「マリーナ・ベイ・サンズ」の僕の部屋から見える、「マーライオン」があるはずのところに見える謎の(笑)赤い箱。
(写真中央は「フラトン・ホテル」、水辺がいわゆる「マーライオン・パーク」)
今日はその赤い箱の話です。
実はシンガポールのシンボル「マーライオン」はなくなったのではなくて、この赤い箱の中に隠れているのです。
いや、「隠れている」というよりは「周囲を覆われた」というべきでしょうか。
これは「シンガポール・ビエンナーレ2011」の出品作品の一つで、ドイツなどを中心に活躍する日本人アーティスト・西野達氏の手になる、何と「マーライオン」を壁で囲みホテルにしてしまったというアートなのです。
曰く「マーライオン・ホテル」と・・・。
「シンガポール・ビエンナーレ」は3月13日からの開催、それより前に旅行した僕は準備中の外観しか見られませんでしたが、春休みにシンガポールを旅行した僕の友人ご家族の実際の写真をお借りして、ここにその詳細をアップします。
(Mさん、有難うございました!)
オフィシャルには
「シンガポールには欠かせないランドマークであるマーライオンを取り囲んで、一時的に豪華ホテルの部屋を作り、訪れた人に世界的に有名なこのシンボルをユニークな視点でとらえさせます」
との解説が付いているようです。
で、この西野氏、アートなホテルでは実績があって、皆さん、思い出します?
横浜の「ヴィラ會芳亭」、もう5年くらい前ですかね。
横浜中華街の山下町公園にある東屋「會芳亭(かいほうてい)」を建築資材で囲ってホテルにしたのが「ヴィラ會芳亭」。
確かあの頃西野氏は「公共物を取り込むように制作した構築物の中に、私的な部屋を作るという大掛かりなインスタレーションを得意とするドイツ在住のアーティスト」っていう紹介でした。
床面積が85平方メートル、「會芳亭」の屋根の下にベッドルームを作って、シンプルな内装の中にカッシーナの家具を配置したりしたホテルだったような・・・。
ホテルの実際の運営は「ローズホテル」で、一泊が2000円という衝撃価格だったのも覚えています。
それと同じコンセプトのアート・ホテルを、今度は西野氏、シンガポールの大名所でやってくれたのです。
街の見慣れた光景を変貌させるというのも、彼の狙いの一つなのでしょうか?
マーライオンのある無し、赤い箱のある無しでここの風景はかなり違ったものに見えるでしょうし、周囲を囲まれたマーライオン、マーライオンがいる部屋というのも、なかなか想像がつきません。
さて、この「マーライオン・ホテル」は入場無料。
朝の10時から夜の7時までは一般に公開されていて誰でも自由に見学出来、夜は本当にホテルとして、一組のゲストが実際に宿泊します。
予約の予約はもうすでに締め切られているとのことです。
こんな土台というか骨組みを見ながら、順番を待ちます。
骨組みの向こうに見えているのはマーライオンの足の部分?
ホテルの入り口は階段を上がったところ、中に入ると・・・
マーライオンがどか~~~んと部屋の中央に!
マー君(笑)の口には水を吹き出していた蛇口も良く見えます。
そしてその前にベッド。
何ともすごい配置の部屋ですが、いや~、マーライオンの存在感、すごいです。
作者の意図通りマーライオンを壁で囲うだけで、外からも中から見ても、風景はこんなにも変わってしまうのですね。
ホテルだからバスルームだってちゃんとあるんですよ。
窓の切り方も良いですね。
「マリーナ・ベイ・サンズ」、蓮の花がイメージの「アートサイエンス・ミュージアム」、そして大観覧車の「シンガポール・フライヤー」が一望の下です。
夜はロマンチックでしょうね。
「マリーナ・ベイ・サンズ」のこの屋上にプールがあるわけです。
改めてとんでもない高さに、です。
インテリアもシンガポールということを考えると、いかにもという感じでまとめられています。
僕が見られなかった「マーライオン・ホテル」の中、M先生のおかげで僕も堪能することが出来ました。
本当に有難うございました。
(ということで、今回は僕の写真と友人の写真両方が使われています)