仮想?週末ジャカルタ弾丸 (16) 「ボロブドゥール遺跡」の続き

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長らく忘れ去られ密林の中に埋もれていた「ボロブドゥール遺跡」。
その原因は火山の降灰によるという説と、イスラム教徒の襲撃を恐れて人々が地中に埋めたという説があるんだそうです。
いずれにしても1814年にイギリス人のトーマス・ラッフルズとオランダ人コルネリウスによってここが発見!!
その一部が発掘され、1854年からの第2次調査で壁面のレリーフなども明らかになったんだそうです。
1900年に入ると復元工事など行われたものの、インドネシア独立後の1960年代初期には再び崩壊寸前に・・・。
そこでユネスコ主導のもと1973年から10年の歳月をかけて大規模な修復工事が行われ、1982年に修復を完了したという歴史があります。
また日本もこの遺跡修復事業に、大いにかかわったとのことです。

方形壇の四面中央には階段が設けられていて、上の円形壇まで登れるようになっています。
階段入口左右にいるのは狛犬でしょうか。
この遺跡の構造は仏教でいう「三界」を表していると・・・。
「三界」って?
それは欲界、色界、無色階の三界のこと。
つまり下から、基壇は人間のいる欲界、その上は神様と人間が触れあう世界である色界、そして更にその上に神様のいる無色界があるという考えと構造なんだそうです。

日差しはすごいですが、一層一層上がっていくと、拭いてくる風に涼やかさを感じるようになります。
結構気持ち良い・・・。

ガイドはあまり人のいない面を使って、僕にレリーフの内容など、かなり詳しく説明してくれます。
人の少ない裏側などはかなり良い感じ、この反対側はたくさんの観光客でわぁわぁきゃーきゃー状態でしたが・・・。

仏像は四面それぞれで違っていて、東側は阿?如来で指地の印(悪魔を追い払うポーズ)、南側は宝生如来で満願の印(何でも願いを兼ねてくれる)、西側は阿弥陀如来で弥陀定印(瞑想中)、北側は不空成就如来で無畏の印(人々から恐れを取り除いてくれる)をしています。
これは?

印からして、阿弥陀如来でしょう。

欲界である基壇から、色界である方形壇へ、そして無色界とされる円壇に上がると、たくさんのストゥーパ(仏塔)が現れます。
ストゥーパとは、お釈迦様の遺骨や遺物などを納める建物ことを言います。
ストゥーパは全部で72基あり、全体では三重の円を描くように並んでいます。、
頂上にはお釈迦様の遺骨を納めたとされるひときわ大きなストゥーパがあり、天上をめざしています。
ストゥーパの釣鐘状になっている部分は、石のブロックを透かし格子状に積み上げてあって、中の仏像を見ることが出来るようになっています。
ここには漆喰などの接着剤の類は一切用いられていないとのことでした。
それにしてもこんな建造物が、密林の奥深く埋もれていたなんて・・・。
本当はジョグジャのホテルに泊まって、早朝のここ、つまり日の出の頃がいかにも幻想的で素晴らしい景色とのことなのですが、ま、いいでしょう。
この遺跡、確かに目に焼き付けました。
カンボジアのアンコール遺跡群ほどではありませんが、とても印象的な遺跡でした。

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