「マンダリンオリエンタル・ダラデヴィ・チェンマイ」での夕食は、この北部タイ料理の店「ル・グラン・ランナー」(Le Grand Lanna)で取ります。
親切な日本人女性スタッフに、入り口までバギーで送ってもらいました。
夜もすっかり更けて、日本人には「やや暗い」と思うほどに落とした照明の中、要所要所に効果的なライトが当てられています。
夜なので全景は把握出来ませんが、店の名前が示すように、ランナ王朝時代の貴族の邸宅を模したデザインのようです。
ここでもふんだんに使われた上質のチーク材が、落ち着きと重厚さを醸し出しています。
いろいろなタイプの席(インドア、アウトドア、テラス、プライベート・パビリオンなど・・・)がありますが、僕の席は予約の際頼んでおいた「タイ舞踊ショーの見やすいところ」に、希望通り席が設けられていました。
スタッフは洗練されていて、もちろん英語は完璧、出される料理に関してもそれなりの知識を持っているウェイター・ウェイトレスばかりでした。
マンゴのシェイクにほんの少しリキュールを入れてもらって、まずは一人で乾杯(笑)。
ショーは僕の目の前で、午後8時から始まります。
で、料理のほう、まずは突き出しとしてミアンカム(ミエンカム)が出てきました。
僕、これ大好き・・・定番のおしゃれ系(?)アペタイザーですね。
この料理は、バイ・チャップルーという葉っぱにいろいろなものを包んで、甘いタレをかけて食べるものです。
中身は、干しエビ、ココナッツ、ホムデーン、ピーナッツ、ショウガ、ライム、そして唐辛子など。
唐辛子でも生のプリックキーヌー辺りが入ると相当辛そうですが、タレが激甘なので調和されます。
バイ・チャップルーはビタミンがとても豊富で、いわゆる健康食なんだそうです。
カルシウム、ビタミンA、C、鉄分が特に豊富で、味もさわやか、やわらかい葉は口当たりも最高です。
とにかくヘルシーで美味しい料理なので、これからも人気は衰えないでしょうね、特にホテルのタイ・レストランなどでは。
大人数の時は大皿に出てきて、各自で好きなものを包んで食べるスタイルになります。
あ、そうそう、ナイトバザールでもこれ、売っていました。
そちらは串刺しスタイルで、一串が5バーツ、英語でvegetarian Thai snackと書いてありましたよ。
タイの古典音楽が始まります。
やはりライブだと臨場感が素晴らしくて、たまにはこういうディナーも良いですね。
踊り子が出てくると、座は一段と華やかになって行きます。
どのテーブルからもフラッシュが焚かれます。
ミアンカムに続いては、僕のオーダー、HED-HOM THORDとYAM POO NIM GUB MA-MUANGが出てきます。
前者(写真の下の皿)は、素揚げした椎茸をスパイシーなライム・ソースで和えたもの。
うまい、旨い、美味~~いぞぉ(笑)!
タイ料理としてだけではなく、「料理」として旨い・・・椎茸の旨味とその揚げ方の絶妙さ、ソースも上質なタイしてて、言うこと無し。
この店の評判はどうやら本物です。
バンコクを含めても、一番美味しいタイ料理レストランと言えるかもしれません。
後者は、タイ料理好きならメニューから味が分かっちゃうかも。
ヤムはサラダ、プーニムはソフトシェル・クラブ、マムアンはマンゴですものね。
つまり良く揚げたソフトシェルクラブをメインにした、ソムタム風のサラダ料理。
油っぽくなく上手に揚がったソフトシェルクラブと、しゃきしゃきのまだ青いマンゴの千切りとミントの葉のサラダ、味といいテクスチャーといい、タイのローカル料理のソムタムを本当に良くワールドワイドな領域にまで高めています。
複雑な香草使いも最高です。
もうこれはメインディッシュかもしれません。
次はチェンマイ名物というか北部タイ料理の名物、ゲーン・ホです。
(GAENE HOと書きます)
これは汁無しの、いわゆるドライカレー。
(ご飯は、緑の葉の帽子の下にあります)
「ホ」とは、チェンマイ方言で「余りものを何でも放り込んで作る料理」のことを言うらしく、この料理を明確に定義をすることは本当は難しいのだそうです。
普通は春雨にわけぎとかインゲン、筍などの野菜をゲーン・キヨウワーン(タイ全土で広く食べられている、ココナツミルクを使った緑色の甘いカレー)とかゲーン・ハーンレー(豚のバラ肉を煮込んだ北タイ料理)で煮詰めたもの。
そのため見た目には、春雨が入っていることもあって、焼きそばのように見えるかもしれません。
これがまた美味しいのです。
ご飯に最高に合います。
お腹が空いていれば、もうこれだけで丼2杯はいけちゃう(笑)スパイシーなドライカレーです。
チェンマイに来たら、カオソイだけではなくゲーンホもぜひお試しください。
僕の胃袋も満足ですが、目の前のステージのほうも、どんどん華麗になって行きます。
で、デザートです。
これはKHAO TANG CUSTARD MA-MUANG GUB ICE CREAM GATI。
これもファンなら、単語の切れ切れからどんなものか想像出来ちゃいますよね。
これがまた、最高の出来だったんです。
特にカオタン(もち米のライス・クラッカーのことです)の出来が!
(タイ料理の代表的な前菜、カオタン・ナータンのカオタンです)
下に敷かれたマンゴのパルフェ(メレンゲと生クリームを入れて、冷やしたもの)とカオタンのさくさく感の何と良く合うこと、それに上にはココナツのアイスクリームですからね、さすが「マンダリンオリエンタル」のデザートは秀逸です。
満足しましたね、ここのお料理、最初から最後まではずれ無しです。
ショーのほうもクライマックス。、
これで1時間のショーは終り、大拍手です。
誰もチップをあげてなさそうだったので僕も止めましたが、タイではこういう時チップは必要なような気が・・・。
かなり広いレストラン内ですが、ここはインドアの席。
そのアウトドアの部分。
チェンマイでは昼は暑くても、夜のこの時間になると大分涼しくなってきてこの辺のテラス席でも良さそうです。
でも虫とか蚊は?ですが・・・。
周囲はタイ情緒たっぷりで、こういうライティングはタイとかバリ島辺りのリゾート・ホテルはお得意です。
いや~、満足しました・・・美味しいです、この「ラ・グラン・ランナー」という店。
ショーチャージも特になくて、これで1400バーツ台ですから、びっくりするほど高いわけではありません。
このホテルに泊まらなくても、チェンマイに来られたら、このレストランはMUSTかもしれません。