湿度もさることながら気温がどんどん上昇、直射日光が容赦なく照りつける午前10時過ぎ、僕らツアー一行は、ガイドに連れられ「アンコール・トム」の第二回廊から中央祠堂に入っていきます。
アンコール遺跡はどこもそうですが、不安定な足元、急な階段が多く、それにこの時期、僕らのように大挙して押しかける日本人・韓国人観光客の多さで、狭いところはかなりな順番待ちになります。
(なのでこの時期、どこにカメラを向けても観光客が沢山写り込んでしまいます。
でも少しカメラの位置をずらせば・・・こうなりますが、実際は本当に人、人、人・・・でしたよ)
ここには「アンコール・ワット」と違い、このような外光の入らない地下のような場所も多かったです。
(本当はこういうところの方が興味あったりして・・・)
そしてここ、あまりにも有名な第二層の中央祠堂を囲む16基の尖塔です。
その頂部に刻まれた50を越す、それぞれ微妙に違った表情を持つ四面仏が、大乗仏教の仏陀による人々の救済という宇宙観を具現しています。
上の写真では少なくても5つの菩薩の顔を見ることが出来ます。
菩薩の慈悲に満ちた暖かい眼差しが心に沁みます。
「京唄子」に似てるなんて言っては駄目ですよ(笑)。
ここが一番有名なカメラ・ポイントでしょうか。
中央祠洞を見上げてみます。
12世紀の初頭に出来た「アンコール・ワット」、それに遅れること約半世紀の「アンコール・トム」、その両者とも今からわずか150年前にはその存在を知る人は誰もいなかったのです。
何百年もカンボジアの密林の中にひっそりと・・・ものすごいロマンとミステリーの世界です。
何か良く分からない迫力と癒しを同時に感じます。
もう一度一番有名な菩薩像を・・・カンボジアの200リエル札にも描かれています。
帰りは北門から。
この仏陀像は後世の物だそうです。
出来れば、ぜひもう一度人の少ない時にゆっくり見て回りたい、そんな気になる「アンコール・トム」でした。
「バイヨン寺院」の後は、「パプーオン」、「ピミアナカス」、「王宮」、「北クリアン」、「プリア・ピトゥ」は残念ながらパス、有名なこの「象のテラス」は歩きながら、三島由紀夫で有名な「ライ王のテラス」に至っては遠くから一目状態でした。
ツアーの宿命ですね。
僕らは、この後「タ・ケウ」を車窓から見て、「タ・プローム」まで足を延ばして、昼前にツアーを終える駆け足ツアーなのです。