シンガポールの中心地、たとえばオーチャード通りからだって車で15分はかからないセントーサ島に2009年3月にオープンした「カペラ・シンガポール」(Capella Singapore)。
もうネットには宿泊体験記が溢れていますが、僕はここ、まだ未体験。
仕事の合間を縫って、何とか見学だけはしてきましたので、以下はその報告です。
セントーサ島への橋を渡ると、まずは入島料の支払い、タクシーでの場合はS$5だそうです。
(ホテルの宿泊者は無料)
景色は高層ビルが林立する都心から熱帯雨林が生い茂る自然そのものに変わり、「カペラ」の標識に従って坂を上っていくと、この白亜のコロニアル建築「タナメラ」が見えてきます。
この「タナメラ」、実は1880年代、旧英国植民地時代の軍用地にあった建物。
つまりここはこの印象的なコロニアル建築を表玄関・メイン棟として、新たに(モダンな)客室棟を追加、シンガポール海峡を見下ろす地に建っている新旧を絶妙に調和させたリゾート・ホテルなのです。
では、こんなラグジャリー・リゾートを作ったのは誰?
はい、かのホルスト・シュルツェ氏です。
ご存知の通りリッツ・カールトンの前の社長さん、彼が率いるウエスト・ペース・ホテル・グループが、アマン・リゾーツやGHMグループのホテルを多く手がけたインドネシア人デザイナー、ジャヤ・イブラヒム氏と、プリッカー賞受賞の英国人建築家ノーマン・フォスター卿とで作り上げたのです。
前庭には大きなオブジェ、その周囲には野生の孔雀まで出現するそうですが、僕が行った時には残念ながら・・・。
メイン棟になる「タナメラ」の1階がレセプション。
古き良きイギリスが香ります。
ただ如何せん昔の建物のリストア、その狭さは否めません。
(2階は中華料理レストラン「カッシア」と宿泊客のみ利用出来るラウンジ「ザ・ライブラリー」)
コロニアル建築の「タナメラ」を抜けると、中庭をはさんで何とも好対照なモダンな建物が現れます。
黒い壁に流れるような茶色のラインはスピード感があり、古き良き時代の象徴のような「タナメラ」のゆったりした雰囲気とは対照的でありながら、この二つの建物で中国でも縁起の良いとされる「8の字」を形作って、見事に融和しているのです。
出来てすぐの頃は貧弱と評された緑も、今ではすっかり建物に調和するようになっています。
う~~ん、この感じ、なかなか良いですね。
最初の頃のこのホテルの評に「あまりに建築物がチグハグ」というのが多かったですが、この緑の具合が、新旧の良い接着剤になっている気がします。
部屋にはプレミア・ガーデン、プレミア・シービュー、アウトドア・ジャクージが付いたコンステレーション・ルームなどがあり、広さは66~77平米だそうです。
スイートはセントーサ・スイート(86平米)と今日見せてもらったカペラ・スイート(100平米)。
もちろんこの他にヴィラ、400平米を超えるコロニアル・マナーと上を見れば限がありません。
でも、僕このスイートで十分です(当たり前か、笑)
この部屋、かなり良い感じです。
モダン・コロニアルなアジアン・テイストと、最新テクノロジーの融合です。
窓からはライステラスを思わせるようなプール群(3つあるそうです)とヴィラが・・・
そしてその向こうが雄大なオーシャン・ビューです。
(ただこの時間から天気が急に悪くなり、実際その後は一時雷雨になりました)
2階から5階に客室があります。
南シナ海を望むメイン・レストランの「ザ・ノウル」が少し見えています。
カーテンの開閉やエアコン、照明の調節などが出来るベッドサイドにあるタッチスクリーンのコントロールパネル、角度を変えられるのでベッドやソファーなど好きな場所で見ることが出来る46インチの液晶テレビ、iPod ドックステーション、無線ブロードバンド接続など、最新の高級ホテルに求められるものはすべて揃っています。
デイベッド。
バスタブからも外が見える作りです。
広くゆったり取られたパウダー・ルーム。
どこもスタイリッシュですが、同時に機能的でもあります。
この奥がフィットネスやスパ。
スパは予約必須の人気施設だそうです。
僕を案内してくれたのは英語の堪能なミャンマー人の女性、ミャンマーの人をこういう所で見るのはドバイ以来です。
で、このホテル、今はヴィラ38室とコロニアル・マナー2室を含めて全部で112室と小規模ですが、将来はこんな風な一大リゾートになる予定だそうです。
ロング・ステイ用のスイート、デュプレックス、マナーの数がとんでもない数になっていますね。
シンガポールの経済状況と、中国の富裕層の動向次第では、この計画もあっという間に現実のものとなってしまうかもしれません。
最後にこのホテルとスパのブローシャーを・・・。