「沖縄第一ホテル」の朝食で最後のお茶うけに出たこの小さなお菓子。
給仕の女性は「きっぱん」と・・・。
漢字で書くと桔餅。
でも正確に言うとこれは冬瓜漬け、桔餅はまた別のものです。
「きっぱん」(「ちっぱん」とも言うそうです)とは、柑橘類(カーブチーや九年母など)の実を砂糖でじっくりと煮詰めて、砂糖の衣で覆った沖縄菓子。
まずは果物の実の表面を?いて、果汁を搾り、皮を細かく刻むんだそうです。
そのあと長時間砂糖で煮詰めて、いろいろな形に(円形の餅状だったり、棒状だったり・・・)にして乾燥させます。
最後に仕上げとして真っ白な砂糖で表面を覆います。
18世紀頃に中国から沖縄宮廷に伝わったようで、その姿も味も実に上品、お茶席のお菓子としてもよく使われる、沖縄のお菓子の中でもちょっと特別な存在のものです。
現在この「きっぱん」を専門にしている唯一の店が「謝花きっぱん店」(「じゃはな」と読みます)です。
僕がこのブログを始める前にやっていたブログでも取り上げ、その時もかなりな人が興味を示してくれた、個人的にも懐かしい店です。
「沖縄第一ホテル」でまた出会って、久しぶりにあの坂を上ってみました。
店内の商品はその種類も増え、ホテルで出た冬瓜の砂糖漬けも、生姜とか黄粉味のものとか、袋入りで数種類揃えてありました。
僕がお土産に買ったのは袋入り(600えん)のほうが黄粉フレイバーの冬瓜漬け、そして袋入りの円形の方が念願の「きっぱん」(390円)。
冬瓜の砂糖漬けは実が柔らかく、表面のかりっざらっとした食感とよく合い、上品だけれどかなりな甘みが口福を誘います。
「きっぱん」の方はより硬さがあって、味は更に上品、果物の酸味と甘みが絶妙に絡んで、さすがお茶席でも出されるのがうなずけるお菓子でしたね、これ。
最近ではワインと合わせる人も多いとのこと。
http://www.jahanakippan.com/webshop/wine.html
宅急便での大量注文もあったようで、小さな店は忙しそうでした。