昼はどこかで「ちゃんとした」加賀料理を食べたかったので、Pさんのご友人のお勧めの中から、卯辰山の中腹にある「山乃尾」という店を選んでみました。
旧東廓をはじめ、城下町が一望に望める高台に位置するので、、タクシーも細い道をうねうねとあがっていきます。
まず入り口、ここからして風情十分です。
紅葉でも雪景色でも、すべての季節に合いそうですね。
北大路魯山人が長く逗留したことでも有名らしく、どこを向いても絵になるお店です。
門前ではおかみがにこやかに待ちうけ、離れの座敷に案内されます。
座敷に行く途中も、もちろん離れの中もほかの誰とも会いません。
ここは「それも」売り物になっているようです。
秘密のカップル向け?(笑)
それとも「談合」の巣?(笑)
トイレも完備しているし、会計まですべて担当のお姐さんが部屋でしてくれるので、リラックスできるというか、考えようによっては「危険なにおい」のするところです(笑)。
廓が一望に見える「泊まれる」部屋もあるとのことですが、僕らの部屋は「普通の」市内ビューでした。
見た目にもきれいな八寸。
「水たこ」の和え物が美味しかったです。
蟹しんじょのお吸い物。
出汁は京都などより濃い目、しっかりした味付けです。
白木耳も舌に心地よいアクセントになっていて、家庭では出せない味といえるでしょう。
ひらめと甘海老、ともに素材最高です。
なんという滋味、そして甘さ。
冬の金沢といえば、やはり蟹。
そのなかでもこの時期だけのズワイガニのメスの香箱蟹。
強くない(出汁)酢をかけますが、かけなくてもいいみたい。
汚い写真ですみませんが、「うちこ」と「そとこ」と「ミソ」です。
金沢名物が続きます。
鴨の治部煮(じぶに)です。
これはもちろん文句なし。
上品かつしっかりついた味付けは、残った汁をご飯にかけてかきこみたかったほどです。
山葵が最高のポイントです。
鰆(さわら)の西京焼きと、これまた名物の「唐蒸し」。
鰆は皮まで美味しかったです。
黄色いのは五郎島金時のスライスです。
結婚式などに使われる「おから」の蒸寿司風料理の一人前バージョン。
これも予想以上の味付けです。
焼きおにぎりのお茶漬け。
上に載ったちりめん山椒と絶妙のコンビネーション、漬けものも最高の味です。
最後は、金沢らしく(?)お抹茶と特製の和菓子です。
会計を済ませれば、お姐さんの案内で(また誰にも会わず)玄関へ。
玄関ではタクシーがドアを開けて待っていてくれる・・という具合。
眼下に廓街を見下ろしながら、とても良いひと時を過ごせた思い十分で、「山乃尾」を後にしました。
Pさん、Pさんのご友人のかた、お世話になりました。