僕がシンガポールの「ギ・サヴォワ」で食べたランチ。
テーブル周りはさすがに文句なく、坐り心地の良い椅子、上質なリネン、カトラリーや食器類は見るからに高級そうで傷一つないピカピカなもの・・・。
ラギオール(ラヨール)製?
有塩と無塩バターのバター入れも、塩の皿も確かパリ本店と同じもののはずです。
この大きなパンは焼きたてを客の前で切り出し、更にまた皿の上に並べ直したもの。
ちょっと焼き過ぎてる感のあるところもあったり、パンの美味しさのいろいろな部分が楽しめる、そして眼にも嬉しい高級レストランならではの趣向を凝らした美味しいパン。
第2のアミューズはチーズのワッフルでした。
軽い仕上がり、でもアミューズがアミューズ過ぎて(笑)どれも僕の舌と頭と胃に全く染み渡らない・・・。
アルコールが駄目な僕に、とっておきというパイナップルに何かをちょっと混ぜてくれた特製のフルーツカクテル(ジュース)は信じられない美味しさ、ソムリエは「美味しいでしょう?」とにっこり・・・。
何を入れてくれたのでしょう。(僕には?)
3番目のアミュースは、ここで良く出る面白い形の容器に入ったもの。
「エスプレッソみたいに飲んじゃってください」言われる林檎やセロリのみじん切りが入ったスープ。
写真を撮り忘れましたが、スープを飲み干すと右側のカップの下にレリッシュのようなもう一つ別のアミューズが出てきます。
で、この次からどうやら本当のコースが始まるようです。
僕のお願いした「TGV」という電車の名前の付いた4コースの一皿めは牡蠣か蟹かの選択。
僕は色々なスタイルで出されるという牡蠣の方に・・・。
これ、普通の生牡蠣じゃありません。
牡蠣の身を冷たいジュレで包むという凝った作りのもので、人によっては過度に感じる牡蠣の牡蠣臭さを実に上品に消しながらフレンチさせています。
これはもう和食の世界でもすぐに使えそうで、先日行った「ナリサワ」などで出ても、モダンなものを出す料亭で出ても全然おかしくない感じ・・・。
そしてこれは最近となっては陳腐としか言いようのないスモーク付きの
牡蠣のエキスのソースをかけるサラダ。
今時これを得意になってやるのなら、スモークを出すことに味的に意味がある時だけだと思うのですが・・・。
これは温かい形の牡蠣。
で、この後もこの上から別添えのソースを掛ける料理が連続・・・。
料理のプレゼンテーションのヴァリエーションだって、クリエイティブ系のレストランでは重要かもしれないのに。
でも、お味の方は文句なし、客のタイミングに合わせた完璧な火入れと温度管理です。
2皿目はアーティチョークと黒トリュフのスープという「ギ・サヴォワ」で一番有名な料理か、栗の料理かから選びます。
シンガポールに四季はなさそうですが、やはり今は秋、やはりここは季節のものと言うことで、栗の料理を・・・。
またも上からソースをかけるタイプのプレゼンテーションですが、栗のムースの周りには牛乳を使ったソース、そしてきのこ尽くし。
写真でも見えてるように松茸まで使われています。
栗と牛乳は実にフレンチ・マリアージュしていましたが、キノコ、特に松茸の使い方にはもう少し他のやり方があるのでは、ポルチーニで良いんじゃない・・・なんて思ってしまいました。