パリ・ビギナーズ・ノート (21) モンパルナスといえばクレープリーとカフェ?

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パリの夜景@「モンパルナス・タワー」を360度堪能した後は、ちょっと温まりたいし、何かお腹にも入れたい気分です。
で、モンパルナスで夜食と言えばクレープリー(クレープ屋)か由緒正しい歴史的なカフェでしょう・・・ということで、さぁ、どっちにしましょう。
選んだのは「モンパルナス駅」から歩いて5分ほど、やや人通りの少ない暗い方向に進んだ所にある「ティ・ブレーズ」というクレープリー、「フィガロ」紙で「パリで一番美味しいクレープ屋」に選ばれたこともある店です。
店は行列こそ出来ていませんが、ほぼ完全満席状態。
とてもはやっている店のようです。
庶民的ではありますが、店を切り盛りするママは英語も上手、愛想も充分です。
メニューには何と日本語バージョンもありました。
そんな中から僕はシャンピニオンのガレットを・・・。
ガレットはそば粉で出来たクレープ、正しいかどうか分かりませんが、僕の頭の中では
ガレット=そば粉の生地=塩味
プレープ=と麦粉の生地=甘味
という区別です。
前にも書きましたが、「モンパルナス」駅はフランス北西部に位置するブルターニュ地方への出入り口。
そのブルターニュはカフェの数よりクレープリーが多いという土地柄、やせた土地が多いブルターニュではそば粉が多く取れ、ゲランドの塩でも有名な場所、更には酪農が盛んで有塩バターも多く作られる・・・そば粉生地の塩味のガレットがこの地方の主食だったことも良~く分かります。
ガレットの中には、卵やハム、ベーコンやシャンピニオンなどが入り、仕上げには有塩バターがたっぷり使われて、実に香ばしい状態でテーブルにやってきます。
ガレットのお友達はリンゴの低発泡酒であるシードル、更にデザート・クレープまで頼めば、それでもう立派なフル・コースです。
この店のガレットは本当にしつこくなく、焼き方が絶妙なせいでしょうか、周囲のカリカリ感、具材の入っている中央部分のふっくらしたモチモチ感・・・強めの塩味がいかにも田舎風で、これは昼間の3★レストランとは対極をなす、チープですが同じ様に美味しいフランス郷土料理ですね。
値段は10ユーロちょっとでしたか、高くても12ユーロは越さない値段だったと思います。
この時点でパリに着いて30時間くらい、でも食べたかったデザート(「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」)、カフェ(「カフェ・ド・ラ・ペ」)、3★レストラン(「ピエール・ガニエール」)とこなし、これで郷土料理としてクレープリーもクリアしたことになります(笑)。
お腹が満ちた後はモンパルナスの散策です。

モンパルナスは20世紀初頭、芸術家達のたまり場となったところ。
ここで象徴派の詩人、ヴェルレーヌ、ボードレール、アポリネール達が育ち、彼らの傍らにはモディリアニ、シャガール、藤田嗣治といった画家が集い、エコール・ド・フランス(パリ派)が形成されていったと言われています。
1927年創業のここ「ラ・クーポール」などは、さしずめその代表格。
覗いてみるとアールデコのインテリアが素晴らしく、モンパルナスのカフェ文化の雰囲気を十二分に味合わせてくれます。
僕は地下のトイレを借りただけですが・・・(笑)。
公衆トイレの少ないフランス、カフェは最高の駆け込み場所です(笑)。
これはジャン・コクトーが常連だったという「ル・セレクト」。
「ル・ドーム」のインテリアは見るからにアールヌーヴォー。
1898年の創業で、写真家のロバート・キャパの伝記にも出てくる店です。
「ラ・ロトンド」は魚料理店としても有名です。
ここであのボーヴォワールは生まれたんですよね、確か。
魚貝といえば、「ル・バーラ・ユイットル」も牡蠣で有名な店ですよね。
店頭では店員が一心に殻を剥いていました。
ここは日本語メニューがありました。
通りを歩いていると、こんな像が・・・ガイドブックにも載っていません。
ロダンの作のようです。
バルザックの像?
こんな像が人知れず(?)ぽつんとあるのも、パリならではですね。
夜のモンパルナスを代表するカフェを一通り見学した後、メトロに向かって歩いていると、こんなポスターに出くわしました。

パリのゴスペル、どんなでしょうか?
3月27日?
僕の誕生日じゃないですか・・・見に行きたい気もするので、とりあえず手帳にメモメモ。
・・・ということで長かったパリ2日めもこれで終わり、明日の朝はまたこの辺りに来る予定です。
そう、明日は金曜日、週に決まった曜日だけ開かれている「ラスパイユの朝市」に出撃してみようと思っているのです。

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