さぁ、いよいよ「アンコール・ワット」。
中央祠堂を三重に取り囲む回廊の一番外側の「第一回廊」からガイドの説明を受けていきます。
(第一回廊は南北約180メートル、東西が約200メートルで、一周すると約760メートルだそうです)
第一回廊の見ものは何と言っても圧巻のレリーフ(浮き彫り)。
一部修復中で通れないところもありますが、東西南北にインド古代叙事詩「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」の説話がびっしりと彫られています。
ガイドは巧みな日本語で、図像を平面的に並べて空間を描いて、それを絵巻物のように読む進んでいくことで、ひとつの物語が完結する説話性を持っている・・・と説明していました。
なるほど・・・。
一部にはオリジナルの朱色がまだ残っています。
微笑みのデバターもあちこちに・・・。
約800年も前の建物が、この厳しい環境の中、良くぞこうして残っていましたね。
連子状の窓も興味深いです。
これがレリーフの中で一番有名な「乳海撹拌」の説話の部分。
ヒンドゥー教の天地創世神話である「乳海撹拌」、ヴィシュヌ神の化身である大亀の背中に乗せた大マンダラ山を、両サイドから神々と阿修羅(神に対する「悪神」)が大蛇の胴体を綱として引き合う・・・というものです。
「アンコール・ワット」は至る所がいつ終わるともしれぬ永遠の(?)修復中、雰囲気壊すなぁと思いつつも、創建が12世紀の初頭という建物では、仕方のないことかもしれません。
で、階段を上がり・・・
第二回廊に出て、中央祠堂を見上げます。
あぁ、やっぱりすごい、何とも言えない圧倒的な威厳がある・・・。
この昇ることを拒否するような急な階段を上がった第三回廊より上は、まさに「神々の世界」と言うことなのでしょう。
中央祠堂にはヴィシュヌ神が降臨し、王と神が一体化する場所として作られたそうですから・・・。
東面北側の階段には手すり付きの階段が整備され、人数制限はあるそうですが、第三回廊への入場は可能だと・・・でもこの日はどういうわけか、階段は閉鎖されていました。
残念。
こういうことは時々あるそうです。
僕は前にも書きましたが、この回廊の連子状窓が気に入りました。
チベット辺りの寺院にありそうな感じですよね。
「あぁ、上ってみたかった!」の無念の気持ちで、四方八方写真撮りまくりです。
僕らのツアー「アンコールワット・プノンバケン半日ツアー」には、この「アンコール・ワット」見学の後、アンコール三聖山の一つ「プノン・バケン」という丘上の遺跡から夕陽を見るというのも付いています。