高層ビルが立ち並ぶソウルの都心でいつか、行ってみたいと思っていた北村(プッチョン)。
唯一、韓国の伝統家屋である韓屋(ハンオッ、韓国固有の建築様式を使って建てられた家で、オンドルと棟を備えた独特な構造)の趣きが残るこの地区に、雨が降ったりやんだりの2日めの朝、ついに挑戦です。
このエリアは「南山コル韓屋村」や「韓国民俗村」のようなある種テーマパークのようなところででしか見ることのできない韓屋が集まっていて、政府とか会社が運営しているのではなく、実際に一般市民が居住している「村」と言うところに惹かれたのです。
現在は新しくリニューアルした伝統エリアに生まれ変わろうと、住民や政府が一緒に新しい「北村づくり事業」が進行中だそうで、はっきり言えば本物の韓屋はもう壊滅寸前のようです。
もう今しかない・・・。
あと数年たってこの地区に行っても・・・。
それで、観光客には交通の便も悪いここに思い切って出かけてみたのです。
確かにこの地区の通りを歩いているとあわただしく韓屋の工事を進めている、と言うより「壊している」箇所をあちこちで見かけました。
立て替えられた「新しい」韓屋は伝統に忠実なものがほとんどですが、それでも歴史の持つ重みはあまり感じられません。
あと数年早く来るんだった・・・。
朝なのでか、通りにはほとんど人影は見えず、とにかく静かです。
道は掃き清めいるかのようにきれい、雨に濡れた道すら情緒たっぷりです。
僕は地下鉄で安国駅まで行き、駅前から道一本まっすぐの中央高校までタクシーを使いました。
時間があれば韓屋台体験館辺りにも行ってみたかったのですが・・・。
簡単な地図を頼りにこのあたりをさ迷い歩いて、やっとタクシーが見つかったので、今度はヒルトンまでタクシーで。
この後は、念願の航空券のソウル発券です。
あ、そうそう散策の途中で「この辺を案内してあげる」というオバさんに出会いました。
北村散策中に
「日本人ですか?私、案内してあげます。
お金要りません」
と田島陽子教授似(笑)のアジュマに声をかけられました。
通りを歩いている人もほとんどいない状態で、簡単な地図しかもっていない僕は、渡りに船とばかり、その誘いに乗ってしまったのです。
でも結局はそのアジュマ、近くのヨン様グッズのお土産屋の女主人だったのです。
僕はめったにこういうことにはひっかからないのですが、今回はまんまと罠に・・・(笑)。
本当は途中で気が付きべきでした。
彼女の話は「冬のソナタ」の話ばかり・・・この北村の歴史的な意義など、全然触れてくれません。
「ここがあの有名な高校です」
なんて言われても、ドラマを見たことのない僕にはチンプンカンプン。
本当に
「ファンにはたまらない」(アジュマの言葉)
場所なんでしょうか?
僕には?????です(笑)。
僕のようにファンじゃない人間は、この石垣を見ても「何じゃ、これ」ですよね。
アジュマ曰く
「ヨン様がここでタバコを吸いました」
ここです、ここです・・・ともう身振り手振りで大奮闘(笑)。
はっきり言って「冬のソナタ」にこの北村が出てくるのも知らなかったくらいですから、実につまらない20分のミニ・ツアーでした。
付きっきりで説明をしてくれたアジュマ、彼女の店で何も買わないで帰ってしまう勇気が僕にはなかったので、来年度のヨン様カレンダーを値切りに値切って・・・。
20000ウォン(高~い)を16000ウォンに、今のレートじゃなければ絶対買ってなかったですね。
でも日本に帰ってヨン様ファンの某嬢にあげたら、狂喜乱舞、予想外に喜ばれました。
ま、これで一応めでたし、めでたし・・・ですか(笑)。