シャングリ・ラホテル東京 (2) 「Piacere」でランチ

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さあ、「シャングリ・ラホテル東京」のレポート、今度は客室の番なのですが、ホライズン・ラウンジでのドリンクのお誘いも、急いで案内してもらった部屋もとりあえず一目見ただけにしたのも、ランチをホテルのどこかで取りたいという理由からなのです。
このホテルには、レセプション向かいに「ザ・ロビー・ラウンジ」、日本料理の「なだ万」、そしてイタリアンの「Piacere」(ピアチューレ)と、計3つのレストランがあります。
(何でアジア系のホテルなのに中華レストランはないのでしょうかね・・・)
もちろんイン・ルーム・ダイニングも24時間可能です。
で、午後2時のラスト・オーダーぎりぎりに、ラウンジから予約を入れてもらい、「Piacere」でランチをいただくことにしました。

「Piacere」(ピアチェーレ)とは イタリア語で「はじめまして」という意味、今回の僕らの「シャングリ・ラホテル東京」へのファースト・ステイにぴったりな名前ではないですか(笑)。
あとで辞書を調べるとこの単語、 「楽しい」とか「嬉しい」という意味も含まれているのだそうです。
その言葉通りの食事になると良いのですが・・・。

室内はこんな感じ。
高い天井がファイン・ダイニングなことを良く現していますし、ヨーロッパとアジア、モダンとクラシックが程良く混じったインテリアです。
ただもう少し強烈な個性、アクセントとなるもの、豪華さなどがあっても良かったかもしれません。
事前の予想に反して、客席の埋まり具合は相当なもの、数週間前に某有名週刊誌のグルメ・コラムで超辛口のコメントをもらったレストランとはとても思えない盛況振りでした。
女性2人連れ、女性の親子連れなど女性が圧倒的で、スーツ姿の男性同士のビジネス・ランチなどという席は一つもありませんでした。

このレストランでは朝食も出していて、コンチネンタルが2700円++、アメリカンが3600円++、和定食(!)が3900円++。
あとはアラカルトで、バフェはありません。

ランチはコース料理のみで、4コースで4700円++、5コースで5900円++。
あとは9800円++という特別コースもあります。
サービス陣は女性が多く、お客が多い割にはスムーズに卒なく接客しています。
黒服の男性が多いような重厚感あるレストランとは違い、エレガント・カジュアルな雰囲気です。
パンは黒オリーブ入りのフォカッチャなど3種類、思ったほど美味しくありません。
でも、バター入れもナイフもフォークも、カトラリー類がすべてピッカピカです。
さすが開店してすぐのレストラン、ここまでピカピカだと、これはこれで気持ちの良いものです。
アミューズの左側はヒヨコ豆です。

僕は5コースを選んだので、スターター(全4種類)の中から、「ホタテ貝のワッフル」というものを。

新鮮なホタテをイカのソースで和え、ラングドシャーで挟み込んだものです。
ホタテの甘さとラングドシャーの甘さが殺しあわず、テクスチャーの違いも良く考えられた美味しい一皿でした。
この辺で、ここの料理のスタイルが見えてきました。
先日の週刊誌では、こうした「上品な盛り付け」のイタリアンを、これはイタリアンではない、勢いがない、寂し過ぎる料理・・・と酷評していたのです。
でも、さすがにそれが言い過ぎではないでしょうか?
次はパスタ5種類から2種類を選びます(4コースの人は1種類)。

まず、これ(上の写真)はショートパスタ(マカロニ)の料理です。
イタリア語ではマケロネッティというんだそうです。
茄子と海老、ソースはモッツァレラ・チーズのソースです。
パスタ2皿目は、サフランのリゾット。
オックステールのフォンダンがとても濃厚で、わずかにかかっているココア・パウダーも効いていて、これは良く出来たリゾットです。
量的にはとても上品な量(笑)。
だからこれを「豪快な量を豪快に食らう」のがイタリア料理と思う人が見れば、「勢いがなく」「寂しい」料理に感じちゃうのでしょうね。
これらをシャングリ・ラという5★ホテルのメイン・レストランが出す、イタリア人シェフによるイタリア風のファイン・ダイニングと考えれば、この路線は「あり」でしょう。
そうは言っても、メインの皿は比較的ヴォリュームもあります。

僕は鴨を・・・他には甘鯛、ひらめ、牛肉、鶏の胸肉などからも選べます。
お馴染みのオレンジ・フレーヴァーの鴨の胸肉で、赤キャベツやフルーティーに味付けられた野菜が合っています。
ただイマジネイティブあるいはクリエイティブな料理かといえば・・・・ですけど、安定したメイン料理とは言えます。
最後はデザートです。

デザートは雰囲気を変えたかったので、このレストランの
入り口近くにあるバー・コーナーの窓際にある通称「ソムリエ・スイート」に席を移して、そこでいただくことにしました。
ここのスタッフはそういう面倒なリクエストにも嫌な顔を見せません。
デザートは3種類から選べます。
「ティラミス・サプライズ」なんて興味あるネーミングのものもあったのですが、「カカオのチョコレートケーキ」を選びました。
こういう少し暖かいケーキってパティシエの実力拝見ですものね。
出来は、ま、予想通りというかフツーでした。
ミルク・ジェラートはフルードセル(岩塩)添えということですが、効いてません。
ペパーミントのフレーヴァー付けもちょっと・・・。
全体に美味しくなくはないのですが、食べて「顔が笑顔で緩む」感が感じられないデザートでした。
最後は黒いアジアン・テイストの重箱に入ったフィランシェ。
紅茶はハウス・ブレンドのシャングリラ・ブレンド、香りは高かったです。
う~~ん、宿泊料金に比べるとややリーズナブルな値段設定のランチですが、某週刊誌の言い分も分かりつつ、この路線で良いから、もっとシェフに色々な料理を提案してもらって、その中から客に評判の良いものを残していって、日本人に合う、でも日本人におもねり過ぎない、シェフの考えるファイン・イタリアンをコースに並べていって欲しいと思いました。
とりあえず、ご馳走様でした。

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