秋のファイン・ダイニング、「ナリサワ」でランチ (2)

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友人とやってきた青山の「ナリサワ」。
食前酒には苺を使ったものを・・・。
この時期に苺?
苺と聞くと春のイメージですが、これは北海道産の苺と・・・。
何でもエランという品種のもの。
苺は寒暖の差が大きいと糖度が高くなると言われていて、春のものに比べると実の大きさは小ぶりだけれど、秋の北海道の朝晩と日中の寒暖の差のおかげで、この苺は本当に美味しいのだとか・・・。
確かに・・・、でもこの時期に苺を味わうのは不思議な気分です。

「ナリサワ」の料理はコース仕立てのみ、昼の時間には2種類のコースが用意されていて、そのうちの一つはディナー時と同じもの。
食前酒やサイドテーブルでのパン作りの実演に続いて、さぁ、今日のコースの始まりです。
コースにはタイトルが付いていて、「森と共に生きる」(Evolve with the forest)というものだそう・・・。
すごいタイトルですがシェフの料理に対する常々の姿勢らしく、詳しくは店のウェブ

     http://www.narisawa-yoshihiro.com/jp/narisawa.html

のシェフのプロフィールを参照してください。
サスティナビリティとガストロノミーの融合をテーマに自然保護に関わる料理を提供している、とあリます。
僕には言葉だけでは難しすぎて良く分かりませんが・・・。
その「森に生きる」と書いてあるメニュー、これがまたかなり抽象的で、しかも料理は書いてある順番には出てきません。

パン作りの実演でびっくりしたところに、更に驚くのが最初の皿、何と水と真っ黒なもの、ま、メニューには炭とだけ書かれたものが登場します。
まずは水の方、何でも楢の木などを鉋で削ってそれを浸した水と・・・確かに口に含むと木の香り、森の香りが鼻孔を駆け抜けて行きます。
テーマに沿ったGOOD START?
でも、ま、水と言えば水です、これ。
ウェイトレスは「森のエッセンス」と呼んでいましたが・・・。
そしてこの真黒なものの正体は玉葱のフリット。
外に玉葱を焦がし炭化させたパウダーを纏わせた、そう、炭を調味料の一つと考えたかのような、中は甘く柔らかにほっこり仕上がった玉葱。
これは美味しい、玉葱のホロっと感と甘味は最高でした。
周りの炭も中とは違った玉葱感(?)をしっかり感じさせるもので、炭から連想させる苦さなどはみじんもありません。

この頃には石臼から良い匂いが・・・。
そう、自家製パンが約12分で焼きあがったようです。

出来たて熱々。
ほのかに柚子の香り。

木の皿の上にパンが移され、バターも運ばれてきます。

これがまた芸術的なバター。
バターそのものも美味しいバターですが、周囲を刻んだ黒オリーブやパセリで囲み、苔を模してあります。
いかにもテーマの「森と共に生きる」に沿った凝ったもの。
パンは別にちゃんと厨房で焼かれた別のものが出るので、この自家製パンはちょっとパフォーマンス的。
もちもち感があってこれはこれで美味しく焼けていますが・・・。
さ、そろそろ料理が本格的に始まりそうです。
まずは個性的な容器で運ばれてきた「里海からの贈り物」と題された数品のうちの最初のもので、ウニをフューチャーしたもの。

野菜のジュレに、たぶん酢橘だと思うエスプーマが、ウニと抜群の相性で、そのプレゼンテーションの美しさと共に目と口を幸せにしてくれました。

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