HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON (ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)

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やっと先週の大阪の会合での親友かつ先輩のまっつん先生とのデート報告(笑)が出来ます。
まっつん、お待ちどうさま。
待ち合わせはまっつんが宿泊していたリッツ・カールトン大阪。
珍しく正面から写真撮ってみました。
これから、ここではしょっちゅう会話は交わしていますが実際に会うのは久しぶりの彼と、ランチしようというのです。
ランチの場所は特に決めていなくて、ホテル内のどこかのレストランででも・・・と思っていたのですが、まっつんが部屋から降りてくる間にコンシェルジュの手が空いていたので、彼に一応相談に乗ってもらいました。
軽いタイプのフレンチ、時間は1時間半から2時間まで、味に評判のあるレストラン、出来ればまだあまり有名すぎないないところ、場所もここから近ければなお良い・・・などいくつも条件を出して、お勧めがあるか聞いてみたのです。
そんな中で
北海道 洞爺湖の「ザ・ウィンザーホテル」の「ミッシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」にいた シェフのお店
HAJIME RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON (ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン)
の名前が出てきました。
ミシェル・ブラス出身、それで大阪?
何か両者が結びつかないような気もしたのですが、ミシェル・ブラスの名前とこの店の長ったらしい名前に妙に惹かれたのです。
当日の予約も出来るか聞いてもうらと、なんとOKとのこと。
このホテルの「ラ・ペ」はまたいつでも利用できる・・・今回はハジメ君じゃ(笑)と結論、タクシーで約10分の肥後橋に向かったのです。
ちなみに「リッツ・カールトン大阪」のホテル・スタッフ、どの人もとても親切で、このホテルの人気の程が良く分かりますが、東京の同格のホテル、あるいは他国のリッツ・カールトン・ホテルに比べると、フレンドリーすぎるというか、やや威厳にかけるような気がします。
ま、この辺は好みの範疇でしょうが・・・。

タクシーの運転手に「この辺やと思うんですが・・・」と下ろされても、とても地味なエントランスに、見つけるまで数分かかってしまいました。。
でもドアを開けるとそこは、リッツ・カールトンでも感じた丁寧だけど十分なフレンドリーさのこもった接遇が・・・これは、大阪独特の雰囲気なのでしょうか。
どのタッフもとても感じが良く、最高の★が付くレストランになるには、もう少しお金のかかった内装と徹底して訓練されたサービスが必要でしょうが、僕にはこれで十分です。
お料理を頂く前から、何かとても良い気分です。
シェフの料理哲学がかかれたメニューを見ると、お昼は2種類のコースがメインのようです。
せっかくなので、お高いほうを・・・・(笑)。
ベテランそうなメートル・ドテルの男性も実に良い感じ。
彼はソムリエも兼ねているようでした。
まず出てくるのはアミューズ3皿。

イシダイのカルパッチョを、薄いパリパリ焼きたての皮でくるんだもの。
イシダイとはらはら崩れる外側の食感の違い、カルパッショのビネグレット味と皮の甘さのハーモニー。
とても繊細で美味しいスターターです。
2つめのアミューズは、卵料理。
それも、これまたとても繊細な・・・。

殻の一番下は卵黄ですが、その上に桃のムース(多分)、さらに塩とアーモンドの粉が左右に振ってあります。
うす暖かくて、卵の美味しさが凝った添え物のおかげでとても良く引き立っています。
アミュースの最後は、キンメダイのムースに人参のピューレ(きれいな色!)をかけて、その上にカプチーノ仕立てで飾ったもの。

一皿ごとに料理の温度が上がり、これは熱々で出てきます。
これまでのどの皿も、見た目にきれいでいて美味しい、繊細な味でいて素材の組み合わせは大胆・・・まさに僕の好みにピッタリです。
この店は本当に美味しいかも・・・・!
次の皿からメニューに書いてある皿に入ります。
あぁ、ガルグイユだ!

