東京に来られる僕の先輩であり友人である「まっつん」先生のために、ホテル探しを手伝ったことは前に書きました。
彼の3万円以下で・・・という希望にはわずかに届きませんでしたが、あの「ザ・ペニンシュラ東京」が1泊税サ込みで33495円という驚異の低価格レート(reduced rate)を見つけたので、それを彼に薦めたのです。
もちろん薦めただけじゃなくて、僕もしっかり部屋の中を見せてもらってきましたので、ここに報告を・・・。
このレートは某大手ネット予約サイトのお得意様限定「Summer in winter」というプランです。
この値段も、いくら昨今の世界的経済状況の低迷のためとは言え相当衝撃的ですが、レストランの20%OFFとか、この夏の時期に「正規料金で1泊すると2泊目が無料」なんて特典もついているのです。
魅力的なプランでしょ?
ペニンシュラのホームページからも同じ名前のパッケージが予約できますが、それより安いんです、このプラン。ホテルの値段設定って本当に摩訶不思議ですよね。
で、このホテル、24階建てで部屋数は314室あるそうです。
香港のようにずらっというわけにはいきませんが、なにやら高そうな車が・・・(笑)。
充分なベルが配置されているエントランスを入ると、そこは以外に狭い空間。
両側がラウンジになっていて、有名なアフタヌーン・ティーなどはここでいただくのでしょう。
でも客のフロントなどへの動線と、客席が近過ぎるような気もします。
全体のデザインは、他のペニンシュラ・ホテルズに比べてとてもコンテンポラリー。
でも、どのディテールをとってみても、何だかとても凝っていて、良く分からないオブジェ(笑)も実に印象的かつ素敵です。
左側上方にはオーケストラ・ボックスらしいものも見えます。きっとここでクラシックやジャズが生演奏されるのでしょうね。
中央左奥に、こじんまりとしたレセプションがあります。
ここでチェック・インするのですが、レセプショニストの丁寧な説明では、僕が予約したこの超バーゲン価格の部屋は、いわゆるデラックスというカテゴリーなんだそうです。一番リーズナブルなスーペリア・ルームにドレス・ルームが付いて広くなっている部屋タイプですが、窓からのビューはどうしても周囲のビル・ビューになってしまうと・・・。
う~~~ん、ビル・ビューかぁ?(悩)
ここはロケーションから言っても、皇居や日比谷公園が見える部屋のほうが良いに決まっています。
レセペションの女性と相談・・・彼女の提案で、デラックスの上のデラックス・パークビュー(高層階)に5000円(プラス税・サ)の差額を支払うことでグレード変更をしていただきました。
もともとが超バーゲン価格だったので、差額を払っても、ものすごくリーズナブルな値段です。
3万円以下というまっつんの上限は更に超えてしまいましたが、そこは僕がかぶりましょう(笑)。
更に上のカテゴリーにはグランド・デラックス、デラックス・コーナーなどがあって、その上のスイートにも各種のタイプがあるとのことです。
いつかは・・・です(笑)。
レセプショニストが部屋まで案内してくれます。
このエレベーター・ホールもコンテンポラリーなエレガントさがあって、これは客室への期待が高まります。
そしてこの小窓から見えるホログラムのようなオブジェ、一体本物なのかヴァーチャルなものなのかホテルの人に聞くのを忘れました。
客室です。
お~~ぉ、良い感じ!
モダン・シック?・・・第1印象というのはとても大事ですが、ここは完全に◎です。
部屋の広さは軽く50へーベー以上はあるでしょう。
窓もとても大きく、とても天気の良い日だったこともあって、部屋全体がとても明るいのです。
大きめのソファのためでしょうか、ある種ジュニア・スイート感覚も生まれています。
ライティングなども最新、各種スイッチ類も機能的かつ使いやすくまとめられています。
やはりパークビュー・ルームにして良かったようです。
皇居を望む、実に開放的なビューが広がります。
御所の青い屋根もわずかですが、はっきり見えます。
僕のような初めての客にも、ちゃんとウェルカム・スイーツが置いてありました。
マロン・グラッセです。
まっつんは甘いものが苦手なので、僕がいただいちゃいました。
美味しいマロンでした。
部屋の中はどこも本当に質感が高く、豪華に作られています。
質感という点では多分、リッツ・カールトンよりもマンダリン・オリエンタルよりも上に行くでしょう。
ということは、東京一?
