マイ・ファースト・スペイン　（３３）　「セルベセリア・カタラーナ」でスペイン気分の夕食を

スペインではほとんどの観光名所とレストランが休み・・・と心配していた元旦、以外にも朝からやること、見ること、食べることが一杯で、事前の心配が杞憂に終わりそうな気配です。
「カサ・バトリョ」見学から戻りホテルで一休み、次いで出かけたのは夕食です。
一般にスペインの夕食は午後９時頃から、日本よりかなり遅い時間からの始まりです。
なので、混雑を避けるためにも、人気店にはこの時間より前に行くことがコツのようです。
「グラシア通り」は「ランブラス通り」ほどではありませんが，元旦でも店を開けているレストランがいくつかありました。
このタパス（スペイン風小皿料理）、というよりピンチョス（バスク風の一口おつまみ）バルの「ＴＸＡＰＥＬＡ」もその一つ。
何とピンチョス５１種類が写真と説明・値段入りで書いてあって、店員も観光客（スペイン語がしゃべれない人）慣れしているとネットでも評判の店です。
ここも候補でしたが、ピンチョスは明日老舗の「ＩＲＡＴＩ」（イラティ）の近くまで行く用事があるので、そちらで・・・と、断念。
やはり「バルセロナに行くなら外せないでしょう」の「ＣＥＲＶＥＣＥＲＩＡ　ＣＡＴＡＬＡＮＡ」（セルベセリア・カタラナ）を目指します。
（「ＣＡＬ　ＰＥＰ」という店も同じく評判が高かったですが、そこは元旦は休みでした）
「セルベセリア・カタラナ」は「マンダリンオリエンタル・バロセロナ」からはすぐ近く。
元旦で閉めている店が多いので通りはやや暗いですが、「グラシア通り」から２本目の通りという近さ、安全性も問題ありません。
「セルベセリア」とはスペイン語でビアホールという意味。
でも喫茶店というような側面も持っていて、朝早くから開いているところが多いようです。
さて、時間は午後の８時ごろ、前述のようにスペインの平均的な夕食時間よりは早いですが、店はもう大混雑の様相。

店の前もですが、中での行列や席待ちがすごいです。
あまりの人混みにどうしたら良いのか全く分かりません。
席の予約を受け付けている女性にやっとのことで聞くと、分かりづらい英語で「奥のテーブルは激混みなので、一人なんだからカウンターで待ちなさい」・・・と。

「待つ」って？
どうやら食べ終わりそうな客の後ろで立って待つって意味らしいのです。
忙しい女性はそれ以上を答えてくれないので、入口付近にいくつもあるカウンターの中にいるウェイター（・・・と言うんでしょうか？）に困った顔を向けると、アジアっぽい顔立ちの男性、かなりきれいな英語で「ここがもうすぐ空きそうだから、ここにいなさい」と優しく・・・。
わぁ、感激。
こういう初めてのところでこうした親切に会うと、本当に嬉しいものです。
そんなこんなで、こんなに店中に立って待っている人がいるのに、僕はラッキーにも、ものの５分でカウンターに座ることが出来ました。
もちろん一人客ということもあったのでしょうが・・・。
その親切なウェイターからはずっと目をそらさずに丁寧にお礼を言い、「こういうところには初めて」ビームを全開（笑）、最後まで本当に良くしてもらいました。

英語はＯＫ、良く気が付く、注文に答える動きが早い・・・さすが有名店のウェイターです。
本当に仕事が早く的確な人でした。
オーダーはメニューからでも、カウンターにある食材やお惣菜からでも、ウェイターから口頭でお奨めを聞いてもＯＫです。
（カウンターのアーティチョークの山盛りが気になります）
タパス一皿の値段はかなり安く、せいぜい３～８ユーロです。
まずは有名なスペイン風のオムレツ（トルティーリャ・エスパニョーラ）。
じゃがいもと玉葱が入っていて、出来はふわふわ。
これは旨い、ケチャップなど掛ける味ではありません。
写真には撮りませんでしたが「ピーマンの素揚げ」も・・・ガーリックと塩味が強めで、これはアルコール好きには堪らないタパスでしょう。
ピーマンとは言っても、見た目シシトウみたいです。
次は「パプリカの詰め物のチーズ焼き」（料理名は適当です）。
パプリカは肉厚で辛みがない甘い品種、中のクリームもチーズ掛けも美味しく、ウェイターが「バスクの伝統的な料理のアレンジです」と言って皿を渡してくれました。
最後は「ロックフォール・チーズとフォアグラのサンドイッチ」。
バゲットはパリパリ、フィリングはちょっと緩めの風味豊かなもの、これも合格です。
特筆すべきはこの４品で１２ユーロ弱という値段の安さ、シーフードなど高いものを頼まなかったせいもありますが、これは相当の安さです。
会計も明朗改正、レシートも出ますし、お釣りもちゃんとくれます。
もちろん釣りはチップのつもりで皿に残しました。
周りを見てもそれで良いようです。
一人ではそう沢山の皿は頼めませんが、「グループで来れば味的も値段的にも最高でしょう」的セルベセリアです！
バルセロナに行かれる方、ここは絶対のお奨め店です。