カンボジア土産は「クメール伝統織物研究所」のシルクだけ

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ここにいつもコメントを下さるleroyさんから「お土産は・・・」と聞かれたので、文章にするより実物の方が・・・と思ったのですが、これが難しい。
色が全然上手く出ないんです、僕のデジカメでは(泣)。

物はカンボジア・シルク。
黄色や茶色、緋色が微妙に入り混じった、光の当たり具合でその印象を大きく変えるシルクの布。
幅1メートル、長さ2.6メートルという大判で、僕はこれを「カンボジアの赤土」のイメージととらえ、今回の旅行の記念に我が家のテーブルクロス用にお土産として買ってきたのです。
本当は我が家のテーブルには幅がもう少しあれば最高だったのですが、全然おかしくはないサイズ。
あぁ、でも本当はこんな色じゃないんです(泣)、すごく微妙な色・・・もっと赤く、もっと黄色く・・・いや、わずかに緑っぽさも・・・いずれにしても僕がカンボジアで見たいろいろな色がここに凝縮されている気がしたのです。
上の写真は昼間の物なので、もう一度、今度は夜に実際使っている状態で写真を撮ってみました。

全然違う感じに見えるでしょ、でもこっちの方が実際の色合いに近いでしょうか。
光って見えるのは布の上に置いた透明のアクリル板に上の白熱灯が反射しているためです。
僕は世界各地初めての土地に出かけると、その土地土地でなるべく印象に残った布を一枚買ってくるようにしています。
そしてそれをたいていは家族団欒の場のテーブルクロスとして使って、旅の余韻に浸っています。
今まで使っていたのは去年のハンガリー旅行で買った刺繍のきれいな布。
これからしばらくはこのカンボジア・シルクになります。
(僕の今回のカンボジア土産はこれと、わずかに「アンコールクッキー」という日本人女性経営の日本人旅行者御用達の食料品屋での何点かだけ・・・)
ちなみにこのシルク、織手の名前も入っていて、一日に織れるのはせいぜい10センチ弱、半年近くの制作期間を要したものだそうです。
で、僕が行ったシェムリアップには町中至る所に「SILK」の文字が・・・それこそピンからキリまでのシルクやシルクもどきが溢れています。
そんな中で僕がぜひ行きたかったのがここ、「クメール伝統織物研究所」(Institude for Khmer Traditional Textiles、通称「IKTT」)です。

ご興味のある方は、まずここのホームページ
http://iktt.esprit-libre.org/
をご覧ください。
こことここのオーナー森本喜久男氏のことは、NHKの番組でもJALカードの雑誌などでも、僕は以前から知っていました。
もし「まだ」という方のために少し解説をさせていただくと、カンボジアの伝統工芸「カンボジア絹絣」の織り手の大多数は1970年に始まるカンボジア内戦の時に殺されてしまったんだそうです。
この研究所は、失われたカンボジア絹絣の再興を目指して、京都友禅染め職人の森本氏が設立したもの。
氏は戦乱を生き残った織り手を見つけだして、技術の継承と生産体制の整備を進めることで、カンボジア絹絣の再興に尽力されているのです。
同研究所では,カンボジアの貧しい若者たちに伝統技術を伝えて自立を支援するだけでなく、織物に不可欠な桑やカイコの育成事業や染料となる虫や樹木を育む森の再生事業にも取り組んでいます。(バンテアイ・スレイ近くの「伝説の森」という所で、ここを訪ねるツアーもあります)

1階は工房。
とても丁寧で親切な日本人女性が、ここのシルクの特徴を詳しく説明してくれます。
薄暗くとても蒸し暑い場所で、皆さん作業中です。
でも眼の良いカンボジアの人にはこのくらいでちょうど良いんだそうです。
ただいくら慣れているとはいえこの湿度は・・・。
そこへ行くとショップのある高床式建築の2階の方は、かなり快適です。
これが森本氏。

幸いにも他にお客がいなかったので、ずいぶん長くお話をさせていただきました。
表面上は物腰の柔らかいとても丁寧な方でしたが、その奥に秘めた闘志はとてつもないものと感じるお話でした。
クレジットカードも効くので、思い切って気に入った上記の布を購入しました。
値段?
聞かないでください(笑)、カンボジアの物価からしたらとんでもない額です。
布としても相当な値段でしょう。
エルメスのスカーフ、X枚分くらいです。
ま、一人の織り手が半年かけて織ったものですからね・・・。
奥さんも喜んでくれたので、僕も大いにホッとしたカンボジア・シルクのお土産でした。

追記) このシルク、材質的にはほとんど人毛と同じ成分とのことで、洗濯は何とシャンプーで・・・と。
しかも日にあてて干して良いんだそうです。

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