「丸の内ビルディング」、通称「丸ビル」の35階といえば、グルメ垂涎の的の高級レストランが並んでいるところです。
その中でも「サンス・エ・サヴール」(Sens & Saveurs)の高級度は群を抜いています。
実質的には、日本を代表する最高級フレンチ・レストラン・チェーンの「ひらまつ」グループのお店ですが、南フランスの三ツ星レストラン「ル・ジャルダン・デ・サンス」の双子のオーナーシェフ、ジャック&ローラン・プルセル氏と提携した新感覚の「東京発のフランチ」を提供しています。
そのサンスの名前を冠したレストランが、僕の宿泊したデュシタニの最上階にもあるのです。
名前を「D’Sens」といいます。
デュシット本館の8角形に貼り出している、あの特徴的な部分にオープンしています。
夜はさすがに敷居が高そうなので、ランチでここの料理を味わってみることにしました。
見える景色からして僕の部屋と同じ方向の席。
内部はシックさとヴィヴィッドなアクセント・カラーをうまく融合させたコンテンポラリーなもの。
いろいろなタイプの席があって、もちろん個室もありますし、バー・コーナーも素敵な雰囲気です。
ランチでもアラカルト・メニューから頼めますが、ここはセット・ランチにしておきました。
2コースで850バーツ、3コースで1000バーツ。
僕は前者にしました。
デザートに「そそる」ものがなかったのと、他でもいろいろ食べたいので・・・・。
まず、コースに入る前の突き出しから。
キュウリとトマトのムース。
軽くてよい感じです。
バターはエシレのバターです。
パンが最高に美味しくて、ベーコン入り、バジル入り、クルミ入り、すべて食感を変えたパンが出てきます。
次もコースに入る前の突き出しの2品目、豆のクリームスープ。
美味しいけど、やや凡庸か?・・・他の店の同じスープとの差別化が出来ていない感じです。
ツナのタルタル。
バルサミコ酢中心の無難な仕上げです。
皿の上のデザイン以上に、味のデザインをもっと考えないと、すごい値段とっているわけだから・・・と、美味しいことは美味しいのに、だんだん不満が募ってきます。
(贅沢!)
メインはメニューにあった「slowly braised veal cheek」のslowlyという形容詞に惹かれて、それを。
もちろんトロトロに煮込んだ崩れる寸前の肉はソースともども最高だし、付け合せのポレンタも珍しく美味しく感じられる出来でした。
だけど、見た目ほど味に冒険がないのが、不満ですね。
クラシックな中に何か新しい発見をしたくて、僕らはこういう新感覚派の店に来るわけでしょう。
そういう意味で、美味しいんだけど、やはりバンコクのフレンチの水準は日本ほどではないなって感じです。
バー・コーナーの窓からはルンピニ公園の緑とバンコクのシティー・スカイラインが見渡せます。
トワイライトタイムはロマンティックでしょうね。