新・サクッと香港 (6) 蘭芳園

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「ハイアットリージェンシー香港尖沙咀」にチェックインしたのが香港時間の午後の9時頃。
アップグレードされた部屋と部屋からの夜景にすっかり満足、ささっと記録のために室内の写真を撮り、すぐにホテルの外に・・・。
夜11時半までやってるはずの23階の「リージェンシークラブ・ラウンジ」にも顔を出さず、急いでここに。
ホテルから歩いて4~5分、かの有名な「重慶大廈」(重慶マンション)に、です。

インド系のショップやレストラン、バックパッカー御用達の激安ゲストハウスがごちゃごちゃと雑居する巨大なこのビルは50年以上の歴史を持つ尖沙咀の顔。
そのどこか危険で秘密めいた雰囲気は、外国人旅行者にもつとに有名で、このビルの前には多くの客引きがたむろしています。
そんな「重慶大廈」も2011年にその古びに古びた外装を新しくし、更に今度は地下をリニューアル、「活方」という若者向けのショッピング・フロアに生まれ変わりました。

ピンクの看板の格安コスメ屋「莎莎」の下あたりからエスカレーターで下りて行きます。

天井が低い他は、すっかり今風に・・・。
若者向けの店を横目に一番奥へ、そこには何と香港「茶餐廳」の超老舗、「蘭芳園」(ランフォンユン)があるのです。

実はここの閉店が午後の10時、それに何とか間に合うようにホテルのチェックインから急いでここまで来たのです。

香港版の定食屋というか大衆食堂の「茶餐廳」、今ではその数もずいぶん少なくなっていて、香港島の「ヒルサイドエスカレーター」沿いにあって、香港島の住人で知らない人はいないと言っても過言ではないオリジナルの店はもうなく(一番下の写真、参照してください)、今は上環とここ尖沙咀に、レトロを売り物にして値段を上げた店をやっているのです。
「茶餐廳」をリニューアルするとかなりモダンな作りになってしまうところが多いようですが、ここはオリジナルの店に近いレトロさがデザイン上の売りのよう。

僕はもう20年以上前のオリジナル「蘭芳園」を知っていますが、あそこは本当にぼろかった・・・。
でも値段は安いし、注文した料理はすぐ出て来るし、従業員の無愛想さを帳消しにする「往年の香港らしさ」がありました。

(壁を飾る1970~80年代の香港ポップスのLPジャケット写真には、そのシンガーのサインが入れてあり、僕のような昔の音楽好きにはニヤッとしてしまうインテリア)
インテリア同様、メニューもオリジナル店同様の懐かしいメニューが継続されています。
でも値段は上がってる~。

もちろん為替の問題もあるし、何しろこんな一等地、家賃は相当高いんでしょう。
まずはここに来たらこの店名物の?茶(ミルクティー)。
ここの?茶は、他の店とは違うこだわりがあるそうなんです。
「滑如絲襪」(滑らかさはストッキングの如し)と称されるミルクティー。
その作り方の秘密をあるウェブ(「香港ナビ」)には
「茶葉は、セイロンを主とした、厳選されたものを使用。
そして40分くらい煮てから、茶の内容物が沈殿してから漉します。
これを繰り返して作ります。
茶餐廳だと、普通は鍋に大きな茶漉しを入れて作るんですが、そうすると時間がたつにつれてお茶が濃く苦くなってしまいます。
そこで蘭芳園では、お茶を小分けして、濃さを均等にするように工夫しています。
だから最初から最後まで滑らかな味が楽しめるのです。
ちなみに一つのポットで、おおよそ10杯分しかとれないのだそうです。
ここのミルクティーは、実は牛乳ではなく練乳を入れているんです。
だから砂糖は使ってません。そのおかげで、苦味も和らいで自然な感じの味わいになっています。
茶漉しの素材にもこだわりが。
使用しているのは、高密度のウール地でできた毛布。
穴が小さい上に何重にもなっているので、茶葉からの細かい粒が出ないのです!
それもまた滑らかさのポイントです! 」
とありました。
なるほど。
僕も初めてこれを飲んだ時はちょっとした衝撃でしたね。
しかしその後同じようなミルクティーをいろいろなところで飲むようになり、その感激はかなり薄れましたが、練乳も心地良く、美味しくいただけました。
もう一つ頼んだのは「猪?飽」(ポークバーガー)。

これが素朴で良い感じなんですよ。
でもこのタイプの中華バーガーでは、ポークチョップにはなりますが、マカオの「大利来記珈琲室」ののほうが美味しかったかな。
HK$18+HK$23で、日本円に直すと計約630円でした。

この店にはたくさんの食事メニューもありますが、昔から有名なのはインスタント麺の出前一丁を使った「??撈一丁」(鶏肉フライと出前一丁のつけ麺)辺りでしょうか、昔の「茶餐廳」のメニューが結構残っている感じです。
僕の時のウェイターは明らかにオリジナルの時代から働いてそうなお爺さんで、愛想はありませんが、嫌な感じでもありませんでした。
かえって香港らしいかも。

最期にオリジナルの店は今どうなっているかというと、こうなってます。

近くに「蘭芳園」の名を付けた焼味(又焼とか焼き物を売る店)の店はまだあります。

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