泊まっている「ヒルトン・ブエナビスタ・トレド」で朝食、スタッフの親切でホテルの博物館(美術館?)も見学させてもらい、いよいよトレド観光の開始です。
一般にトレドの観光というとマドリッドからの半日ツアー、日本語のも英語のも、そういうツアーはネットで沢山引っかかりました。
ところが僕のようにトレド滞在中に観光するとなると、個人ガイドを手配するとか、値段的にかなり割高なものになってしまうようなのです。
なので、僕はタクシーと徒歩での、自力のトレド観光を目指しました。
バスという手ももちろんあるのですが、時間的にロスが出やすいのと、どの国に行ってもそうですが、バスを使いこなすには、その土地に着いてすぐではなかなかに難しいものです。
今はユーロ安、タクシーは「使い時」だと信じて・・・行動です。
(この写真は「ヒルトン・ブエナビスタ・トレド」のこじんまりしたファサードです)
トレドでどうタクシーに乗るか、それをガイドブック(といっても「地球の歩き方」の数ページしか情報はありませんでした)を見ながら、事前に色々案を練ってみました。
まずホテルからどこに行くべきか、どこから観光を始めるべきかということです。
トレドには流しのタクシーはほとんどいないそうです。
ホテルなどから呼び出すか、僕が前日乗ったようにレンフェ(スペイン国鉄)のトレド駅前で拾うか、そして肝心の観光の中心である旧市街ではタクシー乗り場が何とたったの一個所(「アルカサル」前)しかないということも分かりました。
つまり、こういうことになります。
基本は 自分の見たい観光名所の中で最もタクシー乗り場から遠い所にあるものの前までタクシーに連れて行ってもらって、後は歩いて観光、最後にタクシー乗り場に最も近い所にある名所を見て終るようにすることです。
そして最後に「アルカサル」の前にいるタクシーに乗って、またホテルに帰るという形になります。
これが逆だったら・・・タクシーを呼んでもらえそうなある程度以上のレストランや土産物屋でそれなりの出費をしなくては、なかなかタクシーを呼んでもらうというのは・・・かもしれません。
(写真は「ヒルトン・ブエナビスタ・トレド」のエントランスです)
タクシー乗り場のある「アルカサル」から遠い順に観光名所を調べてみます。
「サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会」、「サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会」、「トランシト教会」、「エル・グレコの家」、「サント・トメ教会」、「カテドラル」、「サンタ・クルス美術館」、そして「アルカサル」・・・という順序になるかと地図上では思えました。
さぁ、実際にはどうでしょうか?
(写真は「ヒルトン・ブエナビスタ・トレド」前の庭園です)
ホテル・スタッフにタクシーを呼んでもらっている間に、ホテルの玄関前を軽く歩いてみます。
トレドの風景をより印象付ける「タホ川」が曲がりくねって、ホテルの脇を流れています。
改めてホテルを見ると前にも書いたようにここは旧「ブエナビスタ宮殿」(PALACE OF BUENAVISTA)、その時のオリジナル・カラーである赤色が、ほぼ史実に忠実に再現されているようです。
(写真はホテル前から見える「タホ川」です)
タクシーの運転手は素晴らしく英語の上手な人、名刺をくれてプライベート観光がどうだとか、帰りの空港まで送るぞとか、トレドの簡単な観光案内の他に、いろいろ仕事上のジャブも繰り出してきます(笑)。
でも決して押しつけがましくない・・・好感の持てるドライバー。
ホテルからこの「サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会」までは時間にして約10分、値段は7ユーロでした。
この教会の入場料は2.3ユーロ。
時間がまだ早いので、僕の他に人はほとんどいません。
レコンキスタ(懐かしい言葉!「世界史」の時間を思い出しちゃいます)を終了させたイサベル女王が、ポルトガルとの戦いに勝ったことを記念して15世紀末に建てた教会。
中はせせこましさのない大きな作り、右を向いても左を向いても、スペイ~~ンって感じです。
漠然とですが・・・ね。
でも良く見ると、この教会、1階・2階・3階で微妙に作りが違っています。
何でもここ、ゴシック様式とムデハル様式を融合させたイサベル様式というスタイルなんだそうです。
回廊の1階部分はゴシック様式、2階部分がプラテレスコ、3階がムデハルという、それぞれ異なった建築様式が混在している建物なのです。
これはムデハル様式の格天井です。
礼拝堂に入ってみます。
シーンとして、本当に人がいません。
ただ一人、長い髪の女性が身じろぎもせず、祈りを捧げているだけです。。
靴音も気になるほど、静かな静かな時間が流れていました。
ま、もう少しすれば沢山の観光客でこの静寂もすぐに破られてしまうのでしょうが・・・。
派手さのない分、より敬虔さを感じる素敵な教会でした。