パリ・ビギナーズ・ノート (51) パリ最後の日は、誰もいない「オランジュリー美術館」から

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僕のパリ(+ヴェルサイユ)旅行も、今日が最終日。
夜の7時20分にはシャルル・ド・ゴール空港からJAL408便で、日本に向けて出発の予定です。

出来ることなら最後の一瞬までパリの街歩きを満喫したいので、この日も朝から早起きです(笑)。
パリの朝は日本よりも遅くて、起きてもまだ辺りは薄暗かったりします。
昨夜も深夜には雨が降ったのでしょう、テラスが少し濡れています。、
エッフェル塔だけではなく、アンヴァリッドの黄金のドームも見えます。
少し出てきた朝日に、金色がだんだん目立ってきています。

ラウンジで簡単な朝食の後、もうメトロのカルネも使い果たしてしまったので、ホテル前に沢山並んでいるタクシーで、「コンコルド広場」まで行ってもらいます。
今回の旅行でも、タクシーは良く使いました。
「大人」旅行の成功の鍵の一つは、このタクシーの有効な利用法だと思っています。
行きにくい所、疲れている時、荷物がある時、ステイタスを出したい(?)場合・・・そんな時は迷わずタクシーです。
「コンコルド橋」から昨夜ライトアップで見たセーヌ川をもう一度。
相変わらずどんよりした天気です。
右岸に眼を移すと、「チュイルリー公園」の片隅にひっそりとたたずむ「オランジュリー美術館」が見えます。
僕はこれからそこに行って、あの有名なモネの「睡蓮」を生で見る予定なのです。
もし今日が月曜日でなければ「オルセー美術館」でも良かったのですが(あそこは月曜日が休館日)、どういうわけか僕は大昔(87年?)出来たばかりの「オルセー」に行った時のことを意外なほど良く覚えているので、今回はパス。
振り向けば、またも「エッフェル塔」です。
「コンコルド広場」に戻り・・・

「チュイルリー公園」に入って、そこを右手に進むと目指す「オランジュリー美術館」です。

ここは、17世紀の頃、オレンジ(オランジュ)などの柑橘類の温室がここにあったことから名づけられた美術館とのことで、オープンは9時です。
まだ誰も並んでいません。
「ルーヴル美術館」や「オルセー美術館」の人気とは全く違う、楚々とした雰囲気のある美術館ですね。
相変わらず「ミュージアム・パス」が使えるので、入場もほぼ瞬時に・・・。
もちろん入場しても僕以外に客はいないのですが、それ以上にこの美術館が醸し出す静謐さは、他の美術館にはきっとないものでしょう。
静寂が支配しています。
これは良い時に来たものです。
二つの楕円形からなる大広間の壁一杯に、8枚の「睡蓮」が掲げられています。
白を基調としたこのスペースは天井からも自然光が降り注ぎ、まるでモネのジヴェルニーの庭に招かれて、きらめく水辺を歩いているかのような気分にさせてくれます。
相変わらず見学者は僕だけ、中央のベンチに腰掛けて、この絵を周囲に見ていると、いつまでもここにいたい、いつまでもこの平和な気分に浸っていたい・・・そんな気分にさせてくれます。
ようやく入ってきた陽気なアメリカの学生らしいグループ(英語をしゃべっていました)も、この静謐な雰囲気に圧倒されたのでしょう、次第に口数が少なくなっていきます。
日本画の影響もあるこのモネの「睡蓮」、ほんの5分強ですが、全く誰にも邪魔されないで、この絵を独り占め出来たことは、本当に貴重な体験でした。
展示は他にも沢山ありますが、この大作の前にはもう出る幕がありません。
さ、次は・・・朝が簡単だったので、何かちょっと口に入れたい気も・・・そうだ、近くに「アンジェリーナ」がある(笑)。
僕と奥さんがXX年前のハネムーンで行ったあの懐かしの「アンジェリーナ」、あの時泊まったのはそのお隣の「ムーリス」だったっけ・・・若かったのに、ずいぶん背伸びしたものです・・・そう「アンジェリーナ」で本店のモンブランを食べてみよう(笑)。
お土産も買い足したいし、それにお昼からは今回の僕の食のハイライトの一つ「JV」(ジュール・ヴェルヌ)でのランチも待っています。
今日も、忙しいぞぉ(笑)!

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