極超短期香港旅行報告 太湖海鮮城 美都餐室

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太湖海鮮城

・・・ということで、この深夜3時まで営業している「太湖海鮮城」に着いたのが、なんと午前1時ちょっと前、日本時間なら午前2時前というとんでもない時間(笑)。
滞在時間が短いので、1食でも多く香港の味に接したいという思い(食いしん坊!)から、この時間でもやっている店、ホテルから近い店、それなりに評判の店などで検索してたどり着いたのがこのレストラン・・・香港料理大賞を何度も受賞しているこの店で遅い夜食をとろうという計画の実行です。
お腹の準備はOK。
そのために機内食だって味見程度に我慢したんですから(笑)。

場所は地下鉄「佐敦(ジョーダン)駅」から歩いて約5分、地元の人たちでにぎわう山林道沿いにあります。
ホテルからはタクシーで基本料金以内(HK$15)の近さです。
市の中心地でありながら、観光客の行動半径からわずかに外れているためか、値段も低価格で新鮮な海鮮料理が楽しめるとあって、この時間になっても店内はかなりなにぎわいです。
英語の通用度はイマイチですが、メニューには写真と英語、一部には日本語表記もあり、オーダーには困りません。

このレストランは海鮮だけではなく、創作広東料理でも評判が高く、毎年行われる香港料理大賞の超常連。
今日は過去の入賞作を中心に少量ずつ一人でも楽しめる「BEST OF THE BEST CULINARY AWARDS」とかいうコースにしてみました。
もちろんこのコース、値段によってもっと品数の多いコースもいろいろあります。
まず、蟹肉、蟹みそ、イシモチの胃袋などが入ったふかひれのスープ。
上湯の味は上品、全体にそれほど濃厚ではないので、一人前というにはかなり多い量のスープも充分完食できます。

これは2004年度の料理対象最優秀金賞に輝く「蟹の卵炒めとエビ入りの塩卵」です。
要は中華には珍しく卵をメインに使った料理で、フワフワのスクランブルエッグに蟹の卵、揚げたプリプリの大エビの中に塩漬けの卵・・・食感の違いと、塩味の多彩さを楽しめます。

これは「クリスピー牛肉の煮込み」という、これまた最優秀金賞受賞作品です。
クリスピーでいてジューシーという一見相反する感覚が、本当に同時に味わえる、そして美味しさも充分・・・という驚きの一皿です。
一皿一皿が小盛りなので、どんどんイケちゃいます(笑)。

活アワビと貝柱、野菜の炒め物。
小さいけどアワビもちょうど良い歯ざわりだし、こういう炒め物は中華は最高ですね。
中に入っている生姜の存在も美味さの秘訣のようです。

締めにはチャーハン。
細切りの白身魚が載っていて、ソースもフィッシュソース。
ここでも生姜の使い方が上手で、魚臭さが全くなく、ご飯も最高にパラパラ・・・これも美味しく完食出来ました。

シンプルに見える料理でも相当に手が込んでいて、「豪快に・・」系と「エレガント」系のちょうど中間に位置する、素材の良さがよく分かる料理だったと思います。
深夜の2時にこうした料理が食べられる香港はさすが・・・・食都と言えるでしょう。
最後のデザートは嫌いなものだったので(笑)、隣の人が食べていた小豆のお汁粉に変えてもらいました。
中には蓮の実なども入っていて、甘すぎずさっぱり、見た目より美味しくコースを締めることができました。

パンパンになったお腹をさす利ながら、なんとホテルまで歩いて帰りました
約15分くらいでした。
深夜2時半過ぎというのにまだまだ人通りもあるところが多く、一部ホテルの近くのビルばかりの真っ暗けゾーンも、お腹一杯の幸せ感に危機管理意識は最高に鈍っていました(笑)。
就寝は深夜3時過ぎ、日本時間で朝の4時過ぎ・・・という香港初日でした。

美都餐室

短い旅行と自覚しているせいか、旅先の興奮か・・・・以外に早く目覚めてしまいました。
電動のカーテンを開けると、この景色。
ハーバービュールームでのこうした「気持ちよさ」は格別ですね。
やや曇りがちなのも、寝ぼけ眼にはやさしかったです。
「ニッコー・フロア」といういわゆるエグゼクティブ・フロアにアップグレードされたので、当然「ニッコー・ラウンジ」と呼ばれるラウンジも使えるだろうと、ホテルの最上階に陣取るラウンジに出かけてみると、「お部屋がアップグレードされただけ。貴方はこのラウンジは使えません」との冷たいお言葉。
じゃ、朝食は外に出て食べましょう・・・どこか香港らしいところへ・・・。
地図でも見ながら今日の予定をと、ラウンジの奥にある屋上プールに行ってみます。
香港といえども、今は11月。
あいにくの曇り空とあいまって、このプールサイドはどうも居心地は良くなさそうです。
第一、景色もよくない。

