パリ・ビギナーズ・ノート (42) 「ダ・ローザ」で食事&お買い物

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ブーランジュリー巡りの途中にはデパートの「ル・ボン・マルシェ」にも寄ってみます。
中はいかにも老舗といった感じで、時間のありそうな初老のマダムが似合いそうな雰囲気です。

でも、その隣にある食料品館の「ラ・グランデピスリー・ド・パリ」は夕方ともあって、老若男女、もう大混雑でした。
ここではアジア系の顔立ちの人にはほとんど会わず、フランス全土から美味しいものが沢山集められているので、お土産にも普段使いにもとても役に立つ所、しかも「パリでお買い物~」の気分にも充分浸れるナイスな場所でした。
この時は、英語の話せるとても親切な若い男性店員が親身に買い物の手伝いをしてくれて、「このブランドは有名」とか「これは知らないメーカーだけど、僕の直感で良さそうな気がする」とか「こっちのほうが質が良いと思う」とかアドヴァイスをしてくれました。
たまたま「フランス栗のペーストはどこにありますか?」と聞いたのが縁、彼はフランスの食品の良さを外国人に知ってもらおうという熱意に燃えている人だったようで、もうそれからは僕に付きっ切り(笑)。
更にレジまで僕のためだけに一つ開けて会計まで・・・本当に有難うございました<あの時の彼。
「有料なんだけど沢山買ってくれたので・・・」と型崩れしやすいものはギフト用の箱にまで入れてくれました。
「たまたま」なんでしょうけど、これで僕の「ル・ボン・マルシェ」の評価はぐっと上がりました(笑)。
パン屋の袋、この「ラ・グランデピスリー・ド・パリ」での大袋をぶら下げての、サンジェルマン・デ・プレ界隈の夕方の散策は、時々雨粒も落ちてくる天気だったので、ちょっと大変は大変でした。
「楽しめる散策」ではなくて、「どんなところか、よく見ておこう、もうここには来れないんだから・・・」的な街歩きになっていたのです。
で、相当にへばった僕、通りの片隅でこれからどうしようと地図を見ていると、どうやら僕はあの有名店「ダ・ローザ」(Da Rosa)の近くにいるようなのです。
「ダ・ローザ」・・・オウナーのダ・ローザ氏(元「マリアージュ・フレール」のバイヤーとか・・・)がフランス中から選び抜いた最高級食材を扱う店舗兼レストラン、こういう店を「エピスリー・フィーヌ」(Epicerie fine)というのでしょうか?
「売り物」はイベリコ豚から作られた最高級の生ハム「ベジョータ」、そしてフォアグラのようです。
(エピスリーとは惣菜屋とか食料品店の意味、それにフィーヌが付くと高級食材店のこと。
食のセレクト・ショップ。
地方のアルチザン・メーカーなどが造る少量生産品も取り揃え、例えばオイルなどは試食して選べるといったサービスをしてくれる店。
商品の説明も時間をかけてしてくれるので、客が品物をさっさと選んで籠に入れてレジまで運んでくるというタイプの店ではありません。
オウナーは自分が選んだ商品に対する知識や愛情と共に、誇りも持っている店のことです。)
僕が泊まっている「ヒルトン・アルク・ド・ドリオンフ」と同じデザイナーのジャック・ガルシアが手掛けた内装も、ファッション~モード関係者には有名です。
ただ、スペース的にはとても狭く、一番良いのは店の前のテラス部分かもしれません。
1階は商品が周りに陳列してある中に客席がありますし、僕の座った2階も、人が混んでくるとかなり狭く感じます。

メニュー数はそう多くなく、何度も来られない僕のような観光客がついつい選んでしまうのは、この辺ですね。
まずはフォアグラ。
3種類ほどありますが、やはりこの店ではイベリコ豚のハム入りフォアグラでしょうか。
ご覧のようにソテーされて出てくるのではなく、パテの形、一緒に出てくるやや柔らかいめのパンに塗って食べます。
この動物系滋味に溢れるねっとり感は、ハムの塩けに増強されて、最強の味・風味・食感に仕上がっています。
「旨い」の一言ですね、このフォアグラ!
20ユーロでした。
次は、これもイベリコ豚のハムを使ったリゾット。
これももう言うことがないくらい美味しいです。
もし生まれて初めてのリゾットがこれなら、たぶん今の日本で味わえるリゾットにはとても満足出来ない、そんな出来とすら言えます。
米の炊き方、ふんだん過ぎるほど使われたチーズの濃厚さ、基本となるブロード(フランスだから違う?)の味わい、イベリコ豚のハムの絶妙すぎる塩味・・・これは食べる価値ありの一皿です(18ユーロ)。
いや~~、満足・満足(笑)。
この店、「料理」というほど複雑なことはしていないようですが(「食材に手を入れる」という感じ)、味的には100%満足出来るものを出してくれる店です。
サービスも悪くありません。
で、これだけ美味しいとなると、店で売っている商品の何かは、お土産に買って帰りたい・・・。
定番は「レーズン・オ・ソルテーヌ」、チョコレートを掛けた貴腐ワイン漬けのレーズンです。
でも僕はあえて「定番」を避けて、カカオ・パウダーとシナモン・唐辛子を掛けたアーモンドを・・・。
(これについては、4月15日の「パリで買ってきたもの、どんどん食べてます(笑)」を参照してく
ださい)
お値段は150グラムで11.5ユーロでした。
全体に値段高めですが、十分に価値のあるエピスリー・フィーヌでした。

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