コロンボ&香港 (26) 素晴らしき「ルヌガンガ」

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ついにたどり着いたジェフリー・バワの「ルヌガンガ」。
そこには僕の想像を遙かに超える広大に土地に、バワの世界が広がっていました。
バワの作ったいくつものリゾート・ホテルのように、その土地の持つ自然の美しさ、その歴史、その文化を最大限に活用して、大袈裟に言えば人間と自然の境界線を取り払ったような空間がそこにはありました。
いるだけで心地良い場所。
心地良さを求めて、根っからの建築家では出せない自由な発想で創り上げた彼の楽園、そしてそこはまさにリゾート・ホテルのルーツ・デザインの宝庫・・・。
これは確か鶏小屋というか家畜小屋という説明だったでしょうか。

そしてここ、バワが最高に気に入っていたという場所。
ベントタの運河を見渡せる場所に彼専用のテーブルと椅子が置かれていました。

ガイドの男性によると、この地では朝と夕方は本当にスペシャルな時間。
渡る風は運河で冷やされ、日中の暑さはなく、朝や夕方には巣から飛び立ったり帰ってゆく鳥たちのさえずりや木々を渡る風の音、そして川音などが調和して、自然の中にいる喜びに満たされるとバワは言っていたそうです。

何気に書かれたテーブルの模様まで素晴らしい・・・。
バワはここで朝食を取ることがよくあったそうです。
スタッフを呼ぶ銅鑼もあったりして・・・。
「ルヌガンガ」は高台と湖面沿いの平地から成る面白い地形で、建築学的には回遊式の庭園の形式になっています。

高低差による視線の高さの変化・・・、
その場所場所によって次々に変わってゆく眺望・・・。

その風景に更に効果的なアクセントを付ける印象的な木々の配置。

連続しているのに、どこを見ても絶えず変化している様な風景、彼が惚れ込んだ地というのも良く分かります。
彼がこの地を更地で買った時から50年、彼の生涯のすべてをかけてここまでにしてきた「ルヌガンガ」。
結婚をしなかったバワにとっては我が子も同然の存在でしょう。

彼は男性しか愛せず、結婚もしませんでした。
静かな静かな「ルヌガンガ」、現在は三人の建築家が財団として管理をしているようですが、予算には限りがあり園の隅々までは手が完璧には届いていないなど苦労もかなり・・・とも聞きました。

ただこの日はヴィラ、レストランともに満員盛況、ヴィラ客のプライヴァシー優先のためにこれより中は見学不可とすまなそうに言われてしまいました。

「ルヌガンガ」はやはり来て良かった、写真集だけではよく分からなかった生の感動をたっぷりもらいました。
あの平和な緑の中、海からの温かい風、目に入るものすべてが心地良く思える選び抜かれた東屋と家具達・・・。
僕はジェフリー・バワの大ファン、これからもそう言い続けます。

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