ハロウィーンのこの日、ニューオーリンズでは午後7時から、ディケーター・ストリートの旧造幣局のほうからアップ・リヴァー(川上にという意味、ニューオーリンズではよく使われる言葉)方向に、パレードガあるんだそうです。
そのパレードもニューオーリンズ最大のお祭り「マリディグラ」と同じスタイルで、沢山のフロート(山車)が出て、そこから色々なものが撒かれるんだそうです。
「すごい熱気と興奮ですよ」とホテルのコンシェルジュも見学を薦めます。
そして彼はもう一つ付け加えます。
「6時過ぎごろにジャクソン広場の辺りに行ってみてください。
フロートを見たことがないのなら、7時からのスタートにあわせて出発位置に移動するフロートの昼間の姿をたっぷり見られますよ」と。
わぉ、それじゃあ、それ、見ないわけにいかないじゃないですか(笑)。
まだ陽が出ているうちに、ジャクソン広場に急ぎます。
ちょうどフレンチ・クォーターを横切る形で、まっすぐ歩けばそこまで10分くらいです。
でも、ちょっと寄り道もして写真なんか撮りながら、ジャクソン広場をめざします。
骨董品店などが軒を連ねるロイヤル・ストリート、両側にはスペイン統治時代の建物が並びます。
建物と建物の間に、こんな中庭もありました。
特に有名なところとかではありませんが、とても雰囲気がありますね。
もう少し進むと、今夜8時から公式パーティーがある「COURT OF THE TWO SISTERS」が見えてきたので、ちょっと中を見せてもらいました。
モダン・クリオールを標榜していて、ニューオーリンズではレストランの人気ベスト10には入る大型店です。
このパティオでのパーティーは素敵そうですが、夜はちょっと肌寒いかも・・・です。
ちゃんとジャケット着なくちゃ、です。
あ、これが「ル・モニエ・マンション」です。
「the first slyscraper、初めての高層建築」と呼ばれている建物です。
1811年建造の3階建て、1876年には4階建てに増築、当時2階建てしかなかった人々をビックリさせたとの話が伝わっています。
その向かいが「ラ・ブランシュ・ハウス」。
ここはバルコニーの美しさで、ニューオーリンズ一といわれている建物です。
サトウキビの農園主が建てた建物で、バルコニーの細工の柄が樫の葉とどんぐりになっているんだそうです。
更に歩いて約10分、ジャクソン広場に到着です。
中央がセントルイス大聖堂。
その両側に歴史的な建物が並んでいて見学も出来ますが、時間的にもう終わり、それに時間もありません。
中央の騎馬像は、ニューオーリンズ戦争の英雄、アンドリュー・ジャクソンです。
なにやら結婚式の写真撮影も行われていますね。
あと、この広場の近くで見たこの車は何なのでしょう。
「1952年からまだがんばってるよ」って書いてありますが、個人のもの?何かの宣伝の車?
よく分からないのですが、とにかく可愛いので、パチリ(笑)。
あ、通りにフロートが見えてきました。
もう人も乗っています・・・・。
ジャクソン広場に面したディケーター・ストリートの両側には夜のパレードに備えて出発位置に移動するフロート(山車)を見ようと、大勢の人がもう集まってきています。
ハロウィーン用にコスプレしている人もかなりいます。
ただ日本人におなじみのカボチャ系はほとんど見られず、ここニューオーリンズでは圧倒的に魔女と精霊タイプです。
いずれにしても日本人には想像もつかないような大イヴェントみたいですね、ハロウィーン<アメリカの人にとっては。
さ、ディケーター・ストリートに急ぎます。
どんどん通過しています、巨大なフロートが・・・。
大きなトラックに派手なハロウィーン用の魔女や悪魔のデコレーションです。
夜の本パレードではこれに電飾が加わるのです。
本当はまだ出発地に向かうだけのはずなのに、もう皆さん気合が入っていて、ちゃんとコスプレ済みの人がフロートの上に乗り、愛想を振りまいています。
ただ、まだ夜の本番のようにフロートの上からいろいろなものを撒き散らしたりはしていません。
夜になると、ニューオーリンズ最大のお祭り「マルディグラ」のように、フロートから各種のビーズ、コイン、人形、お菓子などが投げられ、人々はそれを奪い合うのです。
ぜんぜん安物でもらって何ということはまったくないのですが(ビーズなど後で処分に困る)、もうただただ人はフロートに向かって自分をアピール、何かをもらえると、とてつもなく幸せな気分になるんだそうです。
あぁ、夜の本番が楽しみです。
