初めてのスペイン、初めてのバルセロナとあって、ホテルにチェックインした後もそのまま寝てしまいたくはありません。
スペインを、バルセロナを早く体験したい(笑)。
それにはこの時間から何が良いだろう・・・日本にいた時からこれを考えていました。
その結果がフラメンコの見学です。
スペインでも南部アンダルシア地方が発祥のフラメンコ、バルセロナではあまり根付いておらず、純粋に観光客向けとのことですが、良いんです、僕には「マイ・ファースト・スペイン」なのですから。
やっぱりスペイン=フラメンコでしょう(笑)。
フラメンコを見せるショー・レストランをタブラオと言います。
ネットで調べるといくつものタブラオが見つかりますが、ショーの開始時間、料金、ロケーションは当然のことながら様々です。
その中で僕が総合的にベストと思ったのが、このランブラス通りというバルセロナ一の繁華街にある「コルドベス」(Cordobes)という店です。
もちろんこのタブラオに対するネガティブなコメントもネットには沢山ありました。
値段が高い、席が狭い、見づらい席がある、食事付きの人たちに前方の良い席が割り当てられる、バフェの食事はまずい、いつも混んでいる、予約がないと入れない・・・。
それらを了解したうえで、日本からネットで一日3回あるショーの最終回23時半からのショーをドリンクのみ(食事無し)で予約しました。
ネットでは英語で予約出来、値段は37ユーロ。
ただ席の指定とかは出来ません。
僕が「コルドベス」に着いたのは23時15分頃。
入口は狭く階段で店に入るようですが、入口にいる英語が少しだけの男性は「まだ入れない。隣にホテルがあるからそのロビーで待て」と・・・。
確かに隣に小さなホテルがあって、そこに置いてある椅子にはたくさんの人が・・・皆さん「コルドベス」の最終ショーを待っている人のようです。
ちょうど時間頃に上に上がる許可が出ます。
階段の上で名前をチェックされ、席に案内されます。
自分では席は選べません。
店内は狭く、もう食事付き(68ユーロ?)の人達が食事を終り、前の方に陣取っています。
つまり見やすい良い席はもう埋まっているということです。
僕が案内されたのは一番後ろの大きな柱の前。
最初は嫌な席だなぁと思ったのですが、ものは考えよう。
立てば良いんです、立てば良く見える。
後ろは柱だし、誰にも迷惑がかからない・・・。
ショーが始まりました。
ギタリスト3人、シンガーが男性4~5人。
フューチャーされるダンサーは男女数人ずつ。
フラメンコが生まれた経緯にはジプシーの迫害など複雑な歴史があると聞いています。
フラメンコにはそうした生きることの大変さや喜びなどの喜怒哀楽が込められているとも・・・。
僕の好きなアメリカ黒人のR&Bやゴスペルのような民族の「心の叫び」とも言えるかもしれません。
そういう感情的な表現がフラメンコの踊りや歌、リズムに込められていて、僕らを魅了します。
華やかで妖艶な女性の踊りも凄いですが、圧倒的に迫力があるのが男性ダンサー。
もう鬼気迫る感じもするほどです。
手の動き、体のしなり、足さばき・・・そう、フラメンコでは足も重要です。
柱の前で立って見ていると、前列の人達しか見えないはずの、ダンサーの足さばきが本当に良く見えます。
禍転じて福となす?でしょうか。
手拍子とギターで歌い上げられる切々としたメロディー、あるいはリズミックな曲。
新宿の「エルフラメンコ」でくらいしかこうしたショーを見たことがないので、予想以上に緊迫感溢れる大迫力と艶っぽさに、僕はすっかり満足です。
ショーは1時間半弱、全員揃ってのフィナーレはもう大拍手でした。
配られる飲み物(一杯無料)はサングリアにしてみましたが、ベースの赤ワインが安っぽい味でした。
当初37ユーロは高く感じました・・・が、まぁユーロ安でもあるし「許せる」値段だった(笑)と思いましたね、これだったら。
なおこの店、予約していった方が良いと思われます。
飛び込みの客は入口で断られているようでしたから・・・。