リバーリトリート雅樂倶 レヴォ

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難航した我が家の夏休み旅行も、それぞれ短いというかどちらも弾丸ですが、国内旅行1回、海外旅行(韓国ソウル)1回で何とか決着したものの、数日来書いているようにソウル旅行の方は僕の仕事の都合であえなくおじゃん。
結局、奥さんの希望で富山の「リバーリトリート雅樂倶」というホテルに遊びに行った1泊2日の旅行だけが、僕らの夏休み旅行ということになりそうです。
(もしかして8月後半に時間が取れれば、ソウルの代わりに海外とはいかないまでも、どこか行きたいと画策はしていますが)

「リバーリトリート雅樂倶」のあるのは富山。

【公式】リバーリトリート雅樂倶
神通峡のほとりに佇む、スモールラグジュアリーホテル。館内にちりばめられた現代アート作品、美しい景観、滋味あふれるお料理など、唯一無二の贅沢な空間をお樂しみください。

僕らは新幹線で富山駅へ、
新幹線の開業で富山も近くなりました。
東京からわずか2時間10分で着いてしまいます。
でも僕らはいったん長野で下車、友人の墓参りを急いで済ませ、また新幹線で・・・。
「リバーリトリート雅樂倶」へのアクセスは

のようで、僕らはJR富山駅からのタクシーを利用しました。

JR笹津駅(高山線)からならホテルカーによる無料送迎があるのですが、JR富山駅からとなると指定タクシー会社による優待料金(宿泊者専用、予約制)での送迎となります。
通常は7000円くらいかかるところ定額の3500円に、この料金はホテルの方で支払います。

JR富山駅の新幹線改札口で「リバーリトリート雅樂倶」のプラカードを持った運転手さんが待っていてくれます。
今回の運転手は女性。
ホテルまでの約35分間は話が弾み、富山観光、名物、美味しい店のことなどいろいろ教えてもらいました。
例えば有名な富山ブラックなんてラーメンは地元の人はほとんど食べないとか、白エビは意外に味が薄いとか・・・。
タクシーは神通川沿いを走りますが、あ、あれは?

そう、富山空港です。
日本でただ一つ河川敷に作られた空港で、滑走路やエプロンなどは神通川の河川敷にあります。
ターミナルビルは河川外にあって、堤防をまたいで建設されたボーディング・ブリッジの長さは日本一なので、ファンには有名(?)です。
マニアっぽく言うと、河川敷という立地なので、滑走路の南北端にある橋のために滑走路の延長や計器着陸装置の完全設置が困難で(滑走路の中心を示すローカライザーのみ)、冬の大雪や春先の濃霧による欠航が多かったり、敷地の余裕がなく滑走路の両端まで誘導路が作れない(平行誘導路がなく、離陸機は滑走路末端のターニングパッドでUターンしてから離陸していく)という物理的制約が厳しい空港でもあります。
JALは現在飛んでおらずANAオンリー、国際線は上海航空、中国南方航空、チャイナエアラインが就航しているはずです。

そしていよいよ「リバーリトリート雅樂倶」に到着です。

周囲のかなり田舎っぽい風景から、明らかに違う空間の出現です。

オウナーは地元の「izak」、ホテル事業もここの他「ホテルグランミラージュ」などを手掛けています。
「リバーリトリート雅樂倶」は2000年5月に本館オープン。

そしてその5年後、20005年11月にオーナーである石崎氏の並々ならぬ想いを汲み入れた新館をオープンさせています。
このエントランスはその新館の方にあります。

設計は建築家・内藤廣氏。
そのコンセプトは「数奇屋の繊細さとアジアの土臭さ」だそうで、単なるホテルでなくリトリートであることにこだわっているそうです。
たぶん運転手から何らかの連絡が行っているのでしょう、エントランスには出迎えのスタッフが待っていてくれています。

館内は至る所にアート作品が・・・。
ここは系列の「樂翠亭美術館」も持っているので

樂翠亭美術館

こうした作品、展示物には事欠かないのかもしれません。

中に入って行くと、この辺りがレセプション。

この時計は影で針を表示する面白いもの。
ホテルのようなレセプションカウンターもあります。

テーブルの上には食用じゃない(観賞用?)パイナップルが・・・

しかし僕らはエントランスで出迎えてくれたスタッフに先導され、この辺りは素通り、更に奥のこのホテルを代表するロビーまで案内され、ゆったりこれらの椅子に座ってのチェックインとなりました。