また急いでホテルに帰り、スーツに着替え、8時からの公式パーティーにもそう遅れないように、でも7時からのこのパレードも十分見られるように、ホテルのコンシェルジュの力も借りながら、綿密に計画を立てます。
こうしたことが出来るのも、リッツカールトンの便利なロケーションが関係しているのです。
ジャクソン広場にも、夜のパーティーの会場にも歩いて10分くらい、コンシェルジェが「ここがベスト・ポジションですよ」と教えてくれたところまで同じく10分くらい、パレードの進み具合と、パーティー会場への行きやすさを考えて、地図に印をつけてくれます。
ニューオーリンズはニューヨークなとど同じ、特にフレンチ・クォーター内は道が碁盤の目になっているので、僕のようなニューオーリンズが始めての観光客でも、移動はとても楽です。
で、ここで「マルディグラ」(Mardi Gras)の説明をしておかなければですね。
マルディグラと辞書で引くと
「カトリック教会などの西方キリスト教における四旬節の前に行われる祝賀で、アメリカ合衆国南部(ルイジアナ州全般、アラバマ州、テキサス州、フロリダ州など)や、カリブ海の多くの国、南アメリカ、ベルギーなどヨーロッパ各地で行われている行事。ニューオーリンズ(アメリカ合衆国)のニューオーリンズ・マルディグラが有名だが、今は宗教色は消えパレードや音楽が中心の祭りになっている。その規模は、リオのカーニバルと同じく世界の主要カーニバルのひとつに数えられる。マルディグラの日を最終日とする11日間の祭りの間は、マルディグラ・カラーと呼ばれる紫・金・緑の三色に町中が染まる。紫は正義、金は権力、緑は運命の象徴である。フロートと呼ばれる巨大な山車から、マルディグラ・カラーのビーズを大量に投げ、それを人々が競って受け止める」
とあります。
ここで、マルディグラのイメージを少しネットから拾ってみました。
派手でしょう(笑)?
ここまでの派手さ、すごさはありませんが、ニューオーリンズのハロウィーンは、さながらこのマルディグラの興奮のミニチュア版のような感じなのです。
公式パーティー用にスーツに着替えて、でも行き先は会場のレストランではなく、パレードが良く見えるというコンシェルジュお勧めの場所です。
コンシェルジュの予想通りの時間に先頭の鼓笛隊が到着です。
もうすごい迫力、ブラスとパーカッションには定評のあるニューオーリンズという街柄、制服もビシっと決まっていて、かっこよさ抜群。
でも動きが早くて、僕のデジカメのナイト・モードでは、決まった写真が取れません。
すみません。
で、僕、この時、地元のテレビ局に取材されてしまったのです。
アジア系の顔が珍しかったのでしょうか?
簡単でお決まりの質問でした。
その夜はその地元チャンネル(名は失念)をつけっぱなしで見ていましたが、出てきました・・・僕のアジア顔(笑)。
そのチャンネルはほぼ1時間毎に同じような映像を流しているようで、きっと僕の顔、その夜は一晩中ハロウィーンのパレードの映像のたびにニューオーリンズ中に流れたんでしょう(笑)。
実際には僕の映像は2~3秒で、
「どこから来られました?」
「フロム・ジャパ~~ン」
と答えている
「~~」
のところが僕の声無しで流れていました。
ナレーションは
「世界中からこのハロウィーンに参加するために人々が集まっています」
みたいなものでした。
翌日、ラウンジの女性に
「もしかして、昨日テレビに出ていた人?」
と本当に聞かれてしまったので、僕のアジア顔、相当にニューオーリンズでは目立っていたようです(笑)。
フロート(山車)の数は聞くところによると100台以上、昼間見たフロートに電飾が付き、上に乗った人からは、ビーズ、コイン、人形などが投げられ、人々がそれに群がります。
モチーフは、悪魔、魔女、モンスターなど「おどろおどろしい」モチーフのフロートが多く、日本でハロウィーンをイメージするカボチャはついぞ見かけませんでした。
このフロート、見覚えありませんか?
昼間ジャクソン広場で見かけたフロートです。
とても人気のフロートで、人々がみんな手を挙げ、ビーズをせがんでいるのがお分かりでしょうか?
これが僕の成果。
ハロウィーン・デザインのバッグ(ここにやっとカボチャが出てきた・・・)、カップ、ビーズ沢山、コイン、飴、チョコレート、デオドラント・スプレー・・・。
本当はもっともっと見ていたかったけど、時間的に無理。
パーティーにこれ以上遅れては怒られる・・・・後ろ髪を引かれながらハロウィーン・パレードを後にしました。
う~~ん、楽しかった、興奮した・・・本当に良い体験をさせてもらいました。
他の都市でもこういうパレードはあるのでしょうか?
マルディグラ・ワールド