モダン・フィリピン料理を標榜するフォート・ボニファシオの「セントロ1771」で食事後さらに周囲をぶらつき新しいマニラを体験。
次いでタクシーを拾って、今度は旧マニラを代表するようなイントラムロスに行ってみます。
タクシーは容易に捕まり(左ハンドル車、ドアは自分で開閉、止める時は手を通りと水平くらいに)、メーター・タクシーの初乗り料金は大体40ペソ。
幸いにして僕の滞在中の経験ではぼられることは一回もなく、細かいお釣りもこちらが手を出せば10ペソ単位では戻ってきます。
そしてマニラのタクシーでは英語がほぼ100%通じ、これは他の東南アジアより通用度抜群です。
で、イントラムロス。
リサール公園と並んでマニラの中央に位置し16世紀にスペイン人がフィリピン統治の根城とした城塞都市で、周囲には城壁が作られ、かつてはスペイン人とメスチーノ(スぺイン人との混血)のみが住むことを許されていたところです。
中にはサンチャゴ要塞、マニラ大聖堂、歴史博物館、カーサ・マニラ博物館、サン・オウガスチン教会・・・とオールド・マニラを忍ばせる重厚な建物が沢山あります。
サンチャゴ要塞は10年前来た時に割と詳しく見ているので、今回はその他前回見なかったところ、見学していても記憶がおぼろげなところを見てみます。
まずはマニラ大聖堂。
今年札幌に雪祭りを見に行った時にこの堂々たるたる大雪像があったのを覚えています。
実はこの大聖堂、古いものではなくて、第2次世界大戦で破壊され、1950年代に再建されたもの。
キリスト教信者の多いフィリピンでは最も重要な教会と言われています。
ロマネスク風の建物で、ドーム状の屋根とベル・タワーがひときわ目を引きます。
入場は無料。
中は本当に荘厳な雰囲気です。
ステンドグラスはフィリピン人アーティストの手によるもの。
このオランダ製のパイプオルガンは4500本ものパイプを持ち、アジア最大級のものだそうです。
この音は聞いてみたかったなぁ。
薄暗い教会内から外に出るとものすごいフィリピンの日差し、この日の昼間は32度くらいあったようです。
湿度はそれほどでもなく汗はそれほど出ないのですが、とにかく日差しが強烈。
イントラムロスは観光地です。
観光地には当然観光客を狙った人たちがいます。
その一つがこのカレッサ、馬車です。
チャイナタウンやキアポといった庶民的なエリアでは庶民の足としてまだまだ機能しているようですが、ここでは違います。
観光客から金をふんだくろうと虎視眈々と狙っています。
ツアーに組み込まれている、現地ガイドがいる以外は乗らないほうが良いでしょう。
1時間200ペソとか言ってきますが、あれこれ追加料金がどんどんかさんでいってしまうようです。
僕はそんなことを重々承知のところ、あるシチュエーションで、「20ペソで良いよ」と言われて請求が何と20000ペソ、結局200ペソで折り合ったという苦い経験があります。
交渉力がなく、怖いなどと思っていると本当に20000ペソ払っちゃい人もいるかもしれません(さすがに、20000ペソはいないか)。
僕がこの大聖堂の次に行きたいのはカーサ・マニラ博物館。
地図で見ると近くのようですが、この日差しの中、歩きたくはありません。
そこで乗るのがサイドカー付き自転車です。
フィリピンではパジャックと言います。
これも庶民的なエリアとこうした観光地にはうじゃうじゃいます。
中にはオートバイにサイドカーを付けたものもあります。
これが車も通る通りまでも出ていくので、事故でもあった日には即Xでしょう。
なので利用するのは裏道中心の短距離移動です。
「カーサ・マニラまで」
「あいよ、100ペソ」
「え~高い、すぐそこじゃん」
「いくら払う?」
「50ペソ」(これはあてずっぽです、たいてい言い値の半額から交渉始めるので)
「駄目、80ペソ」
「50ペソ、良いだろ?」
「OK、乗りな」
もちろんこういう観光地じゃなくて、地元の人が乗る分には10~20ペソが良いところでしょう。
でも50ペソは日本円で約130円、良しとしましょう。
教会からカーサマニラ博物館までは近いのですが、イントラムロス特有の歴史ある石畳のでこぼこ道。
距離は短くても漕ぐオジさんは大変そうでした。
残念がら中は撮影禁止で、ここは建物の中庭しか写真はありません。
ダイニングルーム、リヴィングルーム、ベッドルームがアンティークの調度品や家具で埋め尽くされています。
トイレなんかも豪奢で、興味深かったです。
スペイン的なるものがお好きな方は是非どうぞ、濃密な世界が楽しめます。
中庭にはギフトショップ、レストラン、カフェもあり、イントラムロス散策の良いお休み場にもなっています。
そしてこの向かいに今回僕がどうしても見たかった世界遺産サン・オウガスチン教会があります。