「聖イシュトヴァーン大聖堂」を見学した後は、地下鉄1号線で大聖堂の裏の通りにある「BAJCSYーZS UT」駅から「HOSOK TERE」という駅まで移動です。
(TEREは「広場」、UTは「通り」と言う意味とだんだん分かってきます)
1号線(黄色)は、ロンドンに次いでヨーロッパで2番目に古い地下鉄、設備は古いですが、こうした入り口のサインボードとか駅内のインテリアにはクラシカルな良さが溢れています。
(サインボードでは一番上が、この駅の名前です)
地下鉄はブダペスト一の高級ショッピング街「アンドラーシ通り」の地下をがたぴしと北東に進みます。
目的の駅で地上に出ると、そこは「英雄広場」。
ハンガリ-建国1000年を記念して1896年に出来たブダペスト最大の広場です。
広場の中央には大天使ガブリエルをいただく高さ35メートルの記念碑が建ち、その台座にはマジャール族の7人の部族長の騎馬像が並んでいます。
記念碑の左右に扇状に並ぶのは14人のハンガリーの英雄達。
なかなか素敵な広場です。
ここで「日本人かい?」とお爺さんに英語で話しかけられます。
日本人だけは「ニホンジン」と確かに発音していました。
聞くと何でもお孫さんのスケートボードの付き添いに来ているんだそうです。
確かにこの広場、ローラースケートやスケートボードの練習をするキッズや若者が沢山います。
そのお爺さんさんはかなりな日本通、ここに見学に来る日本人を捕まえては、こうして話をして楽しんでいるんだそうです。
好きなのはテンプラ、行ってみたいのはキョートだそうです。
で、お爺さん「ここが一番きれいなのは日がくれてからだよ。ぜひ夜景を見ておきなさい」と。
夜景がきれい?
夜景フェチの僕としてはそれはぜひ見てみたいです。
でもここにこれから日が暮れるまでいるのはちょっと・・・。
明日(ブダペスト最終日)にでも時間があったら来よう・・・丁寧におじいさんに別れの挨拶をすると、お爺さん「サヨナラ・サヨナラ」と淀川長冶さんスタイルで(笑)。
誰だ、そんなの教えたのは!(笑)
さぁ、今度は「セーチェニ温泉」に行くか、「ヴァイダフニャド城」を見学するか・・・両方ともここからすぐのところにあるはずです。
温泉は「キラーイ」にもう行ったし、後者を見に行くことにしました。
「英雄広場」の裏一帯は広~い「市民公園」、1896年の建国1000年祭ではこの公園が博覧会の会場になりました。
その時のパビリオンの一つとして、公園の池の中島に建てられたのが、この「ヴァイダフニャド城」です。
この城は、過去千数百年の間にハンガリー全国に立てられた様々な建築様式を取り混ぜて作られた折衷主義の珍しいお城。
僕はここ、とても気に入りました。
特に人のいない裏庭などに入り込むと、一杯の緑の中に苔生した、あるいは蔦の絡まる古色蒼然とした建物に、思わず中世にタイムスリップしてしまうかのようです。
そんな中で数人のお婆さんたちが、木陰に簡単なチェアとお茶のセットを持ち寄って、お茶会をしていました。
もう絵に描いたように素晴らしい光景だったので「写真を撮っていいかどうか」聞いてみると、どうも嫌そう。
でも見知らぬ東洋人が珍しいのか、話はしたそうだったのですがお互い言葉が通じず断念、お婆さんの一人がクッキーを僕に・・・。
最後は全員で手を振って「バイバイ」と・・・。
あぁ、「さようなら」くらいハンガリー語で覚えておけば良かった・・・「英雄広場」で会ったお爺さんだって「サヨナラ・サヨナラ」と言ってくれたんだし・・・(笑)。
とても良い雰囲気の「ヴァイダフニャド城」、ツアーの観光では立ち寄らないかもしれませんが、ここの昼間の散策は緑と古城が目の栄養になると思いました。