このドアなんて、天然木の削りだしのようです。
このオブジェはロビーの巨大なやつと同じ??なものですが、さすがに良く部屋には合ったデザインで、とても手の込んだものです。ハウス・キーピングの人も大変な客室だと思いました。
「ザ・ペニンシュラ東京」の客室は、どこもディテールにもこだわった上質の素材が使われた、実に良い仕上がりのものでした。
ワーク・デスク周りもほぼ完璧の体制。
PC接続、電話、各種スイッチ類・・・外気温まで表示されます。
ダイレクトリーなども上質な装丁で、まだとてもきれいです。
部屋にはエスプレッソ・マシーン(兼給湯器)が備わっていました。
スイート以外で、このタイプのものが付いているホテルは日本には他にあまりないのではないでしょうか。
もう、この辺もすごい品揃え。
それも質感の高いものばかりで揃えてあります。
バス・ルームはとても広く、印象的な作り。
特に中央の蛇口からお湯が出てくるのは、おっと思います。
日本やヨーロッパの温泉の蛇口などを模しているのでしょう。
最近の5★ホテルにあるバスルーム関連の設備はすべて、最良な形で備わっています。
バス・ローブはもう少し柔らかい方が好みかな・・・。
この辺の写真は、バスルーム・マニア諸氏に。
ここはペニンシュラが特に力を入れているであろうドレス・ルームです。
この広さと備品の品揃えは女性陣にかなりな人気を博していると聞きます。
同宿の人に見られずにお化粧も直せるし、各種物入れ用の引き出しも付いたクローゼットも兼ねていて、とても使い勝手が良さそうな部屋です。
靴磨きや新聞の受け取りを容易に出来るボックスも付いています。
ネイルを乾かす送風装置も付いているなど、デラックス以上の部屋に付いているこのペニンシュラのドレス・ルームは、これからの5★ホテルの部屋作りの新しい方向かもしれません。
スパ
「ザ・ペニンシュラ東京」の5~6階に位置する総面積 900 平米を誇るスパ・エリア、「ザ・ペニンシュラ スパ by ESPA」 は、ここにもいらしていただいているしんりゅうさんなどのスパ・スペシャリストにも一目置かれるスパなのでは、と想像できます。
僕は行っていませんが(行けませんが)トリートメント・ルームやフィットネスの他に、全長20メートルの温水プール、ジャグジーと、皇居外苑が一望できるバルコニーも設置されています。
わずか数席のこのバルコニー(とても狭いです)、季節になればもう奪い合い必至、大東京を実感しつつリラックスできる絶好の場所だと思います。
ジャグジーは大きいですが、座るところがパイプ製です。
椅子の置き方など相当詰まっているところもありますが、観葉植物なども効果的に置かれていて、気分を盛り上げてくれます。
そして、プール・エリアだけでも数人の人員が配置されていて、ゲスト一人一人に充分な配慮がなされるようです。
ゲストが全く誰もいなかったので、写真を撮らせてもらいました。
さて、ここペニンシュラには1階ロビー奥にも超の字の高級店が並んでいますが、個人的にはこの地下1階のペストリー・ショップが気になります。
まっつんが気を利かせてケーキを買ってきてくれましたが、ここはもちろん(生)マンゴ・プリンが有名です。
(最近、「日持ちのする」タイプのマンゴ・プリンも売りに出されました)
大きなガラス窓から、ケーキ作りの様子を見ることも出来ます。
小さいながらビジネス・センターもあります。
ここでのインターネット接続は、ホテル・ゲストは最初の15分は無料だそうです。
PCを持っていかない時の、ちょっとした調べ物には便利ですね。
まっつんと積もる話で盛り上がっていると、窓にだんだん夕闇が忍び寄ってきます。
もっと日が暮れてくると皇居側はかなり暗くなりますが、東京駅方面はその輝きが増してきます。
さぁ、まっつんと夕食。
このホテルの最上階24階にあるインターナショナル・キュイジーヌの「ピーター」で、としゃれ込みます。
ピーターでのお食事
「ピーター」(Peter)が「ザ・ペニンシュラ東京」のメイン・レストランになるのでしょうか?
それとも中華料理の「ヘイフン・テラス」(Hei Fung Terrace)?
ご存知のように僕は夜景大好き人間、一緒に食事をする友人は、そんなことには無頓着、アルコールがあれば何でもOKという人(笑)。
結論は・・・もちろん(笑)夜景がきれいそうなホテル最上階の「ピーター」での夕食ということになりました。
「ピーター」?
