残念だった代替わり・・・蓬莱屋

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先日上野まで行くことがあったので、お昼を御徒町の「蓬莱屋」で食べました。
僕がかつては東京ナンバーワンの「とんかつ屋」と考えていた店です。
場所は「松坂屋」の御徒町駅寄り、昔からこんな風情の小さな店です。
2年ほど前に口数が少なくちょっと強面だった親父さんと、気風の良い気さくな女将さんが相次いで亡くなり、店が代替わりしたと聞いてからは、30年以上のファンの僕も足が遠のいていました。
ここのとんかつは超高温の鍋と低温の鍋(手前)の2度揚げ、メニューも「ひれ」と「一口」のみ、売りの「ひれ」は形が独特でさつまいもというか円筒形。
揚げあがりも近くの「ぽん多」と対極にある、やや揚げ過ぎかと思うくらいの色合いです。
「こんなに新しい暖簾だったっけ」と思いながらドアを開けると、「いらっしゃいませ~」。
あれっ?
何か違う。
高温のほうの鍋から立ち上るもうもうとした油っぽい煙の臭いは昔と同じですが、「いらっしゃいませ」のイントネーションが・・・(笑)。
どうも女の子たちはニーハオの国の人のようです。
若い男性の揚げ手も・・・女将さん役の女性も・・・皆「ニーハオの人」でした(泣)。
どの人も親切で丁寧、そういう意味では文句は何もないのですが、どうしても違和感をぬぐいきれません。
で、これが「ひれかつ」、2900円です。

僕にとってはこの形は美味しさの形、でもでも・・・残念ながら見た目は同じでも、あの親父さんの揚げた「ひれ」ではありません。

「ひれ」の極致といったような厳選された実にきれいな色と形のひれ肉、揚げると少しぼそぼそするようなあっさりさの中に肉そのもの旨さがじゅわ~っと広がる、あの「幸せ」は僕の口の中にやってきませんでした(泣)。
肉質も落ちているようです。
揚げた肉にもジューシーさが不足しています。
昔の絶品さを知る者には何とも残念な出来、やはり名人芸というのは一朝一日には出来ないのでしょう。
あの親父さん・女将さんのスタイルを中国の人が受け継いでくれるのは本当に嬉しいですが、ぜひぜひあの親父さんの域に一日でも早く追いつけるように頑張って欲しいものです。

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