盛岡で行われた僕らの会合、2日めは午前中だけ出席して、後はエスケープ(笑)。
盛岡まで来たのならぜひ行ってみたいというところを数か所巡ってきました。
その一つが花巻、新幹線の「新花巻」じゃない、昔からある東北本線の花巻駅で降りて、花巻といえばぜひ行きたいと常々思っていた「マルカン百貨店」を目指します。
町は本当に田舎(失礼)、駅から百貨店まで歩いて15分くらいでしょうか、とにかく人に会いません。
商店は次々にありますが、開いてるんだか開いてないんだか状態の店ばかり。
町には「宮沢賢治」関連のものが一杯です。
やれ「賢治最中」とか、やれ「銀河鉄道」やら「ジョバンニ」というスナックとか・・・。
駅前の観光案内所でもらった地図を便りに歩き、ようやく目指す「マルカン百貨店」のある通りへ。
花巻は駅前が繁華街じゃないんです。
通りは歩行者天国になっていて(この日は日曜日)、通りの両側にはいろいろな店が出ていました。
さすがにここだけは少しは人出があります(失礼)。
で、これがその中央に建つ「マルカン百貨店」。
昔はどの地方都市にも必ずこのくらいの規模の中小の老舗デパートがあったものですが、最近はどうなんでしょう。
随分閉店したり、リニューアルしたり、大きなチェーンに組み込まれたりして、なくなっているのかもしれません。
僕はこの花巻の老舗デパート「マルカン百貨店」5階にある「大展望大食堂」という、巨大デパート食堂をどうしても体験してみたかったのです。
いまはもう閉鎖された地下食料品売り場、1階、2階とエスカレーターを上がっていきますが、どの売り場も人は少なく、がらんと寂しい感じ。
いかにも斜陽の、今にも潰れかけの店って感じです。
もちろんエレベーターもありますよ、かなり旧式の。
で、めざす5階。
おぉ、これがうわさに聞く「大展望大食堂」ですか。
奥に見えるとんでもない席数の食堂部分(500席以上?)、入り口には自動券売機じゃなくて、オネーさんによる手売りの食券売り場。
入口上部を飾るステンドクラスといい、まさに昭和のまま~~。
そう、僕はここに昭和レトロを味わいに来たのです。
美味しいものを食べたいというよりは、僕が子供の頃憧れだったデパートの食堂へのノスタルジア。
父が、母が連れて行ってくれた、そして家族で行くのが最高に楽しみだった、たいていはその最上階にあったデパートの大食堂。
そこには子供心にわくわくするようなメニューが一杯でした。
ラーメンもカレーライスも、なんたってお子様ランチもあったし、毒々しい色のケチャップが本当に美味しそうに見えたオムライスもあるし、ソフトクリームだって、今考えると何ともすごい色のメロンソーダだってありました。
デパートの大食堂は、本当に子どもの憧れの場所だったのです。
でもいまやデパートの大食堂は消え去り、専門店のレストラン街へと変わってしまっています。
ところがこの岩手は花巻の「マルカン百貨店」にはまだそれが残っているというのです。
しかもその大食堂「大展望大食堂」は、デパートの一部として存在するんじゃないんです。
この食堂のためにこのデパートが存在する、といっても過言じゃないほど人気の、そして存在感ある食堂なのです。
確かにその人気のほどはすさまじく、ここより下の階の寂れようとは別世界、これだけの写真を撮るのに、人をよけながらかなりな時間がかかったほどです。
人が写りこまない時間がほとんどないのです。
まずはメニュー選び。
ここのショーケースがまた圧巻です。
こういう巨大ショーケースが入口の両サイドにあります。
一体どのくらいのメニューがあるんでしょう。
この大食堂にはマニアも多くて
http://raccoya.the-ninja.jp/daily/foods/marukanmenu.html
なんて全メニューが書き出してあるサイトまであります(最新のものではないですけれど)。
見てください、もう何でもありでしょ。
和洋中、そしてスイーツ、良く言えばすごい品揃え、悪く言えば節操がない?
ここにはメニュー表なんてありませんから、皆さんここでああでもないこうでもないと品定めがすごいです。
でも、それがまた楽しい・・・。
子供の頃はそうでした。
もう嬉しくて、あれも食べたいこれも食べたいで、食べるものがなかなか決まらなかったことを覚えています。
この店の一番の名物はこのソフトクリーム。
そんなソフトクリーム、どうやって食べるの?
次回に続きます。