雨の日はピンデトック

スポンサーリンク

いつもならソウルに着くまでの詳細(空港チェックイン、ラウンジ、機内、機内食、到着、ホテルまでの交通機関、ホテルのチェックイン、部屋の様子・・・・)を報告してから、こうした「食べ歩き」レポートを開始するのですが、今回は焼肉つながりで、新宿と今回のソウルの焼肉屋を続けて取り上げてしまったので、もう一つ「食べ物」の話題に触れてから、通常のスタイルに戻りたいと思います。
ホテルにチェックイン、エグゼクティブ・ラウンジで一息入れながら「さぁ、これからどうしよう?」・・・ほとんど下準備をしないでソウルに来てしまったので、ラウンジのレセプションにいた男性と相談がてら、しばし雑談。
彼の口から夕食のお勧めを聞いてみます。
でも出てくる名前は、本当に誰でもが知っていそうなポピュラーなものやお店ばかり。
「僕はもっとジモティーな店(笑)に行きたいんだ」とアピールすると、彼が独り言のように
「雨の日はピンデトッ(ク)だよね」と・・・。
何?ピンデトッ(ク)?
(最後の「ク」は聞こえるか聞こえないくらいの音)
どうして雨の日に?

ピンデトッ(ク)なんて知らな~い?って言われそうですが、皆さん韓国料理のチヂミはご存じですよね?
ま、「韓国のお好み焼き」とでも言いますか。
そんなチヂミの中で一番有名なのがパジョン。
パジョンは粉に小麦粉を使いますが、ピンデトッ(ク)は緑豆(ノクトゥ)をひいて焼くんです。
これを焼く音が雨音に似ているために、韓国では雨の降る日には、マッコリ(どぶろく)やドンドン酒を片手にこのピンデトッ(ク)を食べたくなる・・・ということなんだそうです。
それじゃ、日本人の僕も・・・と向かった先は、「鍾路ピンデトッ(ク)」という名前なのに(「鍾路」は地名)明洞にある専門店です。
ここを選んだ理由はただ一つ、この辺に土地勘があるから・・・世宗(セジョン)ホテルの裏の辺り、明洞の繁華街のはずれにあたります。
周りは日本語の看板が大きく出ている観光客御用達の高級店(?)が店を連ねていますが、この店だけはこんなに下町風(笑)。
何でこんなところにこんな店が・・・って感じです(笑)。
店頭ではアジュマが、ピンデトッ(ク)やパジョンを焼き続けています。
お客の注文を裁き、愛想を振りまき、会計をし、チヂミを焼いて・・・こんなによく動いてしゃべりまくるアジュマは見たことがないってくらい、すごいアジュマです。

雨交じりなので、さすがの明洞も人は少なめ、周りの店は結構ガラガラなのに、ここだけは店の外にまで客が溢れています。
ほとんどがスーツ姿のサラリーマン、皆さんピンデトッ(ク)を食べながら飲む飲む飲む・・・(笑)。
僕のところにも運ばれてきました。
具は色々選べますが、これが一番普通のヘムル(海鮮)ピンデトッ(ク)です。

で、この100%緑豆を使って焼き上げたピンデトッ(ク)、食べた食感が、パリッと焼けた外側と、パジョンで使われる小麦と違ってパラパラした生地でいてとてもフワっとした中の感覚が特徴と言えると思います。
緑豆を使っていることから、油を多用して焼いているにもかかわらずヘルシーな料理と捉えられていて、韓国のウェルビーイング思想とも一致しているようです。
味もあっさりしていて日本人好みの豆お好み焼き?
ソースには生の玉ねぎが入っていて、ソースを付けて玉ねぎを一片を一緒に口に入れるとこれまたおいしいのです。
キムチなどバンチャン付き2枚セットで10000ウォン、日本円にして720円くらいでした。
人懐っこいアジュマと、「外はカリッ、中はフワッ」のピンデトッ(ク)、雨の日には(?)韓国人でなくても、満足できました(笑)。
ただ油っぽさが気になる人は、1枚の半分でやめておきましょう。