う~~ん、何とも印象的なロビーですね。
高い天井と、一面の良く磨かれたガラス窓。
窓からはゆったりとした神通川の流れ。
内藤廣氏によるPCコンクリートを校倉に組んだ壁など、新しい工法そして斬新な発想が成功していますね。

クッションの形など、ゲストが多めでも、たいていきれいに整えられています。
反対側、入ってきたレセプション方向を見たところ。

2階に見えているのはライブラリーです
モダンで印象的。

好きなところに座って良いというので、窓際の川の良く見えるこの席に・・・。

眼の前にはゆったり流れる神通川。
右を向くと神三(じんさん)ダムが見えています。
このダムについては

神三ダム - Wikipedia

が詳しいです。

うちの奥さんが窓際でくつろいでいます。
時間はまだ正午を過ぎたばかり、ホテルのチェックイン時間の午後3時には相当早いですが、もう部屋の用意は出来ていると・・・。
ま、僕らはこの後ランチをここで食べるのですが、すぐに部屋に入れるとは嬉しいことです。
チェックインと並行して、ウェルカム・ドリンクも・・・。
ビールなども選べますが、僕らは冷茶とアイスクリームというオプションを。

僕らは通常のチェックイン時間よりかなり前に着いたのは、ホテル内のレストラン「レヴォ」(L’evo)でランチする予定だからです。

実際にはそんな時間でも僕らの部屋は用意されていて、僕らはウェルカムドリンクの後、いったん部屋に案内され、その後、予約した時間にレストランに向かいます。
部屋の紹介は後にして、まずは「レヴォ」を見てみましょうか。
このレストランはホテルの地下1階にあり、レストランとしてはここのほか和食の「楽味」、カフェの「リヴィエール」なども・・・。
宿泊に付いている夕食と翌日の朝食は和食の方で取ることにしています。
もちろん夕食はこの「レヴォ」で、も選べます。

L'évo | レヴォ:富山の奥懐・利賀村から発信する前衛的地方料理の進化
フレンチシェフ谷口英司が富山に魅せられ、富山に育てられた「レヴォ」が集大成の地として選んだのは、昔ながらの風景と手つかずの自然が残る富山県利賀村。レストランを中心に宿泊棟、菜園が点在する、かつてこの地にあった集落を思わせるオーベルジュです。


ランチは午前11時半から午後1時まで、ホテル宿泊者より外来の方がランチを取りに来ている感じです。
ホテルには「デイ・リゾート・プラン」のようにスパ・エステ各種とランチと温泉がセットになったプランもあって、その利用者も多そうです。
特に女性一人で食事している人達。

エントランス近くには個室も2部屋あり、グループでの食事にも対応しています。

一面の大きなガラス窓の向こうにはゆったり流れる神通川。
やはりここではこの窓際席を取りたいところです。
この料理はウェブによるとcuisine regionale L’evoという店名の後、大きく「前衛的地方料理」と書いてあります。

同じくウェブには英語で

This is what we advance as Avant-garde local cuisine, making use of local foodstuff and adopting generations-old tradition, culture and art, and depicted on every single dish. The attraction of Toyama is sent to the world through the new style of local cuisine, transcending the stereotype of French cuisine and getting out of the framework of conventional local dish.

L’evo owner chef : EIJI TANIGUCHI

とシェフのポリシーなどが書かれていますが、どういう訳か対応する日本語はありません。
とにかくかなり革新的というかイノベイティブな料理が出て来るようです。
もしかすると店名の「レヴォ」は「レヴォリューション」(革命)と関係している?
でもレヴォリューションならフランス語もlじゃなくてrから始まるrevolutionですものね、違うかな。
テーブルセッティング。
流行のテーブルクロス無しのタイプです。
ナプキン、メニュー、追加のカトラリーは引出しの中に・・・。
カトラリーはポルトガルの「クチポール」と有名な「ライヨール」製でした。
凝った木のお箸。

パン皿やバターナイフもすべて木製です。
あ、ウェブにこうしたこだわりが日本語で書かれたページもありました。

ABOUT L'évo | L'évo
富山県利賀村で「レヴォ」はオーベルジュとして生まれ変わりました。レストランを中心に宿泊棟、菜園が点在する、かつてこの地にあった集落を思わせるオーベルジュです。

