多謝、香港 (22) アラン・デュカスの「SPOON」の続き

スポンサーリンク

前回書いたような理由で当日予約にもかかわらずこの窓際席に座れたshackinbaby、幸せ者です。
雲が多かった昼間より風が出てきたせいでしょうか、晴れてきているようです。
窓から見える実際の景色は僕の安いデジカメで撮ったこの写真の100倍はきれいです。
いかにも香港という景色が眼前180度に広がっています。
アミューズはこの2皿。

軽く軽く揚がったクロケットに、これもサクサクハラハラのパイ皮に包まれたピスタチオ、海老など異なる味と食感のフィリングが・・・。

出来立て・作りたて感がしっかりあって、その繊細な味はきっとシャンパンなどにもぴったりなスターターでしょう。
僕は飲みませんけどね、もとい、飲めませんけど・・・。
次はシェフからのプレゼントという、これもメニューにはない皿。
コンソメ・スープでした。
ものすごく深い味で、濃いというわけではないんでしょうけど、たくさんは飲めない感じ。
このくらいがちょうど良い量での提供でした。
ギャルソンやメートル・ドテルが中身についても事細かに教えてくれますが・・・書き留めておかなかったので、すみません、忘れました。
緑は確かフェンネルだったと思います。
で、ここからが今回頼んだ「エクスペリエンス・メニュー」。

これは、ま、パンプキン・スープです。
円心上に覆っている薄いクラストを壊して混ぜて食べます。

底にはカッテージ・チーズで出来たムースが敷いてあり、見た目、味、食感ともに素晴らしい一皿。
こんなパンプキン・スープ、食べたことがありません。
そうそう、ここの写真はすべてフラッシュ無して撮ってあります。
高級レストランでは、メ・イン・ダイニングでの写真撮影を禁止しているところもありますが、ここはOK。
でも明らかにフラッシュなど焚いて撮っても良い雰囲気ではありません。
現に食事終わりに、ハーバービューをバックに記念写真をギャルソンに撮ってもらっているカップルがいましたが、フラッシュは焚かれていませんでした。
なので、どうしても光量不足、実際の料理はもっともっと色が鮮やか、美味しそうなんですよ。
そこのところはどうぞお許しください。、
次はマリネされた帆立、トリュフとレモン風味。

これも文句なしです、帆立の新鮮さもさることながら、トリュフとレモンがまた合うこと・・・。
カフィアライムの味も感じたので、味を聞いてきたメートル・ドテルに「これは純粋なフレンチというより、アジアのフレイヴァーも入れた香港スタイルのフレンチということ?」
彼は即座に首を振り「いいえ、これは純粋にフレンチです。フレンチにも最近昔は使わなかった食材を使うことはあります」と・・・。
カフィアライム以外にも細かい隠し味がいろいろ効いている気がします。
続くのは鮃(ヒラメ)と海老。

これもソースが抜群に美味しい一皿。
分かりやすく言えばアメリケーヌ・ソースをベースに、それを更にグレードアップしたようなソースで、「海~~~!」って感じです。
パンでソースをぬぐわずにはいられなかったですよ、この皿。
肉料理はミルクフェッド・ラム。

ピレネー産の生後4週間から6週間の乳離れしてい ない子羊の肉で、その柔らかさと臭みのない味は特筆もの。
これがこうした高級レストランの手にかかれば、美味しくないはずはありません。
このミルクフェッド・ラムは柔らかい肉が美味しいとする日本人には最高のステーキ素材でしょう。
メイン料理が美味しいのは当たり前として、僕が好きなのは付け合せのポテトまでが素晴らしかったことですかね。

いわゆるブーランジェリー風というやつで、これは飴色になるまで炒めた玉葱が勝負のポテト。
たぶんこれ、僕が今までに食べたこの手のポテトでベストの出来かも、です。
この後はデザートが続きます。
まずは冷たいものから、分かりやすく言うとこれ、みかんシャーベットです。
正式には「みかん」じゃなくてマンダリン・オレンジのクレメンティーン。
それを冷凍、シャーベット、ジャム、ソースなど様々に加工して重ねてあります。
次いで今度は少し温かいデザート。

極薄のチョコレートのドームの上に金粉が乗っています。
その周囲に温かいカカオソースが注がれ、別皿には瞬間凍結したダーク・チョコレートのフレークも出されます。

チョコレートのドームを割ると

中にはチョコレート・ムース、生クリーム、アイスクリーム・・・。
レストラン・デザートの本領発揮といったチョコレート尽くしでした。
各種飲み物(僕はコーヒー)の後に・・・
ギモーヴが面白いガラス瓶に入って出てきます。
超長いいろいろな味のギモーヴを挟みで切り分けてくれます。
ギモーヴとマシュマロは同義語と言われていますが、本当は違いますね。
マシュマロはメレンゲとゼラチンと香料を合わせて固めたもの。
ギモーヴはメレンゲや香料を使わず果物のピューレにゼラチンを入れ、それをあわ立てて固めたものなんです。
これはギモーヴの方、このギモーヴもフルーティな香りと味、そして食感で美味しいと思えるものでした。
普通こういうものは添え物的感覚なのですが、いやいやどうして・・・。
こういうところに手を抜かないのも名店・高級店ならなのでしょう。
最後はプチフール。

こうした皿に付き物のマカロンがここはないんだぁと思っていたら、マカロンはお土産でした。
テーブルで会計が終わり、エントランスまで行きかけると、レセプショニストは僕の預けていた荷物を持って待機してるは、エスコートしてくれたメートル・ドテルは名刺を差し出し、お土産にと「SPOON」特製のマカロンの箱を差し出してくれるはで、最後まで高級店でした。
料理には目を見張るほどの感激はありませんが、高い値段にも見合う料理は出てきたと思います。
景色も本当に御馳走で、何か特別の日、ハレの日の会食にはやはりここはお奨めといわざるを得ないですね。

タイトルとURLをコピーしました