このところ銀座に行く用事が数回ありました。
経費で落ちそうだったので(笑)、そのうちの1回は銀座に泊まってしまいました。
泊まったのは「銀座のホテルと言えばここ」の「ホテル西洋銀座」。
1980年代中期に出来た、日本初の都市型スモールラグジャリーホテルです。
レートプランは某大手予約サイトの「ジュニアスイート、大人2名、朝食付き、39000円」というもの。
決して安い料金ではありませんが、昔の格式から考えたら、お金を出せば泊まれるだけ良しとすべきでしょうって感じかもしれません。
90年代中期頃までは本当に「特別なホテル」でした、少なくとも僕のような若造にとっては。
(ずいぶん「年取った」若造だなんて言わないでくださいね、笑)
メイン・ダイニング(「レペトワ」の前の名前を失念しました)で朝食を取れば隣のテーブルが自民党の大物政治家だったり、イタリアン(「アトーレ」)のエレガント・ゾーンで夕食をすれば人気歌舞伎俳優が目の前だったり、パーティーがあればお付きの人が何人も付くような有名会社のお偉いさんばかりだったり、バトラーに何をどこまで頼んで良いのか分からずかえって悩んでしまったり・・・僕にもうちの奥さんにも、ある意味、想い出のホテルです。
その後、時代は激変。
当時の最高級ホテルとしてのポリシーやデザインもいささか時代遅れになってきている気がして、このところここに足を運んだことはありませんでした。
ただ息子はイタリアン・レストランのトラットリアの方は値段がリーズナブルなので時々利用すると・・・それならと、僕ら夫婦は宿泊、そして息子も呼んで家族で夕食でもと、本来の目的の仕事の方は相当おろそかにしながら、楽しい一夜を過ごすことにしました。
「ローズウッド・ホテルズ」チェーンを抜けてからでももう約1年、「ホテル西洋銀座」はいま一体どんなホテルになっているのでしょうか。
僕らは十分楽しめたでしょうか?
あぁ、一見昔のようです。
誰にも気づかれないでひっそり奥まってある感じ・・・。
歩いて行くよりタクシーから降りることを前提に作られたようなエントランス。
昔と同じ?
いやいや、感じは違いますね。
当時の部外者を拒絶するようなエクスクルーシブ感がありません。
今回ドアマンとベルは女性でしたが、以前は威厳ある男性の丁重な出迎えという感じだった記憶が強く残っています。
ただエレベーターで上がる客より早く、ベルが客の荷物を持ち階段を上り、レセプションに案内するスタイルは、以前と同じです。
小さなロビー、豪華なシャンデリアと華やかなフラワー・アレンジメントは、心の安らぎを覚えるほど、変わっていません。
重厚で大きなデスクの前に座ってのチェックイン、このホテルが出来た当時には本当に驚いたものです。
チェックインはスムーズ、ただプランや館内の説明はずいぶん簡単なもので、取っつきやすいといえばそうですが、やや低調さに欠ける感じはしました。
この方が時代にあっているのでしょうか?
周囲は超クラシカル、オープン以来25年くらいはたっていると思いますが、大きなリノベーションはしていないのでしょうか。
部屋に案内される途中のインテリアも最近では少なくなったタイプのものです。
う~~ん、ライトがレトロ。
もちろん質感は高いものですが、最近は本当に見なくなりましたね、こういう感じ。
だから貴重かもしれません。
部屋は最上階の12階。