ホテルを出たら・・・ニューオーリンズは音楽のあふれる街

スポンサーリンク

ニューオーリンズ3日目の夕方も迫っています。
大至急ストリート・カーに乗って、陽のあるうちにガーデン・ディストリクトにある南部風の豪邸群と、独特の様式で知られるニューオーリンズのお墓の代表としてラフィエット墓地を見に行きたいのです
ホテルを出て、右に約200メートル。
セントチャールズ線のストリート・カーの駅(といっても簡単な標識があるだけで、ほとんどの駅に駅名はありません)に行こうとすると、ブラス・バンドの音色が・・・。
それもニューオーリンズ伝統のセカンド・ライン・ビートの音色です。

ここは音楽専門ブログではないので、セカンド・ラインについては、少し説明が必要かもしれません。
まずセカンド・ライン (second line)の定義ですが、一般的には「ルイジアナ州ニューオーリンズのブラスバンドを伴った伝統的なパレード」ということが出来ると思います。
音楽ファンには、そこから生み出される独特のリズムがセカンド・ライン・リズムあるいはセカンド・ライン・ビートなどと称されて、ニューオーリンズのジャズ、R&B、ファンクなどの音楽の重要な要素となったことは、いまさら付け加えるまでもないでしょう。

ここでもう少し、セカンド・ラインについて語らせてください。
このセカンド・ラインは、ジャズ・フューネラルというニューオーリンズ独特の葬儀のパレードから生まれたと言われています。
ジャズ・フューネラルでは、パレードは先頭を歩くファースト・ラインとその後につくセカンド・ラインとに分かれます。
ファースト・ラインは、故人の遺族および関係者のみが参加し、重々しい曲を演奏しながら、葬儀場から墓地までお棺を運びます。
一方、セカンド・ラインは埋葬を終えた後の帰路のパレードで、ファースト・ラインとは対称的に賑やかな曲を演奏しながら、街を練り歩きます。
遺族、関係者だけではなく、音楽に魅せられた通行人もパレードに加わります。
彼らは、音楽に合わせて踊り、ハンカチを振り、色とりどりの傘を掲げてパレードを盛り上げます。
ファースト・ラインの重々しい演奏が故人を悼むためのものであるのに対し、セカンド・ラインの明るさには、魂が解放されて天国へ行くことを祝う意味が込められているといいます。
セカンド・ライン・パレードへの参加者は、セカンド・ライナーズなどとも呼ばれ、僕も数分間ですが「参加」してきました(笑)。

ニューオーリンズには、地元の(主にアフリカ系アメリカ人の)コミュニティーに根ざしたソシアル・エイド&プレジャー・クラブという生活支援組織が存在して、彼らがブラスバンドの手配を含め、ジャズ・フューネラルを取り仕切っています。
今日でも、ニューオーリンズでは伝統的なジャズ・フューネラルは健在です。
また、セカンド・ライン・パレードは、ジャズ・フューネラルとは切り離した形でも一年を通して日常的に行われているようです。
主に日曜日の午後に(まさにこの時、でした)ニューオーリンズ市内の通りで様々な団体の主催するパレードを見ることが出来るといいます。
僕が見たのは、かなり個人的で小規模のもの、多分今日はオール・セイント・デイ、どこかの家族が故人をしのんで開催した本当のセカンド・ラインだったかもしれません。
観光用ではなく、ニューオーリンズの生活に根ざした儀式としてのセカンド・ライン・パレード、偶然とはいえ実際に見ることで出来て、僕はこの上なく幸せでした。

 

 



アーカイブ管理人shackinbadmin

タイトルとURLをコピーしました