「フォーシーズンズ・ホテル・ボストン」にチェックイン、部屋を一通り見た後で、僕がしたのはコンシェルジュに僕のスーツケースの件を相談すること。
重厚なカウンターの中には、いかにも頼りになりそうなコンシェルジュが3人も・・・。
その中で一番早く僕に気づき挨拶してくれた男性に、これまでの経過を説明。
「アメリカン航空」のカウンターで作ってもらった事故証明書(Checked article damage notice)、担当者の名前・電話番号・メールアドレスなどを提示、FEDEXの宅配便で朝の6時だか8時までに「ヒルトン」に届くはずになっているのがまだ受け取れていないこと、FEDEXのトラッキング・ナンバーは聞きそびれたこと・・・。
要点を書きとめながら僕の話をじっと聞いていたコンシェルジュ氏(きっと僕の話し方は相当イライラしたものだったに違いありません、それをなだめるように)
「分かりました。全力を尽くしてやってみます、お任せください」
と。
何という自信に溢れた、人を安心させる言葉!
困っているものには、まさに救いの神の声を聞いた気がしました(本当です)。
「これから何かご予定がありますか?外出されますか?」
もちろん僕にはこの午後にもやりたいことは山ほどあります。
それを言うと、彼
「分かりました。全権を私に委任していただけますか?多少の費用がかかってもご了承いただけますか?」
もちろんです。
明日の朝にはボストンを出てニューヨークに向かうのです。
もしボストンでスーツケースを受け取れなかったら、どんどん事態は難しくなってくる・・・僕の答えは「もちろんOK。ぜひともよろしく」以外の何物でもありません。
立ち去ろうとする僕に
「お帰りになれたら、こちらにお寄りください。
もちろん何か進展があれば逐一ヴォイスメールに入れておきます。」
何という対応、きっと彼はこれまで何百回とこうしたトラブルを手がけてきたのでしょう。
時間は午後の3時半過ぎ、「フォーシーズンズ・ホテル・ボストン」真前の「パブリック・ガーデン」を突っ切って、ショッピング街の「ニューベリー通り」(Newberry Street)に急ぎます。
「パブリック・ガーデン」は1837年、「バックベイ」地区の埋め立て計画の際に作られた公園で、美しい花々や樹木が植えられ、ボストニアンの心を和ませ続けてくれているところ。
チューリップの開花は春の訪れとして、そしてこの「スワンボート」(Swan boat)は夏の風物詩として、ボストンには欠かせないものなんだそうです。
こういう公園・緑が街の真ん中にあるなんて素敵ですね。
この日は土曜日とあって人出も多かったですが、日本ほど混んでいないのがまた嬉しかったです。
「アーリントン通り」(Arlington Street)と「コモンウェルス通り」(Commonwealth Street)が交差するゲート近くには馬に乗った「ジョージ・ワシントン」(George Washington)の像が・・・。
そしてボストン一ファッショナブルな「ニューベリー通り」に入ります。
通りには19世紀のイギリスの面影を残すシックな赤レンガの建物が連なり、ブランド・ショップ、アンティーク・ショップ、ギャラリー、レストラン、カフェなどが軒を連ねています。
何度も書いているようにこの日のボストンは「ノータックス・ウィークエンド」、僕も主にお土産としてですが、結構高価なものを買いあさってしまいました。
ちなみに一番混んでいたのは「マーク・ジェイコブス」(Marc Jacobs)と「マーク・バイ・マーク・ジェイコブス」(Marc by Marc Jacobs)。
女性の方は良くご存知かと思うのですが、このブランドはとにかく商品の数が半端でなく、毎年新作が出るので、「探すもの」泣かせです。
家族に頼まれたバッグが在庫切れだったので、僕はニューヨークでもまたこのブランドの店が集結する「ブリーカー通り」(Bleecker Street)まで出かける羽目になりました。
裏通りにはこんな教会が突然現れたり・・・
こんな住宅街が並んでいたり・・・
「新」と「旧」が程よく混じりあい、緑も多いボストンは、本当に良さそうな街でした。
(ま、実際に住んでみると、また違う面も見えてくるのかもしれませんが・・・)