歩きながら考えよう・・・と、一階まで降りて、エレベーターホールやロビーをパチリ。
昨夜の印象通り、一昔前の豪華ホテル(笑)って雰囲気がプンプンです。
外に出てみます。
やはり雲が多く・・・・う~~ん、せっかくベストシーズンの香港に来たのに・・・・ホテル玄関もこんな感じに写ってしまいます。
目の前は日本人観光客御用達のDUTY FREE SHOPPERS、朝の8時から空いています。
でも僕には用はないところ。素通りです。
ホテルから出るバスに乗ってペニンシュラホテルまで。
歩いても15分くらいですが、疲れるのもイヤなので、このホテル・バスを利用しました。

ペニンシュラ・ホテルのロビーを抜けてMRT(地下鉄)の駅に向かいます。
香港のペニンシュラのロビーは、なんともグランドです。
日本のペニンシュラのような「こじんまり」感など微塵も感じさせません。
素晴らしい存在感です。
僕の泊まっている日航とは格が違います。

さあ、どこに行こう・・・どこで朝を食べよう・・・とりあえずMRTに乗ってみます。
昨日買ったパスのおかげで、MRTは乗り放題です。
SUICAと同じで、入り口でカードをタッチさせるだけでスイスイ乗れちゃいます。
切符を買う手間が要らないので、本当に便利でした。
で、思いついたのかここ佐敦(ジョーダン)にある「美都餐室」(MIDO CAFE)です。
あそこなら朝からやってるはず・・・・。

やってました、そして、まだ存在していました。
この歴史的なカフェ、実にレトロな外観と、愛想が良くて英語がネイティブなオニーさん(もうオジさんか?)は、まだまだ天后廟(ティンハオミュー)の近くで営業中でした。

奥にたむろってるオジイさん達も、ほんと昔と変わりません。
ただ違うのは昔は麻雀のようなゲームをしながらお茶をいつまでも飲んでいたのに、今は携帯をいじりながら・・・に変わったことくらいですか。
オーダーは、香港に来たのですから、なんと言ってもこの鴛鴦茶(インヨンチャ)。

コーヒーと紅茶のミックスという香港にしかない飲み物。
多めの練乳が入っているのも香港スタイル。
思ったよりサッパリしていて、僕はこれを飲むと、「あぁ、香港に来たな」って気になれるドリンクです。
そしてこの店、排骨飯も有名ですが、僕的にはなんといっても超昔スタイルで作られるこのフレンチト-ストが一押しです。

体に悪そうでしょ(笑)?
ホテル・オークラの「カメリア・コーナー」のシェフが見たら卒倒しちゃいそうなフレンチ・トースト・・・あくまで油っぽく、あくまで牛乳臭く、あくまで甘~く・・・・昭和初期とかには日本でもこういうのがフレンチト-ストだったのでしょう。
ちなみに香港では「煎西多士」と書きます、フレンチトーストは。
半分はとても美味しく食べられます・・・もう半分は・・・残します(笑)。
この二つで日本円で400円ちょっと、です。
食後には、近くの中華デパート「裕華国貨」によります。
このチェーンの本店がこの佐敦にあるのです。

地下一階の食品売り場です。
この雰囲気もたまりません。
匂いも独特、売られているものも中国製ばかり・・・そして値段が安~~~い。
茶葉を少し買いました。
安いパック詰めと、やや高めのを量り売りで。
こんな風で、午前中は過ぎていきますが、僕の怒涛の香港食体験・・・・まだまだすごくなっていきますよ。