もしかするとこれは香港のペニンシュラの「フェリックス」のように、ペニンシュラの歴代の名物GMの名前からとった名前かもしれません。
何かそんな気がします。
で、「ピーター」のディナーは午後6時から。
僕らは5時半過ぎに、もう開いているバーに移動、食前ドリンクを飲みながら、暮れ行く大都会の町並みを堪能しました。
(でも、友人はそんなことにまったく興味なさそうでしたけど・・・)
「ピーター」は最新のファイン・ダイニングらしく、いろいろな所がとてもクラビー(clubby)。
スタッフのカジュアルさたっぷりの服装、ジャズやラウンジ・ミュージックなどクールでヒップな音楽、天井などに映し出されるシュールな映像・・・ここまでのコンセプトは、他の東京の5★ホテルのレストランにはなかったものです。
これからはこの路線でしょう・・・気に入りました。
当日の予約でも、人気の窓際席がアサインされました。
ちょうど真正面に東京タワーも見える席です。
食事は、今回の宿泊にあたりいただいた20%OFFの券があるので、アラカルト・メニューから3品で8500円(3コース・メニュー)というものにしました。(割引いて6800円)
アミューズはフォアグラのフランに柑橘系のフルーティーなソースをかけたもの。
アミューズが出てくる前にオーダーを決めるので、アペタイザーをフォアグラにした僕は、ちょっと味がかぶってしまいました。
このフランス産フォアグラに添えてあるのはピーナッツバター、クリーム、カランベリーのジュレなど・・・。
フォアグラにはよく合って美味しくいただけましたが、全体に量が僕少なめです。
もう少し食べた~い(笑)。
パンはゆずやクルミなど3種類、美味しいパンで、皿のソースを最後までぬぐっちゃいました。
バターは2種類、普通のと、ピンク・ペッパー入りのものが置かれます。
魚からは、ウニとココナッツのフランを・・・。
ここでもまたアミューズとダブってしまいました、フランがです。
ウニは軽く焦がしてあり、何とパイナップルのエスプーマに、バニラ味のアメリケーヌ・ソースが添えられています。
アメリケーヌ・ソースは想像つきますが、パイナップルのエスプーマとは!
保守的な舌の持ち主には??な組み合わせでしょう。
ここはそれを許容できるフュージョンあるいはパシフィック・リム系が好きな若手ガストロノミーをメイン・ターゲットにしているのでしょう。
付け合わせの黒いのは、イカ墨のパンです。
あと、エスプーマ(スペイン語で「泡」という意味)という手法、もう使われ過ぎな感があるといえば言い過ぎになってしまうでしょうか。
肉のメニューには、うずらや鴨なども並んでいますが、僕は仙台黒毛和牛の赤ワインブレゼにしてみました。
周りには人参やインカポテトのエクラゼ(分かりやすく言うとマッシュ・ポテト)などが添えられています。
味はもちろん美味しいのですが、ガツンと来るほどのものではありませんでした。
でも全体的に見れば、新しい感覚のハードも良いし、サービス陣も適度にカジュアルで卒が無いし、目的に合わせれば「使える」レストランだと思いましたよ。
あと、天気の良い日の大東京の夜景はどうしてもここの一番の売りでしょう、これは素晴らしかったです。
お土産にいただいた「ピーター」のロゴ入りのヒントミント。
こういうところもしゃれていますよね。
食事の後も友人と結構長い間、部屋で話し込んじゃいました。
部屋はターンダウンが済み、こんな感じに・・・。
窓からの景色は、皇居側はもう真っ暗ですが、東京駅側はますます大都会の夜って感じになってきています。
友人と分かれたのはもうだいぶ夜も遅くなった頃、ホテルの外に出てみると・・・。
夜のホテルの外観は、とてもエレガントで上品。
夜のほうが更にペニンシュラってイメージで良かったりして・・・(笑)。
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ロビーではまだゲストのざわめきとジャズの生演奏が続いています。
あぁ、大都会「東京の夜」だなって実感しました。
素敵な楽しい一日でした。
有難う、まっつん先生。
その他のお写真
これまでに載せられなかった写真と、実際に泊まった友人撮影の朝の写真です。
こうした備品も上質なもの揃いです。
浴衣の置き方なんかも、素敵ですね。
感心したスイッチ類。
湿度もコントロールできるし、外の天気も分かっちゃう優れものたちです。
それにデザインに走りすぎずに、使いやすい・見やすいのもうれしいですね。
ここからは友人の写真。
窓から同じ方向の写真を2枚。
まず夜が開けきらない頃の窓の外です。
そして早朝。
やはり朝はこの緑溢れる景色のほうが、目が覚めますよね。
磨いた靴と新聞もこうして届けられます。
友人によると靴にはちゃんとシュー・キーパーが使われていたそうです。
以上、僕は「ピーター」での食事のあと自宅に戻り実際には泊まりませんでしたが、友人のために手配したホテルをこんな風にしっかり偵察してきちゃいました。
いつかはここのデラックス・スイート辺りに数泊してみたいな・・・真剣にそう思いましたよ、偵察してみて。
だって、客室の仕上がりに関してはここ、東京一(ということは日本一!)だろうって確信したんですもの・・・。