今日のスイーツは羽二重団子

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「行きませう。
上野にしますか。
芋坂へ行って団子を食いましょうか。
先生あすこの団子を食ったことがありますか。
奥さん一辺行って食って御覧。
柔らかくて安いです。
酒も飲ませます。」
の羽二重団子。
ご存知、夏目漱石の「吾輩は猫である」からの一節です。
もう若い人には「羽二重」(はぶたえ)と言っても分からないでしょうね。
僕の世代でも男性ならぎりぎりな言葉です。
羽二重とは、平織りと呼ばれる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる織り方で織られた織物の一種で、主に絹を使ったもの。
通常の平織りが緯糸と同じ太さの経糸1本で織るのに対して、羽二重は経糸を細い2本にして織るために、柔らかく軽く光沢のある布となります。
白く風合いがとても良いことから、和服の裏地として最高級であり、礼装にも用いられます。
日本を代表する絹織物であり「絹の良さは羽二重に始まり羽二重に終わる」とまで言われているそうです。
つまり羽二重のようにきめの細かい団子という意味でしょう、文政2年から根岸は音無川のほとりの芋坂で売られているこの団子。
日暮里まで行くか、デパ地下で時々見るくらいで、有名な和スイーツですが、なかなか口にするチャンスは少ないのです。
僕の好みは生醤油の焼き団子より、漉し餡の餡団子の方。
羽二重という言葉がいかにもぴったりの、粘りがある割にシコシコっとした歯触りの餅と滑らかな餡の絡み具合が最高の餡団子でした。

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