日本語が本当に堪能な遺跡専門のガイドに伴われて、いよいよ「ボロブドゥール遺跡」とご対面です。
「ボロブドゥール遺跡」、それは世界最大級の仏教寺院遺跡で、その石造り建築の素晴らしさは「ボロブドゥール寺院遺跡群」の一部として世界遺産に登録されているほどです。
インドから東南アジアに伝播した仏教は一般には上座部仏教でしたが、ボロブドゥールは大乗仏教の方の遺跡なんだとか・・・。
2006年の大地震や2010年の火山爆発による降灰などこの遺跡群にはトラブルが続き、いくらインドネシア政府が観光のためにこの遺跡群に力を入れてたとしても、国民のほとんどはイスラム教徒。
そろそろここを自分の眼で見ておかないと将来はどうなるかと思い、今回のジャカルタ弾丸に、このジョグジャカルタ行き・遺跡見学を盛り込んだのです。
おぉ、全景が見えてきました。
ここが作られたのは西暦972年頃、平地の中央にある天然の丘に盛り土をして、安山岩や粘板岩を積み上げて作られたと・・・。
一番下に一辺が約115メートルの屈曲した方形の基壇があり、その上に5層の同形の方形壇、そしてその更に上に3層の円形壇があり、全体で9層の階段ピラミッド状構造になっています。
で、この構造は仏教における「三界」を表していて、構造的には内部に空間のないのが特徴だなどと、ガイドは説明してくれました。
層の方形壇の縁は壁になっていて、各層には回廊がめぐらされています。
壇の四面中央には階段があり、上に上ることが出来ます。
回廊には仏教説話にもとづいた1460面におよぶレリーフが時計回りに続いていて、何と登場人物は1万人以上にもなると・・・(ガイドの説明)。
地震でのレリーフ崩壊の修復後なのでしょうか、石の色が明らかに違うものも混じっています。
回廊の外縁をめぐる壁にはたくさんの仏像があり、その多くは首から切断されているのにご注目を。
盗掘団によって無残にも切り取られ、海外に流出してしまったのでしょう。
壁から突き出ているのは吐水口、想像上の生き物の彫刻で飾られています。
ここの彫刻やレリーフ技術は相当にすごい感じです。