マイ・ファースト・スペイン (31) 「カサ・バトリョ」から夕暮れのバルセロナを

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大忙しの分刻み行動だった大晦日と違って、元旦の午後は「マンダリンオリエンタル・バルセロナ」で「まったり系」で過ごしたshackinbabyです。
プールで泳いだ後は、ルーフトップから「グラシア通り」を中心にバルセロナ市街を俯瞰。
そして、ホテル真向かいにある、そう、ホテルから直線距離100メートルなんてない程の近さにある、ガウディ作のモデルニスモの傑作建物にして世界遺産の「カサ・バトリョ」(CASA BATLLO)で、今日の昼間を締めくくることにしました。

「カサ・バトリョ」とは、「バトリョ氏の家」という意味。
もともとは1877年に建設された建物を、1904年から2年にわたってガウディが改築、周囲の建物と同じく集合住宅(マンション)として使われていたようです。
当時のバルセロナでも中心地だったこの辺りは、ほとんどがこのような5階建てのマンションばかり。
建物は隣りと壁を共有して、数十軒の背丈を同じくする建物が口の字形に立ち並び、1つのブロックを構成していたのだそうです。
(その感じは「グラシア通り」などを歩いてみると、今でも良く分かります)
当時のこうしたマンションは、1階に馬車を引き込み、2階に家主が、3階以上には家族が住んだり、使用人用の部屋だったり、あるいは賃貸マンションとして使われたそうです。
ガウディの改築は「ウィキペディア」の解説によると
「この改築でガウディは、建物に5階と地下室を加え、玄関広間を広げ、階段や内壁を作り直し、各部屋に曲線的なデザインを持ち込んで、タイルやステンドグラスの装飾をほどこした。」
とのこと。
それでは「カサ・バトリョ」に入場です。
この日の待ち時間は約20分、入場料は詳しく覚えていないのですが確か18ユーロくらい(この値段はかなり高い値段です)、もちろん「バルセロナカード」の割引もありました。
ちなみにここ、オーナーは、あの「チュッパチャップス」の創業家です。
なので、ネットで見たことのある「カサ・バトリョとのコラボ・チュッパチャップス」をお土産にしようとしたのですが、今はもう売られていないとのことでした、残念。
入るとすぐはこんな感じ。

「カサ・バトリョ」の中では一番「フツー」ですが、細かい曲線使いがもうガウディしていますね。
人が多くて写せなかった右側にある階段(これを上っていきます)は、よく脊柱動物の骨にたとえられています。
まさにそんな感じです。
周りはどんどんガウディの世界になっていきます。
こんな熱に解けてしまったような曲線、良く考えますよね。
天井とか上の方しか写真に撮っていないのは、これより下は見学者で激混みで写真にならないからです。
2階のファサード(ベランダ)はひときわ豪華。
それは前述のように2階には家主が住んでいたからだということです。
入場料には各国語のオーディオ解説テープ(もちろん日本語あり)が込みですから、聞く気になると相当量の情報が耳に入ってきます。

外から見えるあの特徴的な2階の窓は、内側から見るとこんな感じ。
照明も天井も独創的です。
光の入り方で、室内の感じもどんどん変わっていくのでしょう。
元旦の「グラシア通り」が透けて見えます。

中にはこんな吹き抜けが・・・もう、これは近未来的とでも言うしかないデザイン・センスですね。
ただ一言、あの時代に本当にすごい!

階段一つ一つも、どれも凝っていて、芸術的です。
テラスに出てみると、お得意の破砕タイルのデザインが各所に・・・。

どれも何ともいえない曲線です。
また室内に・・・。
ここは一部がガラスで出来たエレベーター、ガウディが改装した当時はこれはなかったはずです。

この辺の曲線、高窓からの光・・・本当に次から次へと魔法のように色々なデザインが出てきますが、どれも有機的に連続していて、すべてでいかにもガウディの世界のように感じます。

もう言うことなし、すごい感覚。

こんなところは優美の極致だし・・・

この辺りは高い窓からこぼれる光と陰影、そして床のタイルの何と素敵なこと。
この建物には、屋根の一部が丸く盛り上がって、まるでドラゴンの背中のように見えることから、カタルーニャの守護聖人である「サン・ジョルディ」の竜退治の伝説をなぞっている・・・とかいう説があるそうです。
それならさしずめ、ここはその骨の一部ということでしょうか?
この回廊周辺には魅力的な小部屋が沢山。
建築ファンには(以外にも)必見のエリアだと思います。
屋上に出てみます。
(ここに上がる小さな螺旋階段もとても素敵なフォルムでした)
あぁ、もうだいぶ日が暮れてきています。
この不思議な形のものはどうやら換気用の口のよう・・・。
「カサ・バトリョ」はどの部分も換気にはとても気を配って作られているそうです。
わぁ、これは良い風景、想い出に残る風景です。

日の暮れ具合も最高。

ドラゴンの背中の感じが良くお分かりでしょう。

「曲線ばかり」と文句をいう人も、トータルしてこのガウディの不思議世界の素晴らしさを認めない人はいないのでは・・・なんて思いながら、この階段で出口に下りていきます。

外はもうかなり暗い・・・改めて「カサ・バトリョ」を見上げてみます。

夜は夜でまた美しいですね、ここ。
ま、値段はとんでもなく高かったですが、見る価値は充分にあるバロセロナ名所でした。

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