奥さんのシンガポール (3) ブキット・パソは美食の宝庫~「アンドレ」

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シンガポールは美食の宝庫、特にチャイナタウン周辺はアジアでも有数のレストラン激戦地になってきています。
奥さんにB級からファイン・ダイニングまでかなり詳しく僕の知る限りのシンガポール・グルメ情報を書いた紙を渡しておいたので、彼女達は「その日の気分」でシンガポールの「食」もいろいろ体験してきたようです。
主にランチにファイン・ダイニングを、夕食にはローカルなシンガポール・フードをと、「普通とは逆」の路線を取って、何かにつけてチャイナタウンには通っていたようです。
中でも「ブキット・パソ・ロード」周辺は気に入ったようで、「アンドレ」(Andre)とか「アブサン」(Absinthe)といったシンガポールを代表するフレンチの名店も連日楽しんだと・・・。
「アンドレ」なんて良く席が取れたね、2週間前の予約は必至じゃない?・・・という方には、予約を取る裏技(?)について後で私見を書いておきますね。

場所は始めて行くと、とても分かりにくいそうです。
この古い(1920年代製?)3階建のショップハウスをリノベートした、分からない人にはここが何なのか全く分らない白い建物に、「アンドレ」の文字がわずかに浮き立っているだけと・・・。
入るとまずこのスペースが現れます。
ここで名前を告げると、にこやかな笑顔と共に上の階に案内されるそう。
(この1階奥は、下から2番目の写真のプライヴェート・ダイニング・スペース。デザインもシェフのアンドレ氏自身の手になるものだそうです)
あ、そうそう、ここを「フレンチ」の推薦レストランにしておいたのは、もちろん僕。
彼女たちは「その日の気分」で「フレンチを・・・」と思い、ここに来たそうです。
どうも当日予約らしい・・・。
前述のようにここは通常2週間前くらいまでに予約を入れないと・・・という人気店、どうして当日で予約が取れたのでしょう。
それは
1.当日予約は以外に取れる、キャンセルの出ることがあるから (つまり2週間前か?当日か?という感じ)
2.値段の高いレストランなので、ウィークデイのランチの方が予約は取りやすい
3.時間は何時でも良い、レストランの空きに任せるという態度と、どうしてもそちらで食べたいという熱意
3.予約は出来るだけ高級なホテルのコンシェルジュ経由にする
の4点のためでしょうか。

案内された2階はこんな感じ、1階のプライヴェート・エリアとは違うインテリアですが、ここもシェフのデザインによるものだそうです。

で、このシェフ、台湾の人でアンドレ・チャン(Andre Chiang)という名前。
ピエール・ガニエールやジョエル・ロブションの元で14年間フランス修行、その後シンガポールの「スイソテル・ザ・スタンフォード・シンガポール」(Swissotel The Stamford Singapore)のファイン・レストラン「Jaan par Andre」に迎え入れられ、瞬く間にこのレストランを「The world’s 50 best restaurant awards 2010」で38位にまで押し上げた天才シェフ。
その彼が2010年5月にホテル・レストランを止め、10月にここチャイナタウンに自分のレストランをオープンしたというのが、この「アンドレ」の経緯。
そして何と今年の4月に発表された「World’s 50 Best Restaurants Awards 2011」(http://www.theworlds50best.com/awards/1-50-winners)ではオープンしたてにもかかわらず堂々の100位にランクイン。
(ちなみに日本からは「レ・クレアション・ド・ナリサワ」が12位に、「日本料理龍吟」が20位に、そして「吉兆嵐山本店」が90位に入っています)
「来年の評価は一体どうなっちゃうんでしょう」的シンガポールを代表するシェフの店なのです。
シェフは若かりし頃、日本で中華料理店を手伝ったことがあるとのこと、またこの店のソムリエは日本人(ハセガワさん)ということもあって、日本にはとても親近感を持っているようですが、いかんせん日本人客はまだ極端に少ないんだそう・・・。
ランチは火曜から金曜まで、ディナーは月曜日以外で、共にその日のコース1種類のみ。
ランチは128ドル++、ディナーは288ドル++だそうです。
これがコースに入る前のアミューズ。
南フランスの料理に地中海風なアクセント、そして懐石料理などの影響もあるし、台湾出身シェフのシンガポールの店というところで軽いアジアン・フレイヴァも・・・そんな繊細な料理だったと奥さんは言います。
スペインのタパスなどで良く見るポテト・ブラバスにガラムマサラなどのチップス、ポップコーンとヴァニラ・クリーム、オニオンとポルチーニ茸の薄いタルト・・・でしょうか。
メニューには書かれていないアミューズなので、奥さんの記憶だけで僕が想像力を膨らませて書いています。
(間違っていたら、ごめんなさい)
次の前菜もこれだけ揃うとインパクトありますね。
もう何かなんだか分からないほどの材料が使われているようですが、奥さんによると、味に以外に統一感があって、眼で楽しい、食べて美味しい・・・で、「私好み」(笑)と評していました。
軽く炙ったサーモンや、バジルの花のシャーベットが印象に残る出来だったと・・・。
パンは焼き立て、まだ温かく、これも最高の出来で、食べ過ぎないようにするのが辛かったそうです。

グリルしたシーフードの盛り合わせ。
魚には細心の注意で火が入れられてあって、文句無しの一皿だったようです。
小さなガラスのカップで出てくるのがカフィアライムのコンソメ。
「タイっぽかっただろ?」と僕が聞くと、「そうそう、タイの味がしたわ」と・・・。
カフィアライムとはトムヤムクンなどに入っている「コブミカンの葉」の英語名なんです。

次はシェフのシグネチャー・ディッシュ、フォアグラのムースの黒トリュフソース掛け。
ムース・ソース共に絶品で、鼻をくすぐる芳香、舌から喉にかけて通り過ぎる食感が最高だったそうです。
「私の作る茶碗蒸しのフカヒレあんかけに構造は似てるけど、絶対次元の違う料理ね」などとも言っていました。
肉料理は36時間もかけてローストとした和牛のショートリブ(トモバラ)。
マッシュルームのポレンタとの相性も良く、これまた「あっという間に完食の美味しさ」(奥さんの言葉のまま)だそうです。
この後1枚失敗の写真が・・・超ピンボケの写真。
それは最初のデザートで、米を使ったブランマンジェにココナツがふんだん振りかけられているというもの。
僕なら細心の注意でちゃんと撮るけどなぁ、残念です、期待されていた方、ごめんなさい。
次のデザートはチョコレート・タルトにママレード味のアイスクリームを乗せたもの。

この店にはペストリー・シェフはおらず、アンドレ氏がデザートまですべてを作っているんだそうです。
彼女たち、アミューズからメイン、デザートまですべてに相当満足した様子。
天気が良ければ、こんなスペースもあるそうです。
最初に書いた1階のプライヴェート・ダイニング・エリア。
そしてシェフ登場、奥様方大感激(笑)。

身長は僕より高く(僕は184センチ)とても大柄な方だとか、「とてもあんな繊細な料理を作る人だとは・・・」とはうちの奥さん。
で、最後に奥さんの総評・・・
料理はとても美味しい。
日本人女性にはほぼ最高のフレンチだろう
でもコストパフォーマンス的にはどうだろうか
どんどん低料金化している日本に比べて、ランチに128ドル++(1万円近い)はどうだろう
これはシンガポールのファイン・ダイニング系すべてに言えるかもしれない
とのことでした。
辛口!
でも以外に言い当てているかもしれないのは、ちょっと怖いです(笑)。

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