L’ATELIER de Joel Robuchon (1)

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今回六本木の「グランドハイアット東京」に泊まったのは、前にも書きましたが、この「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」での食事会と、連休だったことによります。
うちの奥さんと一緒に香港旅行した女友達のご主人が、「本当にお世話になりました」と食事会を設けてくださったのです。
昔風に「下山会」と称して、旅行中の話をしたり、反省もしたり、写真も交換、次回また楽しく旅行しましょうというような会です。
どこで食事するかは直前まで聞いていなかったので、友人夫婦と待ち合わせたハイアットのロビーでこの店の名前を聞いて、かなりビックリ。
もっと気軽な店を考えていたものですから・・・。

もちろんここは僕だって名前は知っています。
入り口の「ラ・ブティック・ドゥ・ジョエル・ロブション」では何度もパンやケーキは買いましたから。
でもその奥のこの「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」は、カウンター席中心という寿司屋風コンセプトを横目で見て、ロブション食べるなら、恵比寿の店の2階のほうの「ガストロノミー・ジョエル・ロブション」だろう、って思ってましたから・・・。

彼のレストラン、彼は監修したレストランが世界中に一体いくつあるのか分かりませんが、この「L’ATELIER」(ラトリエ)ブランドの店が、今一番大きく伸びているのは事実のようです。
香港の店など今や本場広東料理を抑えて全香港レストランの最優秀レストランにもなっていますし、ニューヨークのフォーシーズンズ・ホテルの中の店、MGMグランドの中のラスヴェガスやマカオの店、ロンドンのコヴェント・ガーデンの店も評判ですし、本国フランスの店も予約が取りにくいと聞いています。
ロブションさん、本当にすごい勢いです。
世界一のスター・シェフの名前に恥じない活躍ですね。

で、この店、席のほとんどが日本の寿司屋のカウンターからヒントを得たと思われるカウンター席。
窓際に4~6人座れる席もありますが、数は余り多くありません。
招待してくれた方はその窓際席を取ろうとしていたらしいのですが、残念ながら予約が取れず、4人横並びのカウンター席。
なので、ちょっと話しづらい感じはあり、その点だけは「計算違いでした・・・」と何度も謝られていました。
でも話し始めれば、食事し始めれば、そんなことは全然気になりません。
連休中だったせいもあってか、ディナータイム開始早々、どんどん席は埋まっていきます。
ここだけは不況知らずのようです(笑)。
店内はフレンチ・ヌーボーに多少のモダンさを取り入れた独特の色使い。
黒と赤をアクセント・カラーに置いて、歴史ある高級ビストロのような、豪華さ、エレガントさ、そして同時に親しみやすさと気軽さが入り混じったような空間になっています。
どこかに店の説明として
「オープン・キッチンで、客と料理人がコミュニケーションをとりながら気軽に自由に楽しむという新しいスタイル」
なんてありましたが、カウンターの中にいるのは忙しく動き回るウェイターとウェイトレス。
料理人と接することはありません。
オープン・キッチンで料理(あるいは料理「らしいこと」)をしているのは、料理のほんの一工程だけで、ほとんどはドアに隠れた本当の(?)キッチンで作られています。
オープン・キッチンはショウ(show)キッチン?(笑)

パンは5種類、どれも良く出来たパンです。
さすがにソフトもハードもとても美味しい。
パン籠のデザインも、この店のデザインを集約したかのようなものでした。
メニューはアラカルトもありますが、たいていの人はコースを頼んでいるようでした。
ディナーのコースは全4種類。
男性陣のメニューは以下のようです。
まず、アミューズはイベリコ生ハム。

ハブゴのです。
僕は「ハブゴ」とか「トレヴェレス」とか生ハムの産地が入っているレストランは信用するようにしています(笑)。
ハブゴはセビリアからポルトガルのリスボンに向かう途中のかなりポルトガル寄りにある山間の町です。
塩味、成熟度、湿度、切り方、味、すべてにまずまず。
でも僕は、以前もっと美味しい生ハムを食べちゃったから・・・。
次はロブションのスペシャリテ。

雲丹、オマール海老のジュレ、カリフラワーのクリームの組み合わせです。
以前、といってももう随分前のことですが、これを始めて恵比寿の店で食べたときの衝撃は忘れません。
その味にも、プレゼンテーションにも・・・。
自然の甘みが十二分に味わえます。
今度は鴨のフォアグラのソテー。

フォアグラとフルーツ・ソースは相性ぴったりですが、ここではブラック・チェリーが使われています。
パンでソースを全部ぬぐっちゃいました(笑)。
次は鮑、国産物を使っているそうです。
蒸した鮑の鉄板焼き、アーティチョークや胡瓜入りのスパゲッティーが下に敷かれています。
超柔らかい鮑の下処理には、日本料理の影響があるかもしれません。
メインはシャラン産の鴨です。
料理からデザートに上手く繋いでくれます。
「お口すっきり」系です。
デザートは、アプリコットのコンポート、ココナツのアイスクリーム、アマレット風味のジュレ、ラヴェンダーのグラス・・・の盛り合わせです。

味はまずまず、組み合わせも成功していますが、ここはこの皿の質感をもっと良くしていただきたいです。
少なくても高級ガラス製のお皿に、出来ればクリスタルで・・・。
最後にカプチーノとプチフール。

これも上質なもの。
値段は僕らに支払わせてもらえなかったので?ですが、店を出るときに店の外に出ているメニューの値段は見ました。
超高~~~~い(笑)。
高すぎです。
これじゃ美味しくて当たり前かな・・・。
でも最後までこのカウンター中心の席構成と、サービスの仕方にはちょっと疑問あり。
これだけの料理はグラン・メゾン系のセッティングの中で落ち着いて食べたいなって気がしましたね、僕には。

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