東海海鮮酒家

軽い朝食の後、佐敦から尖沙咀方面にぶらぶら歩きです。
まだ開いていない店も多く、下町の佐敦はやはり夜歩きがベストなのでしょうか。
ブランド街もとりあえず覗いてみますが、冬のバーゲンにはまだ早く、僕には「お呼びじゃない」値段のオン・パレード、さっさと退散です。
で、この後今回の旅が急展開。
詳しくは書けないのですが、帰国日がなんと1日延びたのです。
ま、ヒントは航空会社の都合です。
早速国際電話・・・・いくつもあったアポをキャンセル、会議も欠席・・・・・要は僕個人、内心ではもう少し香港にいたかったわけです。
いろいろなところに貸しを作ったり、借りが出来たり・・・後の帳尻あわせが大変でしたけど・・・ちょっとしたアクシデントに便乗しちゃった形です。
約40分ですべての予約の変更を完了、なんと自力で本日分のホテルまで抑えてしまいました(今回は宿泊代は自分持ち)。
こういう時の頼みは自分が最上級会員になっているホテル・チェーンしかありません。
はい、あっさりOKになりました。
しかもポイント利用の無料宿泊ルームが空いていたのです。
どこ?(笑)
後で書いていきます。
そんなこんなで、もうチェックアウトしなくてはいけない午後1時に近づいてきてしまいました。
手早く荷造り、ベルに荷物を預けて、お楽しみの昼食に。
時間が出来た上に、この時期香港に来たのだから、やはりここは蟹しかないでしょう・・・ということで、チェックアウトしたホテルから歩いてすぐの上海蟹専門レストラン、香港に9店舗の支店を展開する東海グループ、東海海鮮酒家の尖東東海店に向かったのです。

東海海鮮酒家は1983年創業、数ある香港のレストラングループの中でも比較的大規模で、24年の歴史があるレストランです。
香港島の有名な海都海鮮酒家も同じ系列です。
ガイドブックにもよく載っているので、日本人の間でも有名なレストランだと思いますが、実は“上海蟹の専門レストラン”ということを知っている人は少ないかもしれません。
東海海鮮酒家では夏は黄油蟹、秋はこの上海蟹を売りにしてメニューやコースを組んでいるので、ここにしたのです。

もう店は入り口から中央のこうしたディスプレイまで上海蟹のオンパレードです。
小さいのは一つ1300~1400円、大きいほうは5000円と日本に比べるとかなり安い値付け。
それにここなら絶対本物の上海蟹、偽者ということがないのも旅行者にはうれしいことです。

上海蟹といえば、最も有名な生産地は陽澄湖のもの。
香港で売られている上海蟹はこの”陽澄湖産”を謳うものが多いのですが、実は95%がニセモノとのことなのです。
本当の陽澄湖産の蟹は香港内では数店の専門直売店と、一部のレストランでしか扱っていないというのが現状で、この東海海鮮酒家こそが、その数少ないレストランなのです。
もうお皿までこの時期特製のもの、上海蟹の絵が目にしみます。

まず、シメジのコリコリした食感が楽しめる蟹ミソたっぷりのスープ、からオーダーします。
中華~~ってムードに引き込まれる美味さです。

これは普通の点心メニューから海老餃子。
プリプリの海老の食感は、やはり中華圏ならでは・・・高級店らしく海老の使い方に惜しげがありません。

次のこれ!これは絶品でした。
この時期だけ味わえる上海蟹ミソ入りの小龍包。
蟹ミソの旨みが凝縮されたスープがジュワっと・・・、もう感激の一品というしかありません。


選んだ蟹が蒸しあがってきました。

ミソもこのようにたっぷりです!
特にこの時期(11月ごろ)の雄蟹は黄色いミソの他に、白いミソも豊富に抱えているので、それがたまらなく美味しいのです。
東海では雄蟹だけを限定して提供しているとのことです。

こちらが食べるのが下手と見るや、黒服さんが懇切丁寧に蟹をさばいてくれます。
細かいところまで実を出して皿に盛ってくれます。
僕は蟹用の黒酢に付けて、口に運ぶだけ。
王様気分です(笑)。

最後は熱い蒸しタオルで蟹の匂いを消してお会計・・・と思ったら、「これ食べて、オマケ」と何と日本語で言うではありませんか。
デザートのようです。

白玉入りジンジャーティーでした。
白玉の中にはとろ~りゴマ餡入り、ジンジャーティーの生姜も効いています。
なんでも、上海蟹は食べると身体を冷やすと言われていることから、香港では蟹料理の後は必ず身体を温める効果のあるジンジャーティーを飲む習慣があるんだそうです。
これだけ食べて(蟹は2杯)お会計は日本円で5000円行きません。
本当にご馳走様でした!
堪能しましたよ。

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