さすが「ミッシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」にいた人、このシェフはミシェル・ブラスの信奉者なのね。
ガルグイユを一言で言うと、一端加熱した材料を自然にさました主に野菜を使った冷製料理、ということになるでしょうか。
フランスのライオールという村にあるミシュランの三ツ星レストラン「Michelle Bras」(ザ・ウィンザー・ホテルのはその日本支店)のスペシャリテが、若野菜のガルグイユ(Le gargouillou de jeunes legumes)という料理で、その一皿のあまりの完成度に、最近ではガルグイユといえばこの一品を指すというくらいに、有名な料理なんです。
ここのガルグイユに使われている野菜は何と、この一皿だけで66種類!
旬の野菜が、それぞれ絶妙の茹で加減で仕上げられ、香草のオイル、エシレのバター、そしてこの店では海の要素、貝だと思いますが、そのミネラル分も加えたソースで和えられ、それがカブチーノ仕立てで出てきます。
野菜の歯ごたえと香り、そして甘みが一皿にぎゅうっと詰まっていて、廻りに散らしてある様々な野菜を使ったソースを付けながら食べていると、、大げさに言えば大地の恵みをこうして美味しく食べられる、生きてて良かった系の境地にもなります(笑)。
シンプルに見せて、最高に計算されつくした料理といえるでしょう。
ただ、ただ・・・僕が注文をつけるとすれば、お皿です。
このガラスの皿をもっと大きくして、一つ一つを余裕を持って配置すれば、もう芸術品のレベルまで行くでしょうね。

エシレの有塩バターと北海道の無塩バター、ギリシャのオリーブ油、岩塩、そして本当に美味しいパン。
パンは一つ一つ暖めて出してくれるので追加のパンはやや時間のかかるときもありますが、ついついお代わりしたくなる美味しさ。
これをこの店で焼いているとしたらすごい・・・と思ったのですが、後から得た情報によると、パンは有名な吹田の「シュクレクール」のもののようです。
どうりでパリの「メゾン・カイザー」風の、ハードな部分に美味しさが詰まっているようなバゲットでした。

お昼のコースの次はフォアグラです。
低温でじっくり火を入れたとのことでのネットリ感もひとしおの、これは美味しい一皿です。
ソースはお決まりの甘めのソースですが、このソースの決め手はバルサミコ酢のほかに黒蜜を入れているところだと思います。
周りの姫大根やディルはもちろんのこと、キヌアにはビックリしましたが、付け合せには良い素材でした。
キヌアのことをご存じない方のためにちょっと説明しておくと、ペルーやボリビアで多く取れるアカザ科の植物で、その栄養価の高さで、また含有アミノ酸のバランスが良いことでも、最近健康食品として注目されてきている食物なんです。
たんぱく質構成が牛乳と似ているようですが、グルテンを含まないため、小麦アレルギーのような対グリアジン・アレルギーを持つ人でも摂取できるという利点もあって、確か1990年代にはNASA(アメリカ航空宇宙局)が理想的な宇宙食の素材の一つとして評価して、「21世紀の主要食」と言ってたくらいです。
この甘めのソースを絡めて食べるとそんな「健康食品」もとても美味しく食べられ、シェフの料理に対する考え方も出ている食材選びに感動すらしてしまいます。
メイン中のメインは子羊。

下に茄子が敷いてあり、上の方に見える白いソースはヨーグルト・ソース。
かすかにカルダモンの香りがします。
焼き色もきれいで、何しろ食べて美味しい・・・すべてのお皿のヴォリュームはたいしたことはありませんが、パンをお代わりしたこともあって、大分お腹もきつくなってきます。
デザートに入ります。
冷やした石盤のうえに、リンゴと生姜のシャーベットが・・・。
メインのデザートは、イチジクのコンポート(ワイン甘煮)。
その周囲に赤ワインのグラニテとミルクのアイスクリーム。
グラニテが解けて、ミルクも解けても、イチジクととてもよく合います。
イチジクは梅雨の頃から11月くらいまでが旬・・・あ、いま突然思い出した・・・僕が初めて(?)高級フランス料理を食べたとき、「ヒラマツ」がまだ平松亭だったころですが、出てきたデザートがこのイチジクのコンポートでしたね。
懐かし~い、と・・・遠い眼(笑)。
最後は薫り高いコーヒーとともに、各種のプチフールが。

感心したのは薄い薄い飴にカカオを吹き付けた一番左にあるもの。
下に敷いてあるのは丁子で、まさかこれを食べる人はいないでしょうが、丁子って選択で良いですね。
丁子(ちょうじ)はもちろんクローブのこと、芳香健胃剤としてもまだ使われていますし、インドネシアのガラムなんかは、丁子油で香りを付けたタバコです。
カカオと丁子は、匂い的には相性がいいんです。
たっぷり食べて、楽しくしゃべって2時間弱。
素晴らしくフレンドリーなサービスの後、会計を済ませました。
するとメートル・ドテルが店のシェフに会わせるというのです。
お店の外でしばらく立ち話をさせていただいたシェフは、まだお若そう。
とても満足したことを告げ、今度は機会を見つけてディナーをいただこうと、まっつん先生と約束をしたのは言うまでもありません。
最後に、コースのお値段はまっつん先生に奢ってもらったので正確には?ですが、8000円弱だったように思います。
ご馳走様でした。

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