スペイン料理なんて、パエリヤとか、フラメンコのショウ付きの店しか行ったことないし、噂の「エル・ブジ」なんてもちろん食べたこともないので、高級スペイン料理って一体どんなもの?と興味深々で、日本橋「コレド」裏の「サン・パウ」に行ってきました。
暗闇の中に1階のオープン・キッチンが浮かび上がります。
重厚なドアをあけると、そこは居心地よさそうなバー。
あまり時間をかけられないので、すぐに2階のメイン・ダイニングに案内してもらう。
とてもインティメットな雰囲気で、接遇もフレンドリーでいて、とても丁寧だ。
日本語が堪能な本店から派遣されているというスペイン女性が料理のことを説明してくれる。
どうもこの店ではコースを重視しているようなので、1種類しかないムニュ・デガスタチオ(¥21000)を頼む。
店内はわずかにほの暗く、窓からは電飾を施した木々がキラキラ。
モダンでいて地中海風なインテリアはとても上品。
大声で談笑するようなグループ客もおらず、とてもロマンティック。
とてもフラッシュをたいて料理を撮影する雰囲気ではない。
ということで、今日の写真は光量不足をお許しいただきたい。
このメニューを見てもお分かりの通り、僕らの知らない食材、調理法が多く、品数も多いが一品一品の説明が「長い」!
XXをXXして、それにXXをまぶしてさらにXXし、XXをXXしたソースと・・・・・的な説明。
まず、この店の特徴の「4種のミクロメニュー」。
前菜のさらに前菜といったところ。
ガランティンと野菜
ホタテ、洋ナシ、ベルジューヌ
ハンバーグ、ポテト、ケチャップ
カボチャのマザパンとモスカテル
どれもスプーン一匙以下の極少料理。
とても手が込んでいるのは分かるが、これ!という「発見」はない。
ほとんど南フランス料理といった感じか、オリーブ・オイル多用。
ついで本当の意味での前菜が、これまた4種類。
プティファラとゼリー寄せ
2つのテクスチャーの塩タラ
エスパルデ-ニャス
イカ2005
「この店ならでは」は、3番目の、スペイン産ナマコの括約筋とズッキーニをあわせた一皿。
これは美味しい。
大きなスペイン産ナマコならではコリコリした食感がたまらない。
カトラリーはミクロ・メニューは金の縁取りの皿、その後は純白の皿で供される。
タラのスープは伝統的なスペインのスープ「ソバ・デ・アホ」(ニンニク・スープ)のアレンジらしいが、豚の血を固めたものもタラも、僕には「匂い」に多少の抵抗が残った。
次のイカにイカスミと肉をつめた一皿、これは最高だった。
イカスミにこんなに滋味を感じるなんて・・・!
メインは2種類から選べる。
僕らが選んだイベリコ豚はソースも含めて美味しいことは美味しいが、「普通」の美味しさ。
これならXXXXXXのほうのイベリコ豚のほうが・・・(ブツブツ)。
この後チーズ・ボード。
サッパリからヘビーな物まで順にそれぞれの「つけあわせ」と並べられてくる。
ブルー・ドベルニュが良い状態のものだった。
この後2種類の手の込んだデザートとフティ・フール。
たっぷり2時間半はかかるコース。
確かに、繊細な料理をたくさん堪能させてもらったけど、これ本当にスペイン料理?
日本でたまに(ハレの日に)創作会席料理を食べに行くってのと同じ位置付けのレストラン?
だから、多分2度目は近々にはないと思う。(サイフ的にも)