僕はまだ香港に着いてたったの7時間くらい、この辺を歩いていると、もう何日もここ香港に滞在しているかのような気がします。
僕が朝飯の場所に選んだ「蓮香楼」を一言で言うならば、「昔ながらの雰囲気」、これに尽きると思います。
昔は、この「蓮香楼」のようなスタイルがごく当たり前だったのですが、周りの多くの店が経済の発展によって、よりモダンなスタイルのお店に生まれ変わっていきました。
そんな中にあって、「蓮香楼」は他では見られなくなってしまった「昔ながらの雰囲気」を後世に伝えていくことに強いこだわりを持っているのだそうです。
だから、建物にも食器にも、どこか古めかしさを感じるのは確かですが、僕も含めてそれらに惹きつけられる人が相当数いるということは、この早朝からの満員ぶりで充分にお分かりでしょう。
朝は6時からの営業、客席はすべて相席。
この雰囲気、テーブルの上の状態を見て眉をひそめる人は、高級路線の「陸羽茶室」に行ってください(笑)。
まず、ここでは店に着いても誰も席などに案内してくれません。
自分で空いている席に割り込むのです。
常連のおじさんたちの新聞を読みながらの鋭い横目を一身に浴びながら・・・です。
ちょっと勇気が要ります。
でもその一瞬の後は、彼らはもう我関せず、自分の世界に没頭し始めます。
では、テーブルの上を見てください。
茶碗や箸を洗う茶碗もここならではですし、店のロゴの入った茶碗も独特、つまりは古いスタイルということです。
茶葉を入れた茶碗の隙間から、お茶をまた別の茶碗に注いで飲みます。
大きい急須はジャスミン茶用です。
こういうことも誰も教えてくれるわけではありません。
自分でやらなくてはいけません。
白い上っ張りのおじさんが大きいやかんからお湯をついて回ります。
あぁ、オールド・ホンコンの気分にたっぷり浸れますよ~。
飲茶のカートから遠い席に座ったときには、こちらから蒸篭を取りに行かなければなりません。
普通の観光客の行く飲茶レストランからしたら、随分違うところがあります。
でも・・・です。
ここの飲茶は大きくて、安くて、美味しいのです。
叉焼包も、この豚肉も美味しい・・・味付けはホテルなどの外国人もOKのスタンダードなものよりわずか中華フレーヴァーが強いですが、そこがまた何ともGOOOOD。
この粽も大きくて、何より包んである蓮の葉の匂いの何と芳しいこと・・・この店の思い出に、店の名前にぴったりなこのご飯もので、香港第1食めを締めました。
この3品とお茶代で54ドル(日本円にして640円くらい)。
安~い!美味しい!そしてオールド香港ムードたっ~ぷり。
今回の香港・マカオの旅、「食」のほうはまずまずのスタートのようです。