シンガは仕事だよ (6) シンガポールでフレンチといえば「GUNTHER’S」

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シンガポールでフレンチ、それも上質なビジネスランチといえば、まず「GUNTHER’S」の名前が挙がるでしょうか?
(ところで、この発音は「ギュンターズ」?「ガンサーズ」?・・・どちらでも通じたような気がしますが、本当は?)

その「GUNTHER’S」で、同じ会議に出た某国の知り合いとグルメ・ランチを・・・。
彼はグルマン中のグルマン(笑)・・・今日はフレンチっぽいものが食べたいという彼の意向で、シャングリ・ラ・ホテルの「BLU」、フラトン・ホテルの「LE SAINT JULIEN」、オーチャード近くの「LES AMIS」、彼のお勧めの「SAINT PIERRE」辺りに次々に電話を入れまくります。
結局予約が取れたのが、ここ。
小さい店なので当日で予約が入ったなんて不思議なくらいの人気店です、
確か「THE MIELE GUIDE」では、全アジア・レストラン・ランキングの4位に入っていましたね。
(その時の1位は同じシンガポールの「IGGY’S」、10位はこここそぜひ行ってみたいとずっと思っているフィリピンはタガイタイの「ANTONIO’S FINE DINING」、20位には日本の「久兵衛」がランク・イン)
場所は有名レストランの密集地パーヴィス通り、ラッフルズ・ホテルのすぐ近くです。
同じくシンガポールのイタリアンといえばここ、の「GARIBALDI」の隣に位置しています。
(どうやらこの2つは系列店のようです)
パーヴィス通りに面したドアを開けると、こういう高級店には不似合いなほどカジュアルな感じの女性と、奥さんが日本人というドイツ人マネージャーに、温かく迎えられます。
店内はグレーの壁、ムラノ・グラスのライティング、赤を貴重にした大きなシンガポールの絵のみと、とてもシンプル・・・暖かいけれどどこかクールなシックさもあるインテリアです。
スタッフはとてもアテンティブ、メニューも配られますが、こういう店の恒例で、本日のお薦め食材(Special of the day)の説明が延々とあります。

マスクメロンや雲丹など明らかに日本のものが多いので詳しく聞いてみると、食材の約半分は日本からの直輸入だそう・・・ヨーロッパから運ぶより日本からのほうが輸送時間が短く鮮度の良いものが手に入ると言います。
そう、「鮮度」・・・この店はこの「鮮度」に一番こだわっているんだそうです。
僕が「日本料理とのフュージョンな要素もある料理が出るんですか?」などと聞いていると、もう影で聞いていてたまらなくなったのか(笑)、シェフ(Gunther Hubrechsen氏)が登場。
「日本料理の影響は確かに少しはあります。でも私の料理の基本はフレンチです。シンガポールに長いので、シンガポール風のフレンチと言っても良いかもしれません。とにかく私は素材の鮮度と質の良さにこだわりたいんです。シンガポールで入手出来て、その条件を満たすものは、日本からの直輸入ものなのです・・・」
同行の香港人が僕に「このシェフは、『LES AMIS』から独立したんだよ」と教えてくれるなど、僕等のテーブルの前は僕、香港人、シェフで熱い会話が途切れません(笑)。
奥から促されて引っ込むシェフは何と「また、来ますね」と・・・(笑)。
駄目駄目、こういう店のシェフは最後にちょっと出てくれば良いの、出て来すぎると「安っぽい店」になっちゃうよ(笑)。

ランチにはビジネス・ランチ用のコース($38、ディナーのテイスティング・メニューはS128です)も用意されていますが、僕らはアラカルトで・・・。
アペタイザーは、冷製エンジェルヘア・パスタのキャヴィア乗せです。
で、このお馴染みの料理もここのは一味違いますよ。
わずかに混じる昆布の「旨味」と、ふんだんに使われたトリュフのジュレが、何ともオシェトラ・キャビアまぶしのパスタに合うんです。
これを絶品と言わずして何と(笑)・・・的美味しさです。
白の食器、グレーの壁・・・もしかするとテーブルの上はシェフと客が作り出すカンヴァスなのかのしれません。
最高のスタートです。
2皿目はシンガポールらしくバンブークラム(竹貝)です。
もちろんこれは最高の品質といわれるサラワクからもの、でも僕にはシンガポールのホーカーズでにんにく炒めなどで食べるバンブークラムより大きいなってくらいしか、その差が分かりません。
でも美味しい貝ですね、これ。
バターが基本の超複雑ソース、貝は炭火焼きされていて・・・上に一筋かかっているもの何か分かります?
何とピーナッツバターなんですよ。
で、これがまたどうしようもなく合っているんです・・・不思議(笑)。
次は今日のお勧めからプロヴァンス直送の太いアスパラガスを・・・。
うん、これもオランデーズなどのダブル・ソースは文句なし、周囲のモレル茸を含む彩も良し、でもでも肝心のアスパラガスがベストじゃない・・・だって、僕は春以来パリでもどこでもアスパラガス食べ続けていて自称「専門家」(大笑)ですもの。
アスパラガスって収穫してからの時間との勝負なんです。
プロヴァンスからパリとシンガポールじゃ差があリすぎですものね。
メインはワギュー(和牛)。
今日のは特に良い肉だとのお勧めで・・・。
あ、これは良い出来です。
肉の旨さが120%滴り落ちる肉質と焼き加減、塩の振り方が最高です・・・たぶんシェフが付きっ切りで焼いたのでしょう。
サーブするのをキッチンの影からのぞいているシェフがチラッと見えました。
久しぶりに美味しいステーキを食べました。
繊細さと大胆さがちょうど良く合った焼き具合と塩加減は、何度も言いますが、さすがフレンチ・シェフのステーキです。
付け合わせは「ワギュー」に合わせて日本風、玉葱のテンプラとスイートコーン、それにパリパリのポテトチップスです。
ここでシェフが「いかがですか?」と再登場。
額には汗が一杯、満席のお客に全力投球していたのでしょう、でも僕らの席は本当に気になるようで(笑)、眼をしっかり見据えて聞かれます。
デザートにはアップルタルト。

一緒に運ばれてくるラムレーズンのアイスクリームを乗せて、とろけかけたところをパクリ・・・ま、「天国」です(笑)。

プチフールは残念ながら普通の出来。
でも美味しかった、この店。
これだけのキャパシティーだから出来るシェフのこだわりモダン・フレンチ、皆様もぜひお試しになってみてください。
値段は香港人の奢り、値段は?ですが安くはないはずです。
外に出るとパーヴィス通りのショップハウスのどこからもランチ時の美味しい匂いが漂ってきます。
友人、「チキンライスも食べてかない?」(笑)
まだ、食べるの?
午後のセッション、もう始まってます・・・でも、もちろん僕の答えは「ここまで来たんだものね・・・」(笑)。
困った食いしん坊達です(笑)。

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