阿倍野グルメ (3) エ・オ(ベルナール・ロワゾー・スィニャテュール)

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「大阪マリオット都ホテル」滞在中はB級ローカルグルメから高級なフルコースまでいろいろ食べてきたと書きました。
今度は高級な方を・・・。
ホテルの中にも最上階57階に「ZK」という眺望が売りの高級レストランもあるのですが、ホテル直結の「あべのハルカス近鉄本店」まで行けば(16階で降り替え)、本当に数多くのレストランがあります。
タワー館12、13、14階には全部で何と44店、約2800もの席がありますし、地下2階には「あべの市場食堂」というファストフード系の店が集合、更には各階にカフェやティールームもあります。
そんな中、僕が気になったのが、「老舗から新進の店まで揃う、大人のリラックス空間」と銘打った「古今東西」というタイトルの14階に位置する「eo」(エ・オ)というレストランで(正式にはeの上にアクサングラーブが付いています)、更には「ベルナール・ロワゾー・スィニャテュール」という名前も付いている店です。
何やら難しそうな名前ですが、「ベルナール・ロワゾー」、僕はこの名前に反応してしまいました。
ベルナール・ロワゾーはバターを使ったこってりとしたフレンチからの脱却を目指し、ヌーヴェル・キュイジーヌの影響もうけながら、素材の味を引き出すことに重点を置いたフランスの名シェフ。
バターやクリーム、オイルなど排除し、肉などの焼き汁を水でデグラセしてソースを作った彼の料理を、自らキュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)と呼んだのでも知られています。
「スィニャテュール」は英語でいえばたぶんsignature、署名という意味のはず。
ということはベルナール・ロワゾー譲り(直系)の料理が食べられる店、そう思ったのです。
例えばベルナール・ロワゾーの名前を冠したフランスの「ル・ルレ・ベルナール・ロワゾー 」のようなレストランを思い浮かべたのです。
ホテルのコンシェルジュ経由で空き状況を聞いてもらうと、何と空いていると、直前でも予約可能でした。
ちょっと拍子抜け、普通こういうレストランは予約で一杯なものです。
あれ、評判悪いのかな?
コンシェルジュは「申し訳ございません、私は行ったことがないので」と・・・。
更にお客さんのフィードバックは?と重ねて聞いてみると、彼女、開業以来一度もこのレストランの予約を頼まれたことがないと言います。
あれっ、どうしたんだろう?何故?

とりあえず予約を取ってもらった後、部屋でPCを開いてみました。
それによるとオーナーシェフは「神戸北野ホテル」のGMにして総料理長の山口浩氏と・・・。
あぁ、丸の内の「イグレッグ・マルノウチ」の人だ・・・。
更に検索して、この店のことを調べてみます。
すると、僕がベルナール・ロワゾーという名前から直感したのとはだいぶ違う料理を出すレストランのようだったのです。
ここを見ると

     http://www.kubotacorp.co.jp/voice/idx_company_eo_4000.html

シェフは
「私がフランス人の師匠、ベルナール・ロワゾー氏から言われていたのは、『胃に残らずに想い出に残る料理を』ということでした。
私はそのフィロソフィーを受け継ぎ、日本でどう発展・伝承させていくかということを常に考えています。」
と言っています。
もう一つ見た

     http://ene.osakagas.co.jp/product/kitchen/casestudy/know_detail43.html

では、この店についての説明に
「テーマは、日本の美意識や感性とフレンチの技術を融合させること。
店名に冠されたベルナール・ロワゾーは、現代フレンチの扉を開いた偉大な料理人で、山口様が師事したグラン・シェフの名です。
その教えを基本に据え、さらに新しい道へ進もうとする姿勢に敬意を表します。
地元・大阪産をはじめ各地の食材を積極的に取り入れ、科学的な知見と最新の調理機器を駆使するなど、行く先に注目が集まります。」
とあります。
どうやらベルナール・ロワゾーの精神を受け継ぎ、フランスと日本を融合して、感性と科学に裏打ちされた斬新なフレンチが売りというレストランのようなのです。
予想と違った、でも、ま、良いか。
そういうのも食べてみたいですから。

「あべのハルカスダイニング」という12~14階の3フロアはお客さんで一杯、どの店も入り口に行列が出来ているほどでした。
でも、この「エ・オ」(ベルナール・ロワゾー・スィニャテュール)という店はひっそり。
思ったより小さな店で、オープンキッチンの、水玉のオブジェがPOPな、モダン・デザインの店でした。
雰囲気はエレガント・カジュアル?
キッチン・スタッフは黒Tシャツ。
お客の入りはこの一番混んでそうな時間で実際半分くらいでした。

どの人もお洒落で流行に敏感そうな人で、あけているアルコールも高級そうな雰囲気(下戸の僕にはよく分からない、笑)で、客単価は高そう。
流行のテーブルクロス無しの店です。
スタッフはいかにもプロっぽい人から、質問すると答えられない人まで・・・。
ディナーはAとBという2つのコースのみで、値段はそれぞれ税込で10260円と15120円。
Aの方でも10コースということで、大阪でいろいろ食べたい僕は、皿数の少ない安い方のAでお願いします。
簡単ですが、プリントしたメニューももらえます。
なおスタッフに聞くところによると「eo」は「Eloge de l’ombre」の略、日本語にすると「陰翳礼讃」という意味なんだそうです。
う~~ん、よく分からないような・・・。

ガラスの球体に乗って出てきた第1の皿で、この店の料理の傾向がはっきり分かった様な気がしました。
なるほどこういうタイプの料理ですか。
一番上は吉野葛のオブラートにシークァーサーなどのパウダーを添えたもの。

その下に中にパイナップルの入った黒豚のリエットに、パイナップル味の皮、これをこういう風に包んで食べるんだそうです。

次のはもっと革新的です。
炭酸水の中に入って出てくる赤ワインと葡萄の2層のゼリー。
炭酸水は飲みませんが、軽い味付けにペッパーオイルがたらされます。
いまいちピンとこなかったこれら2品に続いて、3品目のガスパチョは美味しかったです。
えっ、これがガスパチョ?
そうなんです、ここのはこの季節に合わせて、凍っているガスパチョなのです。
かき氷のイメージなんでしょうか。
緑の部分は胡瓜のエスプーマ(泡)です。
エディブル・フラワーもきれい。
これに試験管に入ったトリュフオイルに野菜を混ぜたものをかけていただきます。

これは見ても食べてもOK、いかにも夏らしい逸品でした。
パンは数種類、これは胡桃のパン。
あとはグラハム粉のパン、ブリオッシュ・・・。
出来は特別感はありません。
バターはアオサ入りのバター。

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