料理にも、その周辺にも、とにかく富山愛に溢れています。
地産地消というか・・・。

メニューはシンプルで、これだけではどんな料理が出て来るのかよくわかりません。
でもこのメニュー用紙に注目、富山の富山の名産「しけ絹」を使っています。
コースは苦手なものがあるか聞いてくれますが、1種類のみで、値段は5700円(税込、サ別)。
まずはプロローグという前菜5種類が・・・。
神通川で撮れたという鮎の炭火塩焼きはもちろんまだ熱々で出され、食感、苦味など悪くありません。
白エビの上に焼きトウモロコシ。

使われているソースなども逐一説明はしてくれるのですが、複雑で覚えきれませんでした。
ここのスタッフ、やや愛想の無い人や、料理のことを聞いても?な人もいて、その後食べた和食の方のほぼ完璧なサービスとは比較になりませんでした。
これは胡麻の香りの最中の中に鯖のリエットを詰めたもの。
最中の皮は富山の有名な店のもののようで、ホテルのショップでも売られています。

ビーツのメレンゲの間には鶏のパテが・・・。

ブルゴーニュの料理だったか、これはグジェールですね。
チーズを入れたシュー生地のことで、ここでは山羊のチーズを使っているようです。
さくっとした食感が口福です。

これで第1の料理、前菜が終了。

「レヴォ」でのランチ、5皿にも及ぶ前菜の後は四方の鱧です。
夏なので鱧、季節も良く考えられています。

四方は富山の漁港の名前、。
富山湾は本当に恵まれていて、上質な鱧や河豚、蝦蛄が 獲れるといいますし、500種類もの魚がいるとも聞きます。
富山は四方をはじめ、氷見、新湊、生地、滑川など漁港が発達していて、それぞれ得意分野もあるんだそう。
ソースは説明によるとかなり複雑のようですが、夏らしい爽やかな香りと酸味の効いたもので鱧に合っていました。

パンは米粉、全粒粉のとかバゲットとか3種類が焼きたて(風?)で出てきます。
バターは無塩バター。

3皿めは射水の大越中バイ貝の料理。

水深200~500メートルで採れる越中バイと、400~10000メートルにいるこの大越中バイとがあって、生息する水深が深ければ深いほど、大きくなり、貝殻が柔らかくなり、身も柔らかくなり、ついでに旨味も強くなると聞いています。
僕は過去に酒田の「ル・ポットフー」でパイ包み焼きを、どこかの寿司屋で握りで食べたことはあります。

こりっとはしておらず、ふにゅっとした独特の食感と、周囲を飾る富山の野草、それをまとめるソース(例によって複雑で聞きとれず)も悪くなかったです。
次はvirgin eggという料理。

初めて生んだ卵だけを使用したというこの料理。

生産者とのコラボがないとこういう貴重な卵は数集められないでしょうが、その貴重さを思い浮かべつつ(残念ながら普通の卵とのはっきりした差は・・・)、このポーチドエッグを泡々の下に隠されたベーコンなど一緒にいただきます。
鶏の味とかかすかなチーズの味は透明なソースに入っていたのかな。

バゲット。

第5の皿は岩瀬であがった鱸です。

うん、確かに富山の魚はきときとですね、皮目しっかりパリっと身はふっくらだし、さすが鱸そのものがまず良かったですね。
でもいつも魚より肉の僕は、この日のメイン、富山県産豚がこのコースではベスト。
厚みのある肉質が驚くほど均一にうっすらとピンク色に、こういうのって火入れに気を遣うんでしょうね。
中は柔らかく、脂身はかりっと香ばしく焼き上げられています。
ふぅ、もう僕でもかなりお腹一杯になってきています。

デザートは糖度の高いという高岡のゆうかメロンを使った冷たいもの(アイスクリーム)。
そして食後の飲み物。

全体にとても面白いアプローチのヌーベル・フレンチだったと思います。
やや空回りっぽいところも感じましたが、富山の食材を愛し、地産地消系フレンチはまさに店の看板cuisine regionaleに間違いはないと思いました。
サービススタッフはこのホテルの他のレストランに比べると、もう少しホスピタリティが欲しいかな、温かみが欲しいかなということが多かったです。
ご馳走様。

最後に画質も音質もあまり良くないのですが、ここのオウナーシェフがNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀 : フレンチシェフ・谷口英司」で取り上げられた時の映像です。

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