ピンデトッ(ク)はもちろん1人前(2枚)は食べません。
作ってくれたアジュマには悪いですが、もっと色々なものを食べたい食いしん坊の僕です。
雨の合間を縫って、明洞をうろつきます。
来たことがある通り、知らなかった路地・・・でも見事なまでのハングルの洪水に、裏通りに行けば行くほど、何かなんだか分からなくなってしまいます(笑)。
この行動は安全度の高いソウルの繁華街だからこそ出来ることであって、いくら大都市であってもマニラやジャカルタではこんなことはしません。
で、とある小道を入っていくと漢字で「群山」の字が店内に見える大きなお店の前に・・・。
「群山」?
聞き覚えがあるなぁ・・・としばし考えていると、店から出てくる日本人客。
「美味しかったね」と幸せそうな話し声。
あ、そうか、ここは「クンサンオジオ」だ。
勇気を出して店の人に聞いてみると確かにそう。
これ以上雨にぬれるのも・・・と思って、今日の締めに(笑)この店に入ります。
ここで「あるメニュー」が気になっていたということもあるので・・・。
客の入りは半分くらい。
その半分以上が日本人客、でも僕の隣は韓国人グループでヘルムタン(海鮮鍋)を囲んでワイワイにぎやかに・・・。
店の選択が間違ってませんように・・・(心で祈ります)。
で、壁にもメニューにもカンジャンケジャンが大きく「名物」と取り上げられています。
(壁のほうはハングルで・・・)
じゃ、やっぱりケジャンから行きましょう・・ということで、これです。

新鮮な生の渡り蟹をそのまま醤油漬けにしたカンジャンケジャン。
出てきたケジャンはカニミソと卵がしっかり入ってます。
まるごと出てくるので、店員さんが大きなハサミで食べやすく切ってくれます。
もちろん、そのままワイルドにかぶり付きます。
最初は中身を吸い込むように・・・するとトロ~リ半透明の身がお口の中でとろけます。
もちろん蟹の味が濃い足の身も箸でしっかり取り出して食べるますが、脚を持ってあのミソの部分を吸ったときの、あの得も言われぬ「ねっとり感」がすべてのような気もします。

そしてカンジャンケジャンといえば、味付け醤油によく漬かったたっぷりカニミソ入りの甲羅にご飯と海苔を加え、ごま油をかけて混ぜ混ぜしていただく甲羅ご飯がなんと言っても美味しいですよね。
店員さんがご飯に漬け醤油とごま油、海苔を混ぜたものと、甲羅の中にご飯を入れカニミソと内子をかけたものの二種類を作ってくれます。

とても親切な笑顔の可愛い女の子が付きっ切りでケジャンをさばいてくれます。

去年行った「プロ・カンジャンケジャン」のケジャンに比べると醤油味が薄め、全体に淡白系です。
去年のは本当にすべてに「濃~い」感じでした。
好みの問題でしょうが、去年のが4★半、ここのは4★って評価です。
でもこの味、日本ではなかなか試せませんから、ソウルに来る人にはMUSTな食体験なんではないでしょうか。
もうお腹もだいぶ一杯気味ですが、この店で僕がぜひ試したいと思っていた「オサムトゥブポッサムキムチ」もオーダーします。
絶対食べきれないと思いましたが、何か美味しい予感がする料理なのです。
この料理、ご覧のようにこの店の名物であるオジンオ(イカ)と豚の三枚肉、そして豆腐とポッサムキムチをサンチュの葉に来るんで、一緒に食べちゃおうというものなんです。
日本でこの記事を見た時には直感的に「美味しそう」と思いましたが、実際のところは、う~~ん四位一体(笑)となってそれ以上の味にはなってくれませんでした。
売り物のイカは柔らかく、肉もまずまず、特におかずとして出てくるキムチとは大違いの素晴らしく濃厚なポッサムキムチも最高で・・・でもそれらを合わせると「もっと」を期待していたのですが・・・。
この2皿と飲み物で55000ウォン(日本円にして3900円くらい)、高価ですが、当然これ2~3人分の分量ですから、やはりここでもウォン安の恩恵にあずかることが出来ました。
高級店らしくカード払いOKでした。
満腹になったおなかをさすりながら(笑)タクシーへ。
明洞からは、約6~7分でミレニアム・ソウル・ヒルトンに到着です。
これで風呂に入って寝る?
い~~~え、寝ません。
まだカジノがあります(笑)。

タイトルとURLをコピーしました