重を持っている、最後にはノリノリのロックンロール・ショーになるというタイプのもの。
じゃ、ロックンロールでもどんなロックンロール?
「ミリオン・ダラー・カルテット」=「100万ドルの四重奏」って?
詳しくは「ウィキペディア」の
http://en.wikipedia.org/wiki/Million_Dollar_Quartet
でも見てもらえばですが、要はメンフィスのサム・フィリップス(Sam Phillips)というやり手のプロデューサーの元に、当時人気の頂点に達しようとしていたエルビス・プレスリー(Elvis Presley)、C&Wの大物ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、「ブルー・スエード・シューズ」で売り出し中のカール・パーキンス(Carl Perkins)、そしてメンフィス以外ではまだ無名だったジェリー・リー・ルイス(Jerry Lee Kewis)という4人が偶然にも一堂に会し、やがてジャム・セッションになったという史実に基づいたミュージカルなんです。
「ウィキペディア」には
”Million Dollar Quartet” is the name given to recordings made on Tuesday December 4, 1956 in the Sun Record Studios in Memphis, Tennessee.
The recordings were of an impromptu jam session among Elvis Presley, Jerry Lee Lewis, Carl Perkins, and Johnny Cash.
It was arguably the first supergroup.
と簡潔的確に記述があり、これが史上初の「スーパーグループ」ではと書かれています。
このセッションは当時は未発表、1980年代になってから日の目を浴び、一躍評判になったもの。
このミュージカルはその夜の奇跡的な邂逅を、当時のファンションなどの文化的な背景も忠実に模して、それぞれ立場も考え方も将来の夢も違う4人が自分たちのルーツである教会音楽から自分たちが今歌ってるロックンロールまで、歌というもので一つになってゆく(そしてまた散りじりになる)状況を描いています。
僕はロックンロールというよりR&Bのファンですが、R&Bと付かず離れずの位置にいたロックンロールも決して嫌いではありません。
4人を演じる役者は一部口パクのところもありましたが(僕は最前列ど真ん中という最高の席だったので実に良く見えました)、全員良くその役になりきって、歌も楽器も相当に上手でした。
本当にアメリカはこういう人材が豊富ですね。
役者としてはジェリー・リー・ルイス役の人が一番上手かった・・・。
個人的には4人を束ねたメンフィスの「サン・レコード」(Sun Records)オーナーのサム・フィリップス役の人のいかにも野心家の南部白人ぶりが最高。
このミュージカルはただ単にロックンロールのオールディーズ・メドレーとして楽しむことも出来ますが、僕のようにこのセッションが1956年に行われたメンフィスの「サン・スタジオ」(Sun Studio)まで尋ねたことがあるような少しコアなファンには、当時の背景なども良く分かっている分、余計楽しめたとも言えます。
きっとミュージカルそのものとしての評価は高くないと思いますが、ロックンロールや50年代のアメリカ、特に南部風の雰囲気がお好きな方なら、お薦めの100分間です。
年齢層の高い客席も最後のヒット・メドレーの頃にはもう熱狂の嵐でした。
このミュージカルの雰囲気のさわりは、こちらで。
チケットは「チケットマスター」(Ticket Master)という予約サイトからオンラインで購入、ウィルコールで劇場で実物のチケットをもらいます。
ウィルコールって何?
あ、それは各自調べてください(笑)。
オンラインで現地のチケットを買う人間には「知らなければならない言葉」ですから・・・。r>公演の終了は午後9時10分ごろ。
さぁ、これからブルース・クラブの多い「ハルステッド・ストリート」(N. Halsted Street)まで移動です。
地図では前述・上記のように近いのですが、果たしてこのエリアの道が夜の9時に安全なのでしょうか?
ネット上ではそこまでは分かりません。
でも、結果的には大丈夫、暗い所も多かったですが、大きく分けてこの「リンカーン・パーク」(Lincoln Park)と呼ばれるこの地域はかなりセーフな所